このブログでもよく書いているが、ボクは司馬遼太郎さんのファンでもある。だが、司馬さんの小説は「司馬史観」という中で書かれているモノであり、「史実とは違う」とよく言われている。コレは勿論ボクも理解しているが、小説だから当たり前の話であって、史実に余りに忠実だと、おもしろさが半減することも考えられるので、多少の飛躍があって当然だと思う。さらには人物像を大きく描くことによって大きく脱線してしまうこともあるだろう。だからボク自身としては、そう言った歴史小説はあくまでも「小説」として捉えている。
それはそれとして、事実として頭に入れなくてはならない歴史もあるので、小説とは並行して「歴史小説」ではない「歴史書?」というか、そういう「歴史関連本」も昔からよく読んでいる。
その中でも特に力を入れて?何冊も読み続けているのが昭和史関連本だ。これは現代を生きる人間として、一番近く、振り返らなくてはいけない時代でありながら、全然知らされていない時代=いわゆる「学校では教えてくれない時代」だからだ。
しかしながら、歴史書は「小説」でないにも関わらず、著者の思い入れが込められているモノが多く、選ぶのが難しい。例えば、とある事件の被害者の数が片方では到底計算に合わない、ベラボウな数になっているのがあると思えば、片方では事件そのものがなかったとしていたりするからだ。
これは昨日起こった夫婦ゲンカであっても仲裁に入った第三者から見れば、嫁と旦那のどちらの言い分が正しいなんてことが、判断し辛いのと同じだ。ましてや少なくとも50年以上経った歴史であれば尚更だろう。また、公的に書かれているモノであっても、過去に「オレのことをもっとよく書け」という圧力がかかったこともあったという。だから、ブレがあることは仕方がないことと諦めて、可能な限り多くの意見に触れて自分の判断力を養い、妥当な線を導き出すしかないとボクは思っている。
以前にも書いたように、右でも左でもない真ん中を歩きたいとボクはいつも思っている。そんな目で判断した中にあって為になった?というか、好印象だったのは今までなら「日本の戦争(田原総一郎著)」であったが、去年の暮れからは、半藤一利さんの本をよく読み、惹かれつつある。説明するまでもないが、半藤さんは主に昭和の歴史を題材に多くの著作をされている一人で、生前の司馬さんとは親交があった作家だ。
半藤さんの著書の中でも、これから日本の近代史を知りたい人にまずお勧めしたいのが「昭和史(1926~1945)」「昭和史(1945~1989)」の2冊だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/13/34e48fecabdd5f731cd0d8489fe1db87.jpg)
この2冊は「授業形式の語り下ろし」と言って、全編が、先生が黒板の前に立って授業をしている流れで書かれている。(実際に4人の前で授業風に話しているのを編集したそうだ。)その内容が退屈な授業であれば即「zzz…」と居眠りを始めてしまうところだが、江戸っ子気質の半藤先生?の授業は「オモシロイ」と評判で、なかなか受けられない先生の授業のようで、最後まで楽しく聞く?(読む)ことができるのだ。更に、旧仮名遣い等で書かれている当時の文献や日記等は現代語に訳したモノが本文のすぐ後に記されており、読んでゆくパターンが崩れないのが有り難い。
と、まぁ、何もボクが宣伝する必要もなく、既に文庫化もされ、25万部以上も売れているから、それがこの本のオモシロさと内容の良さの証明になっていると思う。
この2冊は終戦を境に2部に別れているが、全編が通史になっているので、一連の流れとして捉えることが出来るのが有り難い。更に大事な部分は詳しく、その他の部分はサラッと流しており、激動の昭和期に何があったのかが一通り、一気に理解できるようになっている。
内容に関する細かな感想はあえて書かないが、ボクにとってはしっくり来る内容であったのは確かだ。
ただし、この本であっても史実とは違う部分があるのかも知れないことは断っておきたい。上段でも触れたが、決定的な証拠が無いが為に誰にも断定できず、資料等から推測するしかない部分は、どの本にも少々あって、その著者の説や見解に頼るしかないのは仕方がないことなのだ。
それはさておき、我々のような親世代が「近くて知らない近代史」を知ろうとせず、「何がどうなっていたのか?」も理解出来ないようでは、子供達に平和な未来を引き継いではもらえないし、ましてや今、論議されている日本の安全保障や憲法問題には参加できないのだ。だから皆さんにも1冊の本をキッカケに、近代史に興味を持っていただきたいと思う。
一転して幕末史の話。
現在はNHK大河ドラマ「龍馬伝」に代表される、龍馬ブームとなっており、本屋さんにはかなりの量の関連本が積まれている。そんな龍馬そのものを採り上げているモノの判断は別に譲るとして、ここでも半藤一利さん著の「幕末史」を採り上げたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/46/9bffa8d98a398fffdf51458eb5f5c70a.jpg)
この本も上述した「昭和史」と同じコンセプトが書かれているので、非常に読み易い。昭和史と同様に黒船到来から西南戦争までの通史になっているので、龍馬や維新の重要人物の生きた時代の時代背景や空気感が非常に良く理解できる。だから、コレを読めば龍馬以外の登場人物についても理解が深まり、「何故そうなったのか?」という流れが理解できるようになるので、ドラマ「龍馬伝」を見るオモシロさも倍増?すると思う。
