■ようやく梅雨入り■
晴天続きで渇水していた渓流も、梅雨入りしたことで好転するかに思えたが、さほど降らずに一週間が過ぎようとしていた。
釣行予定の週末を前にようやく降り出したのだが、今度は降りすぎの感があって、予定していた岐阜県奥飛騨方面では釣行24時間前からの累計で40mmを越え、更には局地的に豪雨状態のところもあって、増水しすぎで釣りになりそうにはなかった。そこで富山県に向かうことにしたのだが、反して日本海側ではそんなに降った様子はなく、八尾(やつお)周辺では24時間の累計で9mm程度だった。
「それでも降らないよりは好転しているだろう。」との判断で、ボクにとっては、もうホームグラウンドと化している、富山県の久婦須川(くぶすがわ)へと向かうことにした。
■遅まきながらの開幕■
河畔に到着し、仮眠すること1時間で準備を開始する。
この日がボクに取って今シーズンの開幕となるわけだが、予想通りと言うべきか、周囲の様子からすると前夜来、そんなに降ってはいない様子であり、実際河原に到達して確認しても渇水気味の様子だった。それでも当日の天候が曇りであることは救いではあった。
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朝一番は、浅場へとエサを食いに上がって来ている魚を狙うのだが、まずはミミズを刺して投入する。すると、すぐに目印がブルッと小さく揺れるのだが、それは小さく、かつ力なく、まるでエサ取りの小魚のようなアタリであった。しかし、「もしや?」との思いで、半信半疑のまま、試しにアワセを入れてみた。
すると、意に反してそれはヤマメのアタリであったのだが、1匹目から結構なサイズではあったものの、食い込みが浅くハリハズレを起こしてしまった。
続いてのアタリも同様に小さく、無理にアワセても乗ってこない。そこで、エサを食い込みのよいヒラタに交換する。
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この作戦が当たって、今シーズンの渓流魚第一号をゲットする。
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何とか、ゲットしたものの、やはり渇水のせいか、食いは悪いようである。以後、そのことを常に頭に入れることを戦略の基本とした。
■エサのローテーション■
要所要所で狙い撃ちをするが、普段ではポイントであるはずのところでも、当日は水量が足らず、多くがつぶれた状態であり、苦労する。やがて瀬の中にポケットのようにほれ込んだ部分が点在するポイントに差し掛かるが、ここでも全盛時の3分の1以下にポイントが減っていた。
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ここでも、ヒラタ、ミミズ、クロカワムシ、オニチョロ(ギンパク)の4種を駆使して、小型のイワナを皮切りに、ぼちぼちヤマメをゲットするが、エサに傾向があることがなんとなく見えてきた。
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時たまアタリはあるが、ずっと小さいままで、タイミングがとり辛くて掛けてもハリが外れることが多い。そんな中、ようやく良型と呼んでも良い魚に遭遇する。
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このポイント以降は、エサのローテーションをすることで次第にキャッチする量が増えるようになってきた。
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■竿抜けポイント■
もう一つの傾向もあった。やはり連日川に入りやすい状況が続いていたので、朝一番以外はいわゆる「竿抜けポイント」という、仕掛けを入れにくい部分にしか魚はついていない様子であった。
そんなポイントを丹念に攻め、いつもの2倍近い時間をかけて探ってゆく。そうすると...
