■目先を変えて■
秋本番となって、いつもの完全フカセ釣りで利用している有望船は、軒並み満船となって予約が取れなかった。「であるのなら、他の釣りを。」と、今回はタテ釣り(落とし込み釣り)の乗合船に乗り込むことになった。利用したのは、いつも完全フカセ釣りで狙っているのと同じ鷹巣沖へと出船している海運丸さんだ。
■感覚が掴めない■
久しぶりの凪日とあって、プレジャーボートを含んだ釣り船の数はかなり多いようであったが、とりあえず、出港地から近い位置で実釣がスタートした。
タテ釣りでは、サビキ仕掛に掛かった小魚を食いに来るフィッシュイーター達を狙うため、イワシ類や小アジをいかに掛けるかが釣果のカギとなるが、周囲の他船を含めた航行する船影やエンジン音等から来るプレッシャーや、潮行きによって、普段なら誰にでも簡単に掛かるハズの小魚達に翻弄されることもしばしばだ。
かく言うボクも久しぶりのチャレンジなだけに、そのへんがウマく掴めるか不安を抱きつつも第一投。しかし、一発では掛からなかった。
その後も何度か小魚の層を通過させてみたが、不安は的中しそうであり、すんなりとは行かない感が漂っていた。
小魚の掛かり具合は船中の全員で芳しくなかったためポイント移動を繰り返すが、しばらく経つと掛かる人、掛からない人の差が出るようになっていた。ボクの場合は、全体の“中の下”程度であった。当初の“落としパターン”は、指示ダナ5m手前まで全速で落下させ、そこからスプールをサミングして押さえてスピードをセーブしながら落とし、掛からなければ巻き上げて同じパターンを繰り返すというモノであったが、「コレだ!」という感覚は掴めずにいた。
そこで次なるパターンを試そうと、全速落下の後にリールのメカニカルブレーキを絞ってみることにした。コレが良かったのか、ある程度安定して小魚が掛かってくれるようになった。
そして、掛かった小魚が弱らないように、スピードを抑えつつ底まで落としてゆくと本アタリが…。
しかし引きは大したことはなく、ツバスクラスとハマチクラスのブリ族がダブルで掛かっていて、ガックリ。
他の釣り人の釣果も芳しくないことから、ここでも粘らず、周囲に集まる他船の多さから船長は南への大移動を決意した。
■上向かないまま■
かなりの大移動の後、イワシ類が中心の大きな群れを船長が発見し、その周囲で粘ってみることになった。しかし、ここでもライバル船が多かったことと、イワシ類を襲う青物からのプレッシャーの影響で回遊層がコロコロと変わる状況だった。それでもボクの釣り座とは反対の船首側では、ウマくイワシを掛けているようだったが、ボクにはその半分程度の割合でしか掛かってくれなかった。恐らくコレは、船長の指示ダナは当然船首方向を見ての判断であるため、船首側では層が変わる前に仕掛が到達する確率が高かったことが主原因のように思われた。しかも、安定して掛かれば、本命魚が掛かる確率が上がるのは当然で、大本命のヒラメ、それも70cm級を含んで釣果が伸びているようであった。
ここまでボクも本命魚のアタリを捉えていたが、「ヒラメであろう。」と思って慎重になっていると、送り込み過ぎてオモリが根掛かりしたり、逆に早アワセでスッポ抜けたり、はたまたアワセ切れをしたりで、ようやくメジロクラスと呼べるようなブリ族が1本と、伸び悩んでいた。
■大アタリ■
残り時間も2時間を切る頃、堪らず、船長に落とし方の指南を受けることにした。コレまでボクは落とすスピードの調整に頼っていたが、船長曰く「5m間隔で2秒程停止させて、ゴー・ストップを繰り返してみたら?。」と言うことだったので、それを試してみることにした。
この落とし方ではそれまでよりも幾分掛かりが改善したように思え、その実、ついに大アタリを捉えることに成功した。
少し送り込んだ後、アワセを入れると、ドンッ!とした手応えがあった。しかし、そこから大きく走り出すワケではなく、その場でグイグイと締め込んだかと思えば、ただ重いだけの抵抗感になった。
しかし、時々思い出したかのように、その場での締め込むといったパターンが繰り返されたので、本人の感触は勿論のこと、後ろで見ていた船長からも「大ヒラメか?」との声が掛かっていた。そのため、ドラグを緩めにして慎重にやり取りを行っていた。そして、グイグイ→ただ重いだけを何度もしのいでクッションゴム代わりのリーダーがようやくリールに巻き取られた頃に相手の正体が判明した。何とそれはブリだったのだ。
