エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

消える里山

2013-04-22 | 環境問題

  

  昨年秋から、近くの里山の林の木々が伐採され、山が削られ、もう一山がなくなりつつある。 この豊かな林には、毎年春から初夏にオカトラノオやトリアシショウマが咲き乱れ、ハナカミキリやコガネムシの仲間、コハナムグリなどが無数に集まり、最高のいのちの輝きを見せてくれていた。夢中で花粉を食べる甲虫に交じって、アブの仲間や蛾の変わり者、きれいなチョウたちも蜜を求めていた。中でもここはトラフシジミが多く、吸蜜に夢中の彼女に手を触れると驚くほどのスピードで近くの葉に逃げる。そんな虫たちと遊び語らい、ファインダーでのぞくひとときはこの上なく楽しかった。この小さな虫たちの集う楽園がこの春はもうなくなってしまった。切なく悲しい。
 削られた大量の土砂は、近くのU村の公共施設建設工事に運ばれていることを知った。豊かな文明社会の名の下に、かけがえのない自然が破壊された。ふと、大震災のガレキを造成などに利用したら、などと考えた。

 

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