■福井県鷹巣沖■
福井県に鷹巣沖という、地元を始め中部、関西方面では大変有名な沖釣りのポイント群がある。この地域では解禁期間があって、毎年5/1~12/31までの期間が遊漁者に解放されている。主な対象魚は、シーズンを通して釣れるマダイの他、秋口からはハマチ~メジロ(ワラサ)級の青物が釣れ盛り、「ハマチが一船450本!」なんて釣果が飛び出すようになる。更に年ごとにムラはあるものの、夏場以降にはヒラマサの中型が回遊することもある。
鷹巣沖の釣りは、ほとんどの場合で釣具店の斡旋制になっており、釣具店の取り次ぎによって船とエサが手配されるので、船頭さんと直接予約のやり取りやエサの持ち込みが出来ない。
出船は時間帯によって午前6時~12時までの朝便、午後3時~9時の半夜便、午後9時~午前3時の深夜便の3便体勢になっているが、今年の秋の場合、朝便はマダイ中心、半夜便はマダイ+青物、深夜便は青物専門に狙うことがほとんどだ。
時間帯によって釣法や仕掛が違い、昼間は完全フカセ仕掛、夜間の青物狙いは胴付きもしくは天秤ズボ仕掛を使用するが、マダイと青物の両方を狙う半夜便では両方の仕掛が必要になることが多い。
この一帯では主に仕立船(チャーター船)での運行が多いが、今回はボクは一人の単独釣行だったので、越前フイッシングセンター(http://www3.ocn.ne.jp/~echizenf/)が少数募集している乗合船を見付けてそれに乗船することになった。この地域では他に鷹巣釣船センター(http://homepage2.nifty.com/turifune/)も有名で、仕立て船を利用する場合にボクはこちらの方をよく利用している。
●プレジャーボートにも解放されているので「釣り船密度」は濃い●
■鷹巣沖の完全フカセ■
ここでの釣りの特徴といえば「完全フカセ」仕掛けでの釣りがまず第一に挙げられる。
完全フカセとは、外ガイド仕様の船竿に回転抵抗が少ない電動もしくは手巻きリールをセットしたタックルを使用し、フリーにしたスプールを逆転させて仕掛を送り込んでゆく釣りであるが、糸自体を海中に馴染ませ、仕掛をタナに送り込むために、糸自体の比重が重いフロロカーボン製の道糸がこの釣りには不可欠だ。ここ鷹巣では、マダイ、青物狙いの場合、道糸の太さは6号が標準になり、この太さのままで5~8号までのハリスを使用するが、ハリスの太さが道糸の太さを上回っても道糸が高切れすることはほとんど無い。
仕掛はハリスの長さが6mの2本バリが標準だが、マダイだけを狙う場合は長さが9mの3本バリを使用することもあるが、このあたりは好みで選んでも構わない。しかし、同じ完全フカセでも舞鶴あたりだと船頭さんが「20m必要」と指示することもあるが、ボクの考えでは、より比重の軽くて沈みの遅いナイロン道糸を使用していた時代の名残であると思っている。実際、隣の人が長い仕掛を使っている横で、短い6mの仕掛を使って何度も上回るスコアを出しているので、全く問題はないものと考えている。
アタリが出ると、スプールの回転が急加速するので回転の変化さえ判断できれば誰でもアタリがとれるだろう。以前にボクが雑誌に書いた記事では、この様子を「坂を登っていたジェットコースターが、下りに差し掛かって急加速する様子」に喩えていたが、正にその通りで、アタリが出た瞬間はスリル満点の気分が味わえる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/eb/e9f758b2c1674ea02db33fee6d7606a4.jpg)
●フロロカーボン製の道糸を300m巻いた電動リール●
鷹巣沖での完全フカセ釣りの最大の特徴は、「タナとり方法」にある。
完全フカセ釣りを解説する際、本などには「道糸とハリスの継ぎ目にあるサルカンの数を増やしたり、より大きなモノに替えることで沈み具合を調整する」とよく書かれている。それは考えとしては間違ってはいないと思うが、それだけだと「エサ取りが多い場合はどうするのか?」ということに対しての答えは出てこない。その点、鷹巣沖の完全フカセではその答えが用意されているのだ。
まず道糸の先端部分にチチワを作るのだが、この輪の長さが15cmほどになるよう長目にしておく。そのチチワにハリスの先端に結んだインターロックサルカン5号を引っかけて連結する。コレが標準の状態。仕掛を流して、エサを取られない場合はサルカン部分にガン玉Bを打つが、次の流しでもエサが取られなかった場合は、更にガン玉の数を増やしてゆく。まぁ、ここまでは言わば「当たり前の発想」だ。しかし、ここからが違う。
逆に、エサが取られる場合はラグビーボール型の「発泡ウキ」をチチワの輪っか(二重になった部分)に通して浮力を付けてゆくのだ。
使用するサイズは主に8、7、6番あたりで、標準仕掛でエサが取られたら、6番からサイズアップし、8番でもエサが取られるようだと8+6、8+7、8+8といった具合に浮力を上げてゆく。8番以上になると投入直後は仕掛が浮いたままなになるが、心配は要らない。道糸の重みでやがて沈んでゆく。
このようにシステム化された「タナとり法」を駆使して釣り人が仕掛を潮流やエサ取りの状況にピッタリ合わせることができるようになれば、より正確にマダイや青物の口元にサシエサを届けることができようになって、アタリを集中して捉えることが可能になるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/2d/2db03227b3e4db6d775a8ae1cff2f1de.jpg)
●発泡ウキのセッティング方法●
さてさて、前置きが長くなったが、今回の釣りではどんなドラマが待っているのだろうか?。 ~その2へ続く。