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魚はボクに答えを返してくれた。
■最大魚■
当日の最大魚は竿抜けポイント&オニチョロという、パターンで出てくれた。
ポイント自体は下の写真の部分であったが、手前の石の前で20cm前半のヤマメが出た後、一番奥にあるブッシュの被った所から飛びだしてきたのだ。
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■期待の堰堤は...■
さてさて、第一回目の脱渓地点である、堰堤前に差し掛かったのだが、いつもよりシツコク丁寧な攻めをしていたので、時間が結構経っていた。そのため、ボクが到達する頃には誰かがすでに入渓した後になっていたのか、ほとんど反応がない。それこそ何をハリに刺しても、どう攻めても全く魚から答えが返ってくることがない。
全く期待はずれのままに最終地点に達したが、唯一の釣果は竿抜けポイントに隠れていた小型のイワナのみであった。
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朝4時過ぎにスタートして、この区間を脱したのは午後2時半だった。結構時間がかかったが、気付けば釣果は普段と変わりない量になっていたので、今回は粘り勝ちということだろう。(自宅用の魚を残して多くはリリースした。)
そして、退渓後はあまり時間もなかったので、下流の小場所を少しだけ攻めて2匹追加してこの日の釣りが終わった。
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■この日を振り返って■
この日、最大魚は28cmのヤマメだったが、同クラスを数匹ハリ外れでバラしていた。やはり渇水のせいか、活性は低く、ヒラタで無理矢理口を使わせた感があり、掛けて取り込めた魚を含めてハリを飲み込むような魚は少なかった。
エサのローテーションを振り返ってみると、記憶の残る範囲では、最大魚を含めて25cmクラスの多くがオニチョロに食ってきた。しかし、それぞれは単発で、連続したわけではない。昨年のこの時期にもそうだったのだが、僕自身が他地域ではイイ思いをしたことがなく、しかも、ここなぜかここ久婦須川でもこの時期しか食いの良くないこのエサが、こと梅雨時期になると威力を発揮するようである。しかし、現地で採取しようにも、数が少なくて確保に苦労した。
反対に至るところで採れた大型のヤマメ狙いでは定番であるハズのクロカワムシは食い飽きているのか、全釣果の内、たった1匹でしかなかった。
本文中でも触れたヒラタは最も多くのアタリを捉えたが、サイズは伸び悩む傾向にあり、ミミズは目先が変わった一瞬だけに当たりが出る傾向にあった。
ともあれ、最大は28cmながら、20~25cmを中心に、気付けば釣果は軽く20を越えていた。やはりそういったエサのローテーションは、釣果を伸ばすには必要不可欠な要素であろう。特にヒラタは、もし無ければ釣果が一桁台だっただろうから、まさに「ヒラタ様様」だった。
ようやくボクに取っての渓流シーズンがスタートした。今年はどんな魚が待っているのだろうか?。期待を膨らますのには十分な、幸先の良い久婦須川での開幕だった。
晴天続きで渇水していた渓流も、梅雨入りしたことで好転するかに思えたが、さほど降らずに一週間が過ぎようとしていた。
釣行予定の週末を前にようやく降り出したのだが、今度は降りすぎの感があって、予定していた岐阜県奥飛騨方面では釣行24時間前からの累計で40mmを越え、更には局地的に豪雨状態のところもあって、増水しすぎで釣りになりそうにはなかった。そこで富山県に向かうことにしたのだが、反して日本海側ではそんなに降った様子はなく、八尾(やつお)周辺では24時間の累計で9mm程度だった。
「それでも降らないよりは好転しているだろう。」との判断で、ボクにとっては、もうホームグラウンドと化している、富山県の久婦須川(くぶすがわ)へと向かうことにした。
■遅まきながらの開幕■
河畔に到着し、仮眠すること1時間で準備を開始する。
この日がボクに取って今シーズンの開幕となるわけだが、予想通りと言うべきか、周囲の様子からすると前夜来、そんなに降ってはいない様子であり、実際河原に到達して確認しても渇水気味の様子だった。それでも当日の天候が曇りであることは救いではあった。
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●渇水気味の久婦須川●
朝一番は、浅場へとエサを食いに上がって来ている魚を狙うのだが、まずはミミズを刺して投入する。すると、すぐに目印がブルッと小さく揺れるのだが、それは小さく、かつ力なく、まるでエサ取りの小魚のようなアタリであった。しかし、「もしや?」との思いで、半信半疑のまま、試しにアワセを入れてみた。
すると、意に反してそれはヤマメのアタリであったのだが、1匹目から結構なサイズではあったものの、食い込みが浅くハリハズレを起こしてしまった。
続いてのアタリも同様に小さく、無理にアワセても乗ってこない。そこで、エサを食い込みのよいヒラタに交換する。
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●ヒラタ●
この作戦が当たって、今シーズンの渓流魚第一号をゲットする。
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●20cmくらいのヤマメ●
何とか、ゲットしたものの、やはり渇水のせいか、食いは悪いようである。以後、そのことを常に頭に入れることを戦略の基本とした。
■エサのローテーション■
要所要所で狙い撃ちをするが、普段ではポイントであるはずのところでも、当日は水量が足らず、多くがつぶれた状態であり、苦労する。やがて瀬の中にポケットのようにほれ込んだ部分が点在するポイントに差し掛かるが、ここでも全盛時の3分の1以下にポイントが減っていた。
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●ポイントは少ない●
ここでも、ヒラタ、ミミズ、クロカワムシ、オニチョロ(ギンパク)の4種を駆使して、小型のイワナを皮切りに、ぼちぼちヤマメをゲットするが、エサに傾向があることがなんとなく見えてきた。
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●今年初イワナ●
時たまアタリはあるが、ずっと小さいままで、タイミングがとり辛くて掛けてもハリが外れることが多い。そんな中、ようやく良型と呼んでも良い魚に遭遇する。
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●25cm級●
このポイント以降は、エサのローテーションをすることで次第にキャッチする量が増えるようになってきた。
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●オニチョロ(ギンパク)●
■竿抜けポイント■
もう一つの傾向もあった。やはり連日川に入りやすい状況が続いていたので、朝一番以外はいわゆる「竿抜けポイント」という、仕掛けを入れにくい部分にしか魚はついていない様子であった。
そんなポイントを丹念に攻め、いつもの2倍近い時間をかけて探ってゆく。そうすると...
