中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

完全フカセ ヒラマサ狙いの準備 ’17年版 「玄達瀬・2ヶ月間の傾向」編

2017-06-03 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 1年の内で、たった2ヶ月しかない玄達瀬の解禁期間。今年も16日に解禁されるが、「禁漁期に保護された、ウブな魚がいっぱい居るだろうから、行けば簡単に釣れるだろう。」と考えてしまう人が居てもおかしくない。幸運であったり、小型狙いであれば、そういった側面もあるにはあるが、より大型の、ヒラマサのゲット率を高くしたければ、傾向を掴み、対策を練っておく必要があるように思う。


■前、後期の傾向■

 チビ&小マサは別として、大~超大型は時期ごとの着き場やエサを拾う層に変化が大きく、前期と後期では狙う場所が変わってくる。それを分けるのが、産卵&放精で、これを境にコロッと話が変わる。

 解禁したばかりの前期は産卵&放精前の栄養補給のため、活発にエサを拾う個体が多い。この時期のエサ場(着き場)は浅場と言われるところであることが多く、例年解禁当初からしばらくの間はこの位置でアンカーを降ろす船が多い。浅場の魚はマキエサへの反応も良く、大~超大型ヒラマサであっても上層まで浮上してくるため、あくまでも玄達レベルの中での話だが、比較的掛け易い。
 「釣り易い」とせずに「掛け易い」としたのは、タナが浅いために仕掛けが合わせ易いこととは裏腹に、掛かる層と根回りの障害物との距離が近いため、モタモタしていると、すぐそれらに突っ込まれて、根ズレを起こしてしまうからだ。京都府・経ヶ岬沖の白石グリの例でも判るように、オス・メス共に腹の大きい個体は引きが弱まる傾向にあるが、ここ玄達瀬では、上述の理由と、より適水温に近付くこと、そしてハナからパワーの次元が違う1m30cmクラスの、巨マサの来襲もあるため、他地域での常識は通用しないことを覚悟しておいて欲しい。

 7月中旬以降の後期になると、ヒラマサたちは適当な根回りに入り込んで、産卵&放精し始める個体が多くなるのだが、「大型から産卵&放精を始め、口をあまり使わなくなる」という、魚類の殆どが辿るパターンの通り、ヒラマサもその例外ではない。玄達瀬の大~超大型ヒラマサの釣果がこの時期から減ってくるのは、この影響だと思われる。
 そして、産卵&放精が終わった個体から、潮流の比較的穏やかな深場へと順次落ちてゆく。この状態になると、初めは食ったとしても目の前に落ちてきたエサに反応する程度になり、その後は体力回復を図るために小移動の範囲で採れるエサから拾い始め、体力が戻り始めると完全アフター状態となって積極的にエサを追うようになる。ただし、1m20cm以上の巨マサクラスはクラスは食性、行動エリア共に完全フカセ釣法の圏外へと行ってしまうのか、ほとんど姿を見せなくなる。したがって、大きくても110cmクラスまでになることがほとんどだ。また、群れる数も少なく、オキアミを拾って浮上してくる層もやや深めになるので、船長、釣り人共にテクニックと経験の蓄積が必要になる。特に潮流の速い日には攻略がより困難になる。

 因みに、前期に好調だった浅場では、大型の姿があまり見られなくなり、解禁当初からここに回遊している65cm前後の小マサ・クラス、年回りによっては50cm台のチビマサたちが相変わらず口を使い続けていることが多い。時折ここで“1船で30以上!”といった数釣りが起こるが、これは新たな群れが入った時で、その可能性は解禁から禁漁日までの間で終始続く。

 産卵&放精といっても、全魚が一斉にそれを行うワケではないので、前期であっても、早めに終えて深場に落ちた大~超大型を先回りして狙う船長も居るし、後期であっても遅れて入るなど、多少は残っているかも知れない大~超大型を念頭において浅場で攻め続ける船長も居る。また、潮がブッ飛ぶと仕掛けが入り辛くなるので、仕方なしに浅場で釣らなくてはならない場合もある。したがって、全てを決め付けることはできないので、あくまでも、「そういった傾向がある」として捉えて欲しい。


■浅場&深場の傾向■

 自分の乗った船の船長判断で、どの位置に着けるかは日々違ってくるが、浅場に入った場合は、「玄達瀬の最浅部は7m」であることを頭に入れておいて欲しい。もちろん、最浅部そのもので釣ることは多分、無いと思うが、魚が掛かる位置の水深が想像以上に浅いというケースは多々ある。そんなポイントでは釣れてくる外道が、グレやイシダイといった磯釣りの対象魚が中心になることが多い。外道がこのパターンになれば、自分が浅場に入っていることを充分に意識しなくてはならない。(もっとも、船長にポイントの水深を聞けばいいのだが…。)
 浅場では、上記の外道以外に、水深に関係なく食ってくるマダイやチビ&小マサが掛かってくることも多いため、つい、気を抜いてしまうことがある。しかし、大~超大型ヒラマサは外道が消えた瞬間に、いきなりやってくるので、油断は禁物だ。

 逆の深場のポイントに入った場合は、外道はマダイが中心になることが多く、夏場だというのに時折メダイが混じる箇所もある。こういったポイントに精通する船長は「マダイの群れの外で様子を伺っていた大マサが、スイッチが入った途端にマキエサの中にツッ込んでくる。」と、よく言うが、その通り、イメージ的にはマダイが順調に釣れている内に、そのアタリが遠退き、「アレッ?、何か変だぞ」と思った瞬間に「ドカンッ!」と来るパターンが多いように思う。

~以下、次週の「巨マサ対策編」に続く
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