中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

完全フカセ色々 ~仕掛の話

2015-07-04 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■仕掛色々■

 完全フカセに使用する仕掛については、先バリを結んだその反対側にサルカンがあって、その中間に枝バリが出ているのが基本形だ。
 だが、基本形は同じであっても、僕が通う福井側の鷹巣沖&玄達瀬と、京都府側の経ヶ岬&冠島には地域差があって、福井側はハリ数か少なく、全長は短く、号数は太いが、京都府側はその逆の傾向がある。
 具体的には、マダイを狙う場合であれば、京都府側では5号ハリスを使った全長21mの3本バリをセットする人を時折見かけるが、福井県側で乗り合わせた人にそんな長仕掛をセットする人を見たことはなく、6号ハリスがメインで、たとえ3本バリであっても全長が短い。
 長仕掛のメリットを考えてみると「長い分だけ強度が上がる」、「潮に対する馴染みがよい」、「3本バリにした場合、間隔が広くとれるので、広範囲を探れ、場合によってはダブル・トリプルが狙える」あたりだと思うが、逆にデメリットは「ヒラマサやメダイなど船際でも走る魚との攻防の際に邪魔になる(と言うか、危険な場合もある)」「1本あたりのコストが高い」「オマツリ時にほどきにくい」あたりになる。
 それぞれを書き出してみると、メリットは食わせる面に現れて、デメリットは取り込みや手返しに影響するように思える。しかし、メリットに思える部分は長仕掛でしか得られないことなのだろうか?。ボクが考え、経験した中ではそれは「否(いな)」だった。


■弱点を補えば■

 ボクの場合は、完全フカセ釣りで使用する仕掛は全て6mの2本バリに統一している。号数は、殆どマダイしか出ないとの判断があれば、6号、少しでもヒラマサやメダイが出る可能性がある場合は7号、ヒラマサがメインでも最大でメーターは越えない状況であれば8号、そして玄達瀬では12号と、対象魚によって使い分けている。従って今期の、春から初夏までの京都府下の釣りだと、3月いっぱいまでは7号ハリス、4月初旬~5月の連休頃は8号ハリス、5月中旬以降は再び7号ハリスを使用していたのだ。ボクの仕掛は回りの人達より1ランク太いハリス設定だと思うし、京都府下の乗合船では全長が短い部類だ。しかしながらこのような仕掛でも竿頭になることが度々あったし、たとえ貧果であっても、その原因は別にあると判断しているため、太さが原因で釣り負けた記憶はない。
 結局、長仕掛の、第一のメリットである、長さによる強度の違いについては、短くても1ランク太いハリスを使用することでその差をカバーできるとボクは思っている。

●全てが全長6mの自作仕掛●
 
 では、潮に対する馴染みはどうなのだろうか?。完全フカセ釣りでは流し始める第1段階で、潮に馴染ませるために、直接道糸を手で手繰り、リールから強制的に道糸を引き出すことで潮乗りを助長させる「送り出し」を行うが、もし長い仕掛を使っている釣り人の方に釣果が偏っているのであれば、この量を増やすことで初期の馴染みをカバーできるとボクは考えているので、簡単に解決できるが、更にここで一考するべき点がある。
 船釣りよりも難しく繊細な磯からのグレ釣りでは、ハリスにオモリを打つ場合、潮に馴染む範囲で針先から離れた位置に最小限を打った方が食いが良いとされている。これを船からの完全フカセ釣りに当てはめてみると、サルカンからの距離が離れる長仕掛の方が有利に思える。しかし、ここで多くの人が利用している市販の仕掛を確認して欲しい。それにはかなり大きいスナップ付きサルカンが付いているハズだ。これまたグレ釣りの話で恐縮だが、(例外はあるが)重いオモリ程ハリから離した方が良く、逆に軽い程ハリの近くに打っても食いに影響しないと言われている。この考えを元にボクは、短めの仕掛であっても、小さなサルカンを使用することで、その影響を最小にしているつもりだ。余談を言えば、サルカンの効能は仕掛のヨリをを取ることが第一だと思うが、であるのなら、少しでもよく回ってくれた方が効果は大きいハズなので、ボクの場合はスナップ無しのボールベアリング入りサルカンの0号サイズをハリス8号までの釣りに、ハリス10号以上では2号サイズを使用している。スナップ無しなのは少しでも軽くしたいためで、浮力調整等の際には、いちいち結び直す必要はあるが、一番負荷の掛かる結び目を結び直すことは、強度アップの面でも効果が高いので、苦にはならない(と言うか、苦にしてはイケナイ)。

●左から、市販仕掛のサルカン、ボールベアリング入り2号、同0号●

 そして最後の「広範囲を探れ、複数が狙える」についてだが、ボクの場合は数釣りには興味がないため、中小型のダブルやトリプルはそんなに嬉しいわけではなく、常に大型魚が欲しいと願っている。
 誰もが経験していると思うが、型の良い魚は先バリに掛かる確率が高い。逆に言えば、強度的に強い先針に掛かってくれた方が、釣り人側にしても有り難いため、ボクの場合は先バリ重視で枝バリは「水中帆の役目を果たしてくれればイイ」と捉えている。
 また、よく言われる「先バリのサシエサが盗られて、上バリのサシエサが残る状態は、タナに合っている証拠」という説にも懐疑的だし、枝バリの間隔を開けてたところで、エサ盗り達がヤル気になれば全て盗ってしまうだろうとの考えから、広範囲をハリの数でを探ろうという試みは無駄に思える。それよりも仕掛の浮力設定でエサ盗りをかわしながら、本命のタナを探ることの方が大切だと考えている。

