昨日の夕方、急に思い立って1時間かけ山あいの温泉に出かけた。
古稀まであと1年の誕生日、立ち止まって自分を見つめたい思いがあった。
また、何日か孫の世話で疲労困憊の妻、そして、このところ忙しく動きすぎた自分を少し休めたい気持ちもあった。
露天風呂の周囲は未だうず高い雪、小糠雨に当たりながらその雪を手で掘ったりした。
そうしていると、あらためて今取り戻した健康がありがたくてならなかった。
大病から10年を経過、医師の予想に反してすっかり元気を回復した。
そのつかの間の時の流れを振り返り「馬齢を重ねた」と感じてはいるが、徐々にしばらく出来なかった当たり前の生活を送れるようになった幸せをあらためて感じている。
当たり前に食事を楽しみ、今日はシーズン初めての本格的里山巡りまで楽しむことが出来た。
この生活がいつまでも続くはずはない。心して健康に留意し、しばらくは目の前の仕事に謙虚に取り組ませてもらおうと思っている。
***********************************************************************
所々雪が残る里山に、春を見つけてきた。
日だまりの土手にエゾタンポポが見事に咲いていた。
里山初チョウは予想通りルリシジミだった。久々の山道にキタテハ、ヒオドシチョウを目撃、足下から元気に飛び去っていった。
小川の岸にショウジョウバカマが咲き始めていた。
芽吹きのない林間から磐梯山が美しかった。キツネの雪形も見え始めた。そのうち「虚無僧」に変わっていく。
コブシ、日向ミズキ、サンシュもつぼみを開きはじめた。すでにマンサクは盛りを過ぎたようだ。
ヒュウガミズキ
ヒメシロチョウの里へ回った。枯れて雪に押しつぶされた褐色のツルヒジバカマはよく分かった。
この広い野原のどこかに、潰されたろう苛酷な冬をたえたヒメシロチョウの蛹がじきの羽化を待っている。大自然は素晴らしいものだ。
ツルフジバカマの群生する一番奥の田に行くと、なんど農道を舗装工事中だった。
幸い側溝は作らず、土手を固めたようなのでツルフジバカマはまた生えてくるだろう。
しかし、今の時期、農道に舞い降り吸水に翅を広げるクジャクチョウやヒオドシチョウ、ルリタテハなどの姿は見られなくなってしまうだろう。少し寂しい。
この、自然豊かな山と人間の生活する街の間にあるこのオワシスはこれ以上開発されてはならない。
帰りに近道を下り落葉松林へ寄ってみたが、芽吹きはまだ遅かった。途中に雪が道をふさいでいた。急がば回れだ。
帰りに会津村の慈母観音をを高台から見下ろした。長原からの飯豊連峰がくっきり見えた。
約3時間、シーズン初の里山を楽しむことが出来た。