中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’12 玄達瀬の釣り ~その1

2012-08-04 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■玄達瀬■

 玄達瀬とは福井市西部の海岸線から約35km西の沖合にある”スーパー漁場”だ。
 大きさは長さ18km、幅6kmほどで、周囲の水深200mから一気に水深30~10mにまでせり上がる非常に起伏の激しい瀬になっており、最浅部は7mほどと言われ、船上から肉眼で確認できる。対馬暖流からの栄養豊富な潮流が、この複雑な瀬にぶつかることで、魚の集まりやすい条件が整い、一帯の漁場では最高クラスの魚が狙えるポイントになっている。
 この玄達瀬で釣りができる解禁期間は毎年6月16日から8月15日までであり、入ることができるのは、許可船のみになる。
 狙う魚は、ヒラマサ、ブリ、マダイ、がメインだが、近年ではメダイの大型や、尾長グレの大型もよく見かけるようになり、その他の磯着きの魚である、口太グレ、石鯛、イサギなどもよく顔を出す。
 中でも、釣り人の一番人気はヒラマサだろう。この魚の魅力は何と言ってもその強力な引き味と食味だ。その強引は、サイズが1mを優に超えるクラスにもなると10号クラスのハリスを簡単に引きちぎり、ヤワな竿は折られ、下手をすれば電動リールまでもが破壊されるというモノだ。更には習性上一度ハリに掛かると、海中の障害物の際に向かって猛突進するから、必然的にハリスや道糸が擦れて切れる確率も高いので、ゲット率が下がる。そのことが更に釣り人の「獲ってヤル魂」を刺激するのである。
 そしてその食味は、最高クラスの評判であり、浜値もブリの3~4倍もする。個人的な趣向かも知れないが、高級クロマグロやクエと同等に思うほどだ。特に旬が産卵期にあたる夏になっているので、玄達瀬の解禁期間と重なっているのが嬉しい。
 今シーズンの玄達瀬では特に1m前後の大型の回遊量が多く、解禁当初から安定した釣果が続いていたし、中には1m40~50cmというオバケ・サイズも登場しているようだ。

 今回利用した釣り船は越前フィッシングセンターに所属する、晴海丸という船だ。そう、6月初旬にこのブログで紹介した鷹巣沖での釣りでも利用した船だ。
 この船の船長さんは、完全に大物指向であり、そのヤル気たるや、一度船に乗ればすぐに伝わってくるような人柄であり、それでいてきめ細かいアドバイスや世話を的確にこなしてくれる。かくいうボクもその人柄に惹かれて、今回の玄達行きでは指名して乗船の運びとなったワケである。因みに上述したオバケ・サイズの1m40cmは、この船の釣果だ。

●晴海丸の船影●

 実は本来、7月初旬に釣行予定だったのが、一度荒天で流し、再度の挑戦になっていたのだが、その間の3週間で玄達瀬では状況が変わっていた。新たにヒラマサの群れが入って来たのは良いことだが、そのサイズは小ビラと呼ばれる50~60cmクラスだ。数が出ていることから、釣果においては堅い状況だろうが、釣り味については疑問が残る。果たして結果はどうなるのであろうか…。


■瀬落ち狙いから浅場へ■

 母港の福井港から、1時間弱で玄達瀬に到着する。付近の海域には20隻程度が集結し、それぞれのポジション取りを行っていた。

●付近の船団●


 我が晴海丸は浅場から深場に落ちてゆく”瀬落ち”のラインにポジション取りし、仕掛けの投入が開始された。
 この玄達瀬では、ジギング等、ルアーで狙う釣り人以外の、ほとんどの釣り人が、オキアミエサを使った完全フカセ・スタイルで挑んでいる。このブログでも何度か紹介したが、この釣りはリールから無抵抗で糸を送り出し、ハリに着いたエサをくわえた魚が走ることがリールの急速回転として表現される。だからその瞬間がいつ来るのかと、ドキドキしながらアタリを待ち、アタった瞬間の「プシュー!」という音と共に、こちらの興奮も最高潮となるのである。
 そのアタリを拾うまでには、オキアミのマキエサを撒き続けると共に、「タナ調整」が重要になってくるが、詳しくはこのブログの過去の記事を見て欲しい。 

●新調したリールは唸りを上げるのだろうか?●

 約2時間、同一のポジションで粘ってみたが、最初のポイントでは不発だった。そして船長のひらめきと判断から、周囲に他船が居ない、やや浅場で起伏の激しい地点へと移動を開始した。

 釣り人にはいろいろなタイプが居るが、ボクは群れることが嫌いだ。例えば、磯釣りだとある磯が絶好調だとすると、釣り人の中には、周りに人がたくさん居ても平気で並んで釣ることのできる人が居るが、ボクの場合はそれは苦痛になる。だから、たとえ不人気であっても、自分のスタイルで一日を通したいが故に、人の少ない、あるいは全く居ない磯に上がることが多い。また、兄や友人達との釣行であっても、一人で磯に降りて、そこで一日を過ごすことになるとしても、一向に構わないのだ。要は「思う存分竿を振りたい」ということだ。
 実は晴海丸の船長もそんな釣り姿勢のようである。船団の近くには寄らず、培った実績と自分の感覚でポイントを選ぶことを優先しているようだ。あくまでも「ボクにとっては」の話だが、こういったポイント選びは自分の波長にも合うので、気持ちが良い。


■初アタリ■

 浅場への移動後、数頭目で兄のリールから待望の「プシュー!」音が出た。アタリの出方と竿の絞り込まれ様からすると、間違いなくヒラマサであるが、サイズは近頃主流の小マサ・クラスのようである。

●当日の、初やりとり●

 メーター級に照準を合わせた10号ハリスを使用しているだけに、強引なやりとりで難なく手中に収めたのは、予想通り55cm級のヒラマサであった。

●55cm級のヒラマサ●

 兄曰く、アタったのは40m付近ということである。続いてボクにもアタリがあると思っていたが、意に反して40m付近を素通りし、100mまで到達してもアタリは無い。回収するとエサが取られている。もう一度流しても結果は同じだった。
 続いてのアタリも兄だった。聞けば今度は25m付近でアタったという。これも小マサで難なく取り込んだが、至近距離で食っているというのに、こちら側のかすりもしない現状にボクの頭は???で埋め尽くされる。果たしてボクの仕掛けや流し方は兄と比べて何の違いがあるのだろうか…?

~その2へ続く
コメント
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