エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ハッチョウトンボを訪ねる  

2017-06-17 | 自然観察

駒止湿原へはときどき行くが、平成27年9月の豪雨で道路が寸断、未だ一般車両は入れない。

ワタスゲの湿原を見ながらハッチョウトンボを撮ろう!  久々に宮床湿原まで足を延ばした。

南郷スキー場の入り口付近はヒメサユリが咲き出していた。

  

 到着は10時近く、数台しか余裕のない駐車場には2台の先客があった。

セミ時雨の林の中を湿原に急いだ。

今の時期のセミの大合唱はエゾハルゼミと思われる。  小さい抜け殻を持ち帰り、検討。 「触角の第4節が第3節の3倍弱の長さ」からはハルゼミ・・・と思われる。

 

これはハルゼミのようだ。  

高層湿原一面にワタスゲが美しかった。白く伸びた毛は地味な花穂の後の花被片だ。

 

宮床湿原は標高850mにある、高層湿原・中層湿原・低層湿原が観察できる貴重な湿原。

手前の高層湿原は大分乾いていて、ニッコウキスゲ、ヤマツツジがまばらに咲いていた。

  

前の体験から、あのちっちゃいハッチョウトンボはなかなか見つからない。木道をゆっくり歩いた。

木道の奥の方に広がる所々水たまりの見える低層湿原あたりに数頭のハッチョウトンボを見つけることができた。

木道をアブのように飛ぶ物体を目で追うと、カヤの枯れた茎に止まった。ハッチョウトンボだ。

 ♀   ♀

 ♂  ♂獲物を捕らえる

♂  

何組かのハイカーに出会ったが、約2時間、途中おにぎりを食べながら湿原の美しさに見とれた。

広い湿原にほとんど一人、貸し切り状態だった。

一面のミズゴケにモウセンゴケやタテヤマリンドウが花が見えた。

   タテヤマリンドウ

 シオヤトンボ♂   ハラビロトンボ

 

  ミヤマセセリ  キンモンガ

帰りがけ、木道脇にモウセンゴケの餌食になったハッチョウトンボを見つけた。

カメラを向けると、脚が動いた。未だ捕まったばかりだった。

かわいそうが先に立って、モウセンゴケには悪いが助けてやった。

くっついていた羽根をはがしてやった。動きの悪い被害者を手に載せた。

思いついてポケットの100円玉を置いて、身体測定。約1.7cmほどか。

あらためて世界一小さいトンボを実感した。

眼が赤くなり始めたこの彼氏、元気に、お礼を言って飛んでいった。 

   

100円玉の径は2cm 

                               

ひっそりした湿原には、誰もいない。ハッチョウトンボとの楽しいふれあいの時間を過ごすことができた。