【乾燥化進む赤井谷地 2011.6撮】
何年も前から気になっていることがある。
猪苗代湖の北西岸に位置する高層湿原、天然記念物 に指定されている「赤井谷地沼野植物群落」の現状だ。
前に拙ブログ 【「赤井谷地湿原の危機」 2011-06-08 環境問題 】を書いた。
市の図書館でいろいろ調べてみた。
市では 1992年(平成4年)から、福島県教育委員会では1994年(平成6年)から、赤井谷地の学術的価値の再検討と現状把握を目的に、総合的な学術調査を実施し、その報告書が出ていた。その報告書を閲覧することが出来た。
その後、1999年(平成11年)に、赤井谷地復元保存のための指針となる『赤井谷地沼野植物群落保存管理計画』が策定された。
4-5万年から2万年前に、泥炭ドームを発達させて出来た高層湿原が、今危機的な状況にあることを再認識させられた。
個人的に興味があるのは、ときどき訪れる谷地の周辺のチョウやトンボだ。
明らかに乾燥化が進む湿原では、トンボの生息は致命的である。最近の生息状況もかなり変化がある。その他、植物の植生だけでなく、湿原環境に生息する昆虫はじめ動物の保全が急務であると思っている。
計画書で、『赤井谷地エコミュージアム構想』を初めて知った。
計画書の発行からからもう12年になる。その後、この計画はどう検討され、現在どう進んでいるのだろうか。是非知りたいと思う。
『エコミュージアム構想』を見て、信州の霧ヶ峰や志賀高原の湿原、また雄国沼の木道浮かんできた。
構想には、①保護・保全機能 ②展示・普及機能 ③調査・研究機能 ④レクリェーション機能 などの全体像が提案され、概念図スケッチが示されていた。
放っておけば明らかに失われる貴重な自然。どう保全を図るか、難しいだろう。でも、こうした構想の実現は、一つの素晴らしい対策に違いない。
近々、赤井谷地の保全計画の進捗状況を市の教育委員会に訪ねたいと思っている。