てっきり“縁側40cm級(実寸70cmオーバー)”を期待していただけに拍子抜けしたが、このブリは自分が回遊魚であることを忘れたのか、一向に走らず、何とも意気地がない、お騒がせなヤツだった。
■夕闇迫る中■
そして、とうとうラストチャンスを迎えた。アドバイスを受けてからの落とし込み具合は“ゴー・ストップ・パターン”で押し通したが、夕マヅメに差し掛かったこともあって、小魚の掛かりは良いままだった。
そして船長から「そろそろラスト。」との声が掛かった時に、ラストのヒラメ狙いの目論見を奪う、着底前に引ったくるアタリがあった。
「どうせ青物だろう。」とは思っていたものの、背中側の釣り座では小マサが1本アタッていたので、それを期待したが、ボクには化けてくれることはなく、またもやメジロだった。
■反省すること多々■
この日、一日にわたってボクの竿に小魚が掛かる率は高いとは言えなかったが、掛かった際の感覚は逃さずに感じていたし、それを殺さずに着底させてもいた。しかしながら本命魚、特に大本命魚であるヒラメのアタリは遠かった。これは推測だが、風と潮の関係で船首側の右舷がいち早くヒラメの居着く魚礁の近くに到達し、それとは正反対のボクの釣り座が一番後もしくは外側になっていたように思う。そのため、ボクにはガシラやソイといった根魚のアタリは全く無く、魚礁の外を回遊する青物(ブリ族)ばかりになってしまったようだ。実はこの日釣り座選びのジャンケンでは勝っていたのだが、完全フカセ釣りばかりやっていた影響からか、トモ(船尾)の釣り座を選んでしまった。勿論船長は修正をして平等にアタるよう計らってはいてくれたのだが…。
とまぁ、言い訳は兎も角、馴れない釣りであり、まだまだ勉強する必要がありそうであった。次の機会は自身をバージョンアップさせてのチャレンジだ。
秋本番となって、いつもの完全フカセ釣りで利用している有望船は、軒並み満船となって予約が取れなかった。「であるのなら、他の釣りを。」と、今回はタテ釣り(落とし込み釣り)の乗合船に乗り込むことになった。利用したのは、いつも完全フカセ釣りで狙っているのと同じ鷹巣沖へと出船している海運丸さんだ。
●停泊中の海運丸●
■感覚が掴めない■
久しぶりの凪日とあって、プレジャーボートを含んだ釣り船の数はかなり多いようであったが、とりあえず、出港地から近い位置で実釣がスタートした。
タテ釣りでは、サビキ仕掛に掛かった小魚を食いに来るフィッシュイーター達を狙うため、イワシ類や小アジをいかに掛けるかが釣果のカギとなるが、周囲の他船を含めた航行する船影やエンジン音等から来るプレッシャーや、潮行きによって、普段なら誰にでも簡単に掛かるハズの小魚達に翻弄されることもしばしばだ。
かく言うボクも久しぶりのチャレンジなだけに、そのへんがウマく掴めるか不安を抱きつつも第一投。しかし、一発では掛からなかった。
その後も何度か小魚の層を通過させてみたが、不安は的中しそうであり、すんなりとは行かない感が漂っていた。
小魚の掛かり具合は船中の全員で芳しくなかったためポイント移動を繰り返すが、しばらく経つと掛かる人、掛からない人の差が出るようになっていた。ボクの場合は、全体の“中の下”程度であった。当初の“落としパターン”は、指示ダナ5m手前まで全速で落下させ、そこからスプールをサミングして押さえてスピードをセーブしながら落とし、掛からなければ巻き上げて同じパターンを繰り返すというモノであったが、「コレだ!」という感覚は掴めずにいた。
そこで次なるパターンを試そうと、全速落下の後にリールのメカニカルブレーキを絞ってみることにした。コレが良かったのか、ある程度安定して小魚が掛かってくれるようになった。
そして、掛かった小魚が弱らないように、スピードを抑えつつ底まで落としてゆくと本アタリが…。
●待望の本アタリを捉える●
しかし引きは大したことはなく、ツバスクラスとハマチクラスのブリ族がダブルで掛かっていて、ガックリ。
他の釣り人の釣果も芳しくないことから、ここでも粘らず、周囲に集まる他船の多さから船長は南への大移動を決意した。