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●25cm前後のヤマメ●
魚はボクに答えを返してくれた。
■最大魚■
当日の最大魚は竿抜けポイント&オニチョロという、パターンで出てくれた。
ポイント自体は下の写真の部分であったが、手前の石の前で20cm前半のヤマメが出た後、一番奥にあるブッシュの被った所から飛びだしてきたのだ。
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●左上の隅が最大魚の出たところ●
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●28cmのヤマメ●
■期待の堰堤は...■
さてさて、第一回目の脱渓地点である、堰堤前に差し掛かったのだが、いつもよりシツコク丁寧な攻めをしていたので、時間が結構経っていた。そのため、ボクが到達する頃には誰かがすでに入渓した後になっていたのか、ほとんど反応がない。それこそ何をハリに刺しても、どう攻めても全く魚から答えが返ってくることがない。
全く期待はずれのままに最終地点に達したが、唯一の釣果は竿抜けポイントに隠れていた小型のイワナのみであった。
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●20cmほどのイワナ●
朝4時過ぎにスタートして、この区間を脱したのは午後2時半だった。結構時間がかかったが、気付けば釣果は普段と変わりない量になっていたので、今回は粘り勝ちということだろう。(自宅用の魚を残して多くはリリースした。)
そして、退渓後はあまり時間もなかったので、下流の小場所を少しだけ攻めて2匹追加してこの日の釣りが終わった。
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●最終のヤマメ25cm●
■この日を振り返って■
この日、最大魚は28cmのヤマメだったが、同クラスを数匹ハリ外れでバラしていた。やはり渇水のせいか、活性は低く、ヒラタで無理矢理口を使わせた感があり、掛けて取り込めた魚を含めてハリを飲み込むような魚は少なかった。
エサのローテーションを振り返ってみると、記憶の残る範囲では、最大魚を含めて25cmクラスの多くがオニチョロに食ってきた。しかし、それぞれは単発で、連続したわけではない。昨年のこの時期にもそうだったのだが、僕自身が他地域ではイイ思いをしたことがなく、しかも、ここなぜかここ久婦須川でもこの時期しか食いの良くないこのエサが、こと梅雨時期になると威力を発揮するようである。しかし、現地で採取しようにも、数が少なくて確保に苦労した。
反対に至るところで採れた大型のヤマメ狙いでは定番であるハズのクロカワムシは食い飽きているのか、全釣果の内、たった1匹でしかなかった。
本文中でも触れたヒラタは最も多くのアタリを捉えたが、サイズは伸び悩む傾向にあり、ミミズは目先が変わった一瞬だけに当たりが出る傾向にあった。
ともあれ、最大は28cmながら、20~25cmを中心に、気付けば釣果は軽く20を越えていた。やはりそういったエサのローテーションは、釣果を伸ばすには必要不可欠な要素であろう。特にヒラタは、もし無ければ釣果が一桁台だっただろうから、まさに「ヒラタ様様」だった。
ようやくボクに取っての渓流シーズンがスタートした。今年はどんな魚が待っているのだろうか?。期待を膨らますのには十分な、幸先の良い久婦須川での開幕だった。