 例外として、潮流の加減から完全フカセを諦めて、天秤ズボで釣らざるを得ない場合がある。その時の狙いがメダイであれば6mの仕掛けを切って短くすることもあるが、マダイの場合は長くする必要が出てくる。その際はセットするハリスの1ランク太い号数を仕掛に継ぎ足して使用している。(結び方は強いと言われている、8の字結びのダブル=2箇所結びで連結している。)

 以上。こうやって考えているから、ボクにとっては完全フカセ釣りにおける長仕掛のメリットは無く、手返しの邪魔になるだけの「無用の長物」になっているのが解っていただけただろうか?。
 「まだ、解ってもらえない?。」なら、次に行こう。
 


■自作のススメ■

 乗合船の納竿時にその日使った仕掛を仕掛巻きに巻き取っている光景をよく目にする。物持ちが良いことを批判するつもりはないが、次回の使用時はハリスに付いたキズのチェックを行い、それと共に、サルカンとハリは新品に交換して使用して欲しい。「ハリス切れ」、「ハリ折れ予防のため」は勿論だが、玄達瀬などでは「サルカンブッ飛び」が度々起こっているので、そこにも目をやる必要があるのだ。
 ただし、この再利用は「市販仕掛が高価」なために起こっているのだと想像する。誰もが理解できると思うが、本当のところを言えば、仕掛は毎回新品を使用した方がイイに決まっているのだ。であればこそ単価の低い6mの仕掛で、廃棄するサイクルを少しでも早めるのが大型魚に近付く早道だと思う。
 もっと言うのなら、更にコストの下がる自作をオススメする。そうすれば、6m仕掛だと1本あたり200円以下に納まるため、メリットは更に増える。
 一例を挙げると、高価な仕掛がオマツリした際は、仕掛惜しさほどくことに時間がとられ、せっかくの時合いを逃すことにも繋がるが、コストの低い仕掛は惜しげもなく(?)切ることができるので、時間が節約できる。ボクの場合、オマツリしてほどくのに時間が掛かりそうになれば、仕掛が惜しいと思っている釣り人に「ズタズタに切ってもらって結構です。」と、ほどきを一旦任せ、サルカンの上下でカットして道糸をオマツリから抜いた後、さっさと結び直して次の流しに入ってから、ほどきを手伝うようにしている。
 また、大型魚が掛かるとハリスの強度は必ず落ちるので、次の流しでは必ず新しい仕掛に交換している。

 但し、自作する場合は、枝バリは“三方編み込み”で出すことが必須になる。この方法が解らない、あるいは面倒だから、8の字結びを利用したり、ビーズを利用したりする人がいるが、それがダメなことは構造を見れば理解できる。
 編み込み結びは、大型の掛かる率の高い先バリの結びと、仕掛の最上部であるサルカンの結び以外にメインのライン上に結び目は存在せず、枝バリは編み込んだ摩擦によって止まっているだけの構造になっている。また枝バリも根元が編み込まれてことによって補強され、同時に絡みが予防されるので、枝バリを出す方法としては最強・最良になるのだ。8の字などの普通の結びでは、メインのラインに当然結び目ができるし、ビーズ方式もズレ防止のためメインのラインに結びコブを造る必要があるうえ、枝バリに大型魚が掛かった際にはビーズ自体が破壊されることがあるので、大物釣りには向かない。

●枝バリは必ず編み込みで出すこと!●



 今回は「長仕掛って本当に必要なの?」ってところを書いたつもりだが、納得できない人もいると思う。そんな人であっても、完全フカセでは「本命魚の遊泳層にサシエサを届ける。」ことが最重要なことは理解できることだろう。
 例えば、長仕掛を使ってマダイを連発している釣り人がいるとしよう。それを見たボクの考えはこうだ。
 「その人が使っている仕掛の長さにロッドやリール、道糸の号数、巻き糸量、サルカンの大小といったタックルの全てのバランスが合ってマダイの層に入っているから食わせている。」
 当然と言えば当然だが、この理屈からだと、「タックルの一部でも違えば、(厳密に言えば同一機種のリールであっても、オイルの回り具合によって回転時の抵抗が違う)バランスが変わるため、仕掛の長さやハリの数だけをその人と同じにしても、自分の仕掛の流れる層が変わる」ってことが言えるのだ。
 であるから、その逆の、短い仕掛や、あるいは回らないリール、長い竿、短い竿などを使っていても、それに合わせたセッティングを行い、タナとりができれば、隣で連発する釣り人と同じ層にサシエを届けることが可能になるのだ。
 ボクなりに経験で得た結論は、「仕掛が長いから食うのではなく、その仕掛に合ったタナ取りをしているから、本命魚にサシエサが届いている。」ということだ。
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