■上向かないまま■
かなりの大移動の後、イワシ類が中心の大きな群れを船長が発見し、その周囲で粘ってみることになった。しかし、ここでもライバル船が多かったことと、イワシ類を襲う青物からのプレッシャーの影響で回遊層がコロコロと変わる状況だった。それでもボクの釣り座とは反対の船首側では、ウマくイワシを掛けているようだったが、ボクにはその半分程度の割合でしか掛かってくれなかった。恐らくコレは、船長の指示ダナは当然船首方向を見ての判断であるため、船首側では層が変わる前に仕掛が到達する確率が高かったことが主原因のように思われた。しかも、安定して掛かれば、本命魚が掛かる確率が上がるのは当然で、大本命のヒラメ、それも70cm級を含んで釣果が伸びているようであった。
ここまでボクも本命魚のアタリを捉えていたが、「ヒラメであろう。」と思って慎重になっていると、送り込み過ぎてオモリが根掛かりしたり、逆に早アワセでスッポ抜けたり、はたまたアワセ切れをしたりで、ようやくメジロクラスと呼べるようなブリ族が1本と、伸び悩んでいた。
■大アタリ■
残り時間も2時間を切る頃、堪らず、船長に落とし方の指南を受けることにした。コレまでボクは落とすスピードの調整に頼っていたが、船長曰く「5m間隔で2秒程停止させて、ゴー・ストップを繰り返してみたら?。」と言うことだったので、それを試してみることにした。
この落とし方ではそれまでよりも幾分掛かりが改善したように思え、その実、ついに大アタリを捉えることに成功した。
少し送り込んだ後、アワセを入れると、ドンッ!とした手応えがあった。しかし、そこから大きく走り出すワケではなく、その場でグイグイと締め込んだかと思えば、ただ重いだけの抵抗感になった。
●この引き具合は…●
しかし、時々思い出したかのように、その場での締め込むといったパターンが繰り返されたので、本人の感触は勿論のこと、後ろで見ていた船長からも「大ヒラメか?」との声が掛かっていた。そのため、ドラグを緩めにして慎重にやり取りを行っていた。そして、グイグイ→ただ重いだけを何度もしのいでクッションゴム代わりのリーダーがようやくリールに巻き取られた頃に相手の正体が判明した。何とそれはブリだったのだ。
●84cmのブリ●
てっきり“縁側40cm級(実寸70cmオーバー)”を期待していただけに拍子抜けしたが、このブリは自分が回遊魚であることを忘れたのか、一向に走らず、何とも意気地がない、お騒がせなヤツだった。
■夕闇迫る中■
そして、とうとうラストチャンスを迎えた。アドバイスを受けてからの落とし込み具合は“ゴー・ストップ・パターン”で押し通したが、夕マヅメに差し掛かったこともあって、小魚の掛かりは良いままだった。
そして船長から「そろそろラスト。」との声が掛かった時に、ラストのヒラメ狙いの目論見を奪う、着底前に引ったくるアタリがあった。
●途中で引ったくるのは…●
「どうせ青物だろう。」とは思っていたものの、背中側の釣り座では小マサが1本アタッていたので、それを期待したが、ボクには化けてくれることはなく、またもやメジロだった。
●納竿の瞬間●
■反省すること多々■
この日、一日にわたってボクの竿に小魚が掛かる率は高いとは言えなかったが、掛かった際の感覚は逃さずに感じていたし、それを殺さずに着底させてもいた。しかしながら本命魚、特に大本命魚であるヒラメのアタリは遠かった。これは推測だが、風と潮の関係で船首側の右舷がいち早くヒラメの居着く魚礁の近くに到達し、それとは正反対のボクの釣り座が一番後もしくは外側になっていたように思う。そのため、ボクにはガシラやソイといった根魚のアタリは全く無く、魚礁の外を回遊する青物(ブリ族)ばかりになってしまったようだ。実はこの日釣り座選びのジャンケンでは勝っていたのだが、完全フカセ釣りばかりやっていた影響からか、トモ(船尾)の釣り座を選んでしまった。勿論船長は修正をして平等にアタるよう計らってはいてくれたのだが…。
とまぁ、言い訳は兎も角、馴れない釣りであり、まだまだ勉強する必要がありそうであった。次の機会は自身をバージョンアップさせてのチャレンジだ。
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