■初めて見る人のために■
映画「永遠の0」がDVD化された。
既にこのブログでも書いたように、ボクは映画館で鑑賞済みだが、この映画を観に行けなかった親父にプレゼントするべく購入に至った次第だ。
映画の公開以降の観客数は記録的なモノだったから、当然ながら鑑賞者には概ね好評のようで、ボクにとっても大満足の内容だった。しかし、一部の観客の声やブログ等の書き込みでは「原作本の方が良かった。」という意見もあったのも事実だ。
原作本と映画の表現の違いは各所にある。時間の制約がある映画では、生き残った各搭乗員に語らせる時間が少なくなっている点もその一つだが、対する原作本では、詳し過ぎてやや不自然だと思えるくらいに戦いの実際や、戦況の流れに関する説明が元搭乗員の口から出てくる。恐らくこれは作者の百田尚樹さんが、意図的に、大きくは大東亜戦争(太平洋戦争)全般の流れ、小さくは戦闘時の様子やエピソードについて、全く知識のない読者にも解るよう、登場人物達に、いちいち細かく説明させていたのだと思う。
しかし、小説内で細かく語られる真珠湾攻撃から特攻に至る経緯は基本的なモノであり、坂井三郎さんのエピソード等は「大空のサムライ」で、それ以外のエピソードも各小説やノンフィクション作にも記されていることなので、それらを既に読んでいたり、近代史や戦史をある程度知っている者にとっては小説内で語られるほどに説明されなくても構わないのだ。恐らくそのあたりが、「知らなかった人達」にとっては、映画に対して物足りなく思え、「知っている人達」にとっては充分と思える差になったのだと思う。
発売と同時期にレンタルも始まっているので、この映画を目にする人が今後も増えてゆくと思うが、予備知識がない場合は、できれば観る前に原作を読んだ方がイイと思うし、原作の内容を忘れてしまった人はもう一度原作を読み返してからにした方がすんなり感情移入ができるような気がする。つまりは「小説の内容をイメージとして映画で追う」といった感じで見るのがイイと思う。しかし、もっと理想を言うのなら、「戦争に突入した背景と終戦~サンフランシスコ講和条約までの経緯」を少しでも知ってから観ると、この映画の意図するところがより深く理解できるので、これらの時代を背景としたノンフィクション物や小説、各種文献を読むことをお薦めしておく。
終戦記念日を来月に控え、タイムリーな発売、レンタル開始だ。この映画を観ることが、この国の礎となった人々に思いを馳せる切っ掛けとなって欲しいと思う。
(最後に一言。この映画は極一部が言うところの「戦争賛美」「美化」といった要素は全く無いので、安心して観られる映画だということをお知らせしておきたい。)
映画「永遠の0」がDVD化された。
●永遠の0(DVD版)●
既にこのブログでも書いたように、ボクは映画館で鑑賞済みだが、この映画を観に行けなかった親父にプレゼントするべく購入に至った次第だ。
映画の公開以降の観客数は記録的なモノだったから、当然ながら鑑賞者には概ね好評のようで、ボクにとっても大満足の内容だった。しかし、一部の観客の声やブログ等の書き込みでは「原作本の方が良かった。」という意見もあったのも事実だ。
原作本と映画の表現の違いは各所にある。時間の制約がある映画では、生き残った各搭乗員に語らせる時間が少なくなっている点もその一つだが、対する原作本では、詳し過ぎてやや不自然だと思えるくらいに戦いの実際や、戦況の流れに関する説明が元搭乗員の口から出てくる。恐らくこれは作者の百田尚樹さんが、意図的に、大きくは大東亜戦争(太平洋戦争)全般の流れ、小さくは戦闘時の様子やエピソードについて、全く知識のない読者にも解るよう、登場人物達に、いちいち細かく説明させていたのだと思う。
しかし、小説内で細かく語られる真珠湾攻撃から特攻に至る経緯は基本的なモノであり、坂井三郎さんのエピソード等は「大空のサムライ」で、それ以外のエピソードも各小説やノンフィクション作にも記されていることなので、それらを既に読んでいたり、近代史や戦史をある程度知っている者にとっては小説内で語られるほどに説明されなくても構わないのだ。恐らくそのあたりが、「知らなかった人達」にとっては、映画に対して物足りなく思え、「知っている人達」にとっては充分と思える差になったのだと思う。
発売と同時期にレンタルも始まっているので、この映画を目にする人が今後も増えてゆくと思うが、予備知識がない場合は、できれば観る前に原作を読んだ方がイイと思うし、原作の内容を忘れてしまった人はもう一度原作を読み返してからにした方がすんなり感情移入ができるような気がする。つまりは「小説の内容をイメージとして映画で追う」といった感じで見るのがイイと思う。しかし、もっと理想を言うのなら、「戦争に突入した背景と終戦~サンフランシスコ講和条約までの経緯」を少しでも知ってから観ると、この映画の意図するところがより深く理解できるので、これらの時代を背景としたノンフィクション物や小説、各種文献を読むことをお薦めしておく。
終戦記念日を来月に控え、タイムリーな発売、レンタル開始だ。この映画を観ることが、この国の礎となった人々に思いを馳せる切っ掛けとなって欲しいと思う。
(最後に一言。この映画は極一部が言うところの「戦争賛美」「美化」といった要素は全く無いので、安心して観られる映画だということをお知らせしておきたい。)
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