福井県に鷹巣沖という、地元を始め中部、関西方面では大変有名な沖釣りのポイント群がある。この地域では解禁期間があって、毎年5/1~12/31までの期間が遊漁者に解放されている。主な対象魚は、シーズンを通して釣れるマダイの他、秋口からはハマチ~メジロ(ワラサ)級の青物が釣れ盛り、「ハマチが一船450本!」なんて釣果が飛び出すようになる。更に年ごとにムラはあるものの、夏場以降にはヒラマサの中型が回遊することもある。
鷹巣沖の釣りは、ほとんどの場合で釣具店の斡旋制になっており、釣具店の取り次ぎによって船とエサが手配されるので、船頭さんと直接予約のやり取りやエサの持ち込みが出来ない。
出船は時間帯によって午前6時~12時までの朝便、午後3時~9時の半夜便、午後9時~午前3時の深夜便の3便体勢になっているが、今年の秋の場合、朝便はマダイ中心、半夜便はマダイ+青物、深夜便は青物専門に狙うことがほとんどだ。
時間帯によって釣法や仕掛が違い、昼間は完全フカセ仕掛、夜間の青物狙いは胴付きもしくは天秤ズボ仕掛を使用するが、マダイと青物の両方を狙う半夜便では両方の仕掛が必要になることが多い。
この一帯では主に仕立船(チャーター船)での運行が多いが、今回はボクは一人の単独釣行だったので、越前フイッシングセンター(http://www3.ocn.ne.jp/~echizenf/)が少数募集している乗合船を見付けてそれに乗船することになった。この地域では他に鷹巣釣船センター(http://homepage2.nifty.com/turifune/)も有名で、仕立て船を利用する場合にボクはこちらの方をよく利用している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/1c/aa5c195cf414d156d337cf89b415c4d9.jpg)
●プレジャーボートにも解放されているので「釣り船密度」は濃い●
■鷹巣沖の完全フカセ■
ここでの釣りの特徴といえば「完全フカセ」仕掛けでの釣りがまず第一に挙げられる。
完全フカセとは、外ガイド仕様の船竿に回転抵抗が少ない電動もしくは手巻きリールをセットしたタックルを使用し、フリーにしたスプールを逆転させて仕掛を送り込んでゆく釣りであるが、糸自体を海中に馴染ませ、仕掛をタナに送り込むために、糸自体の比重が重いフロロカーボン製の道糸がこの釣りには不可欠だ。ここ鷹巣では、マダイ、青物狙いの場合、道糸の太さは6号が標準になり、この太さのままで5~8号までのハリスを使用するが、ハリスの太さが道糸の太さを上回っても道糸が高切れすることはほとんど無い。
仕掛はハリスの長さが6mの2本バリが標準だが、マダイだけを狙う場合は長さが9mの3本バリを使用することもあるが、このあたりは好みで選んでも構わない。しかし、同じ完全フカセでも舞鶴あたりだと船頭さんが「20m必要」と指示することもあるが、ボクの考えでは、より比重の軽くて沈みの遅いナイロン道糸を使用していた時代の名残であると思っている。実際、隣の人が長い仕掛を使っている横で、短い6mの仕掛を使って何度も上回るスコアを出しているので、全く問題はないものと考えている。
アタリが出ると、スプールの回転が急加速するので回転の変化さえ判断できれば誰でもアタリがとれるだろう。以前にボクが雑誌に書いた記事では、この様子を「坂を登っていたジェットコースターが、下りに差し掛かって急加速する様子」に喩えていたが、正にその通りで、アタリが出た瞬間はスリル満点の気分が味わえる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/eb/e9f758b2c1674ea02db33fee6d7606a4.jpg)
●フロロカーボン製の道糸を300m巻いた電動リール●
鷹巣沖での完全フカセ釣りの最大の特徴は、「タナとり方法」にある。
完全フカセ釣りを解説する際、本などには「道糸とハリスの継ぎ目にあるサルカンの数を増やしたり、より大きなモノに替えることで沈み具合を調整する」とよく書かれている。それは考えとしては間違ってはいないと思うが、それだけだと「エサ取りが多い場合はどうするのか?」ということに対しての答えは出てこない。その点、鷹巣沖の完全フカセではその答えが用意されているのだ。
まず道糸の先端部分にチチワを作るのだが、この輪の長さが15cmほどになるよう長目にしておく。そのチチワにハリスの先端に結んだインターロックサルカン5号を引っかけて連結する。コレが標準の状態。仕掛を流して、エサを取られない場合はサルカン部分にガン玉Bを打つが、次の流しでもエサが取られなかった場合は、更にガン玉の数を増やしてゆく。まぁ、ここまでは言わば「当たり前の発想」だ。しかし、ここからが違う。
逆に、エサが取られる場合はラグビーボール型の「発泡ウキ」をチチワの輪っか(二重になった部分)に通して浮力を付けてゆくのだ。
使用するサイズは主に8、7、6番あたりで、標準仕掛でエサが取られたら、6番からサイズアップし、8番でもエサが取られるようだと8+6、8+7、8+8といった具合に浮力を上げてゆく。8番以上になると投入直後は仕掛が浮いたままなになるが、心配は要らない。道糸の重みでやがて沈んでゆく。
このようにシステム化された「タナとり法」を駆使して釣り人が仕掛を潮流やエサ取りの状況にピッタリ合わせることができるようになれば、より正確にマダイや青物の口元にサシエサを届けることができようになって、アタリを集中して捉えることが可能になるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/2d/2db03227b3e4db6d775a8ae1cff2f1de.jpg)
●発泡ウキのセッティング方法●
さてさて、前置きが長くなったが、今回の釣りではどんなドラマが待っているのだろうか?。 ~その2へ続く。