今日ミンミンゼミの初鳴きを聞いた。未だ梅雨は明けないが、暑い夏を待ちきれずに鳴いたのだろう。小さな林を抱く我が家の庭では、6月末からヒグラシが鳴き始める。白々と夜があける朝方、そして日が傾く夕方には、すべてを超越するこの純粋さわやかな響きに癒されている。昨日は、絶滅が心配されているコバネアオイトトンボの撮影に森の中の水辺に行った。やがて、林床の木漏れ日のササの葉にイトトンボを見つけた。この独特な橙色の胸部は、羽化直後の未成熟のコバネアオイトトンボ、今年も会えた喜びが湧いてきた。誰にも邪魔されずひっそりといのちを長らえている小さなトンボを思った。林に中は、昼中にもかかわらずヒグラシのセミ時雨が響いていた。生物多様性の危機が言われるが、セミもトンボも例外ではない。消えつつある物言わぬ小さな虫たちにもっと目を向けていかなければと思っている。
《数年前のコバネアオイトトンボ》
♂
♀
♀
確かに翅は短いか
交尾
産卵
数日前に出会った未成熟個体
翅胸前面の橙色はアオイト、オオアオイトと異なる。今年も成長した個体と会えることを願っている。