突然の入院だった。長い入院生活となり、はからずも多くの知人から励ましをいただいた。
このほど、私自身と家族の願いが叶えられ退院、嬉しさをかみしめている。
ICUでの意識混濁の中の2週間、生死をさまよいながらも立派な医師と神に救われた。
その後、一般病棟に移ってからは、衰弱しきった体力、気力からさらに辛い闘病の日々となった。
滅入りがちな私には、毎日見舞う家族の励ましが支えだった。
思えば発病前日まで元気に里山を巡っていたのに、今、おぼつく脚で立つ久々の庭は、ハギやムクゲの花が風に揺れ、もうすっかり静謐な秋だ。
でも、猛暑に咲き誇ったであろうサルスベリの花が未だ咲き残り、諦めかけていたミンミンゼミも鳴いている。
贅沢な願いかもしれないが、近いうちにもう一度カメラを提げてさわやかな里山をめぐりたい。
すっかり落ちた体力をつけ、いつものトンボに会いたいと思っている。 (病床ノートより 8/27)
オオチャバネセセリ