但し、半藤さんは自身と同じ江戸っ子の勝海舟贔屓なので、龍馬に対する評価はそんなに高くないように感じるのだが…。
とにかく、楽しく、しかも手っ取り早く近代史を理解するのに、この「幕末史」は「昭和史」の2冊と並んでお薦めの1冊だ。
それはそれとして、事実として頭に入れなくてはならない歴史もあるので、小説とは並行して「歴史小説」ではない「歴史書?」というか、そういう「歴史関連本」も昔からよく読んでいる。
その中でも特に力を入れて?何冊も読み続けているのが昭和史関連本だ。これは現代を生きる人間として、一番近く、振り返らなくてはいけない時代でありながら、全然知らされていない時代=いわゆる「学校では教えてくれない時代」だからだ。
しかしながら、歴史書は「小説」でないにも関わらず、著者の思い入れが込められているモノが多く、選ぶのが難しい。例えば、とある事件の被害者の数が片方では到底計算に合わない、ベラボウな数になっているのがあると思えば、片方では事件そのものがなかったとしていたりするからだ。
これは昨日起こった夫婦ゲンカであっても仲裁に入った第三者から見れば、嫁と旦那のどちらの言い分が正しいなんてことが、判断し辛いのと同じだ。ましてや少なくとも50年以上経った歴史であれば尚更だろう。また、公的に書かれているモノであっても、過去に「オレのことをもっとよく書け」という圧力がかかったこともあったという。だから、ブレがあることは仕方がないことと諦めて、可能な限り多くの意見に触れて自分の判断力を養い、妥当な線を導き出すしかないとボクは思っている。
以前にも書いたように、右でも左でもない真ん中を歩きたいとボクはいつも思っている。そんな目で判断した中にあって為になった?というか、好印象だったのは今までなら「日本の戦争(田原総一郎著)」であったが、去年の暮れからは、半藤一利さんの本をよく読み、惹かれつつある。説明するまでもないが、半藤さんは主に昭和の歴史を題材に多くの著作をされている一人で、生前の司馬さんとは親交があった作家だ。
半藤さんの著書の中でも、これから日本の近代史を知りたい人にまずお勧めしたいのが「昭和史(1926~1945)」「昭和史(1945~1989)」の2冊だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/13/34e48fecabdd5f731cd0d8489fe1db87.jpg)
この2冊は「授業形式の語り下ろし」と言って、全編が、先生が黒板の前に立って授業をしている流れで書かれている。(実際に4人の前で授業風に話しているのを編集したそうだ。)その内容が退屈な授業であれば即「zzz…」と居眠りを始めてしまうところだが、江戸っ子気質の半藤先生?の授業は「オモシロイ」と評判で、なかなか受けられない先生の授業のようで、最後まで楽しく聞く?(読む)ことができるのだ。更に、旧仮名遣い等で書かれている当時の文献や日記等は現代語に訳したモノが本文のすぐ後に記されており、読んでゆくパターンが崩れないのが有り難い。
と、まぁ、何もボクが宣伝する必要もなく、既に文庫化もされ、25万部以上も売れているから、それがこの本のオモシロさと内容の良さの証明になっていると思う。
この2冊は終戦を境に2部に別れているが、全編が通史になっているので、一連の流れとして捉えることが出来るのが有り難い。更に大事な部分は詳しく、その他の部分はサラッと流しており、激動の昭和期に何があったのかが一通り、一気に理解できるようになっている。
内容に関する細かな感想はあえて書かないが、ボクにとってはしっくり来る内容であったのは確かだ。
ただし、この本であっても史実とは違う部分があるのかも知れないことは断っておきたい。上段でも触れたが、決定的な証拠が無いが為に誰にも断定できず、資料等から推測するしかない部分は、どの本にも少々あって、その著者の説や見解に頼るしかないのは仕方がないことなのだ。
それはさておき、我々のような親世代が「近くて知らない近代史」を知ろうとせず、「何がどうなっていたのか?」も理解出来ないようでは、子供達に平和な未来を引き継いではもらえないし、ましてや今、論議されている日本の安全保障や憲法問題には参加できないのだ。だから皆さんにも1冊の本をキッカケに、近代史に興味を持っていただきたいと思う。
一転して幕末史の話。
現在はNHK大河ドラマ「龍馬伝」に代表される、龍馬ブームとなっており、本屋さんにはかなりの量の関連本が積まれている。そんな龍馬そのものを採り上げているモノの判断は別に譲るとして、ここでも半藤一利さん著の「幕末史」を採り上げたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/46/9bffa8d98a398fffdf51458eb5f5c70a.jpg)
この本も上述した「昭和史」と同じコンセプトが書かれているので、非常に読み易い。昭和史と同様に黒船到来から西南戦争までの通史になっているので、龍馬や維新の重要人物の生きた時代の時代背景や空気感が非常に良く理解できる。だから、コレを読めば龍馬以外の登場人物についても理解が深まり、「何故そうなったのか?」という流れが理解できるようになるので、ドラマ「龍馬伝」を見るオモシロさも倍増?すると思う。
但し、半藤さんは自身と同じ江戸っ子の勝海舟贔屓なので、龍馬に対する評価はそんなに高くないように感じるのだが…。
とにかく、楽しく、しかも手っ取り早く近代史を理解するのに、この「幕末史」は「昭和史」の2冊と並んでお薦めの1冊だ。