中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

秋の東福寺

2011-11-19 12:30:00 | 旅行
■紅葉鑑賞の大本命■

 我が家を出発して名神高速の京都南インターのETCゲートを出るまでが1時間弱。再確認したかのような、その便利さに味を占めたことと、秋の紅葉が本格化して大混雑する前の”ハシリの段階”で見ておく方が、自分たち夫婦のスタイルに合っていることから、ここ近日はチョッと時間ができると、妻と連れだって「京都に行こうか?」と思い立つことが多くなっている。
 今回訪問したのは紅葉鑑賞の大本命として全国的に有名な東福寺。紅葉が「見頃」の休日には大きな境内にもかかわらず、あまりの人手のために入場制限を行うそうだ。その結果、麓の東福寺駅から門前にかけて行列ができて境内に入ることすら不自由するというが、訪れたのは、上述したように紅葉のハシリの時期であり、しかも雨上がり寸前という、我が夫婦にとっては絶好のタイミング=観光客が少なそうな日曜日であった。

 東福寺の発願は鎌倉時代の1236年であり、奈良の東大寺と興福寺から一字ずつとったのが、その由来だそうだ。当初は天台・真言・禅の三宗兼学だったのものが、後に禅宗一本に改められ、京都五山の一角として現在まで歴史を刻んでいる。
 何と言っても寺領の大きさは「京都最大の大伽藍」と称される規模であり、山河を巧みに取り込み、変化に富んだ境内なので、観光客に人気があるのも頷ける。

●案内のパンフレット●


■偶然の臥雲橋■

 ほとんど予備知識がないままでの訪問だったので駐車場探しに苦労したが、東福寺駅の北側で何とか確保し、そこから歩き始めた。
 普通の場合であれば正面から入りたいので、東福寺の場合だと中門から日下門を抜ける中央ルートを通りたいところだが、この日は先日のハイキングで痛めた足を引きずり気味に歩いていたので、最寄りの北門から入ってみることにした。
 北門からのルーだとまず始めに現れるのが、仁王門だった。しかし、肝心の仁王さんが不在で、「失敗したか?」との思いが頭をよぎったが、そのまま案内板に従って進んでゆくと、そこにあったのが臥雲橋という境内の見所の一つだった。

●臥雲橋の入り口●

 臥雲橋から見ると、見上げる方向に有名な通天橋がある。ここからだと、所々ほんのりと色付き始めた木々の上に浮かぶように通天橋が掛かるように見え、ベストの展望だった。一旦は「選択ミスか?」と思った状態から逆転して「ケガの功名」とはこのことを指すのだろう。

●臥雲橋から見る通天橋●


■本堂へ■

 臥雲橋を渡り、そのまま進んで行くと日下門があり、そこを左に曲がれば境内だ。

●日下門●

 境内の中央にあるのが巨大な本堂(仏殿)だが、内部の公開はしていなかった。この本堂は明治14年の大火で焼失したために昭和9年から17年を費やして再築した昭和期最大の木造建築で、天井には画龍が描かれているそうだ。そして、春には内部と共に大涅槃図が公開されるということだ。

●本堂(仏殿)●


■三門■

 変わって内部を特別公開していたのが、国宝の三門だった。
 山門と書かずに正しくは三門と書くのが正解ということだ。三門とは「空門・無相門・無作門」という意味から来ているそうだが、説明は難しく、軽く言えば「解脱して仏界に入る門」といった感じなのだろうと思う。

 ここの三門は現存中、最古、最大だそうが、現在のものは応永年間(1394~1428)に、足利義持が再建したモノということだ。正面には「妙雲閣(みょううんかく)」と掲げた大額が掛けられているあるが、これも足利義持の筆によるものだそうだ。

●¥800の値打ちはあると思う●

 門の内部には釈迦如来様と十六の羅漢様が収められている。その造形と内部の天井画等は素晴らしいの一言だが、あいにく内部はおろか、門の上からの撮影までもが禁止されているので、画像をお見せできないことが残念の限りだ。

●三門の全景●


■方丈庭園■

 寺院の住職が生活する建物を方丈と呼ぶそうだが、東福寺の方丈は本堂と同じく明治14年の大火で消失した後の再建ということだ。
 この方丈は、重森三玲作の「八相の庭」が有名で、東西南北に4箇所も庭園がある。(要入場料)
 
●方丈庭園「八相の庭」(南)●

●方丈庭園「八相の庭」(北)●

 前回に訪問した三千院と違って同じ仏教庭園でも、あちらは楽しげな「お浄土」の世界観なのに対して、こちらは禅宗なので「枯山水」の世界観であり、質素感というか、シンプル感というか、俗に言う「わびさび」の雰囲気が漂っているのが、対照的で興味深い。


■通天橋■

 さてさて、境内の中心部を一回りしたところで東福寺の象徴の一つである、通天橋の受付に到着した。
 入り口で料金を払うのだが、この橋を渡らないと見られないエリアもあるので、ここを参拝する際には必須になる。

●通天橋の内部●

 通天橋本体に繋がる回廊に入ってすぐに、そこで一際目を引く存在であり、一早く色付き始めたモミジの木に出逢う。手前には石碑が建てられており、「高松宮親王殿下・妃殿下記念御植樹」と彫られている。さすが「お手植え」だけあって枝振りが素晴らしく、樹木に関して全くのシロートであるボク目にも「格上」に見えるモミジの木だった。
 
●高松宮親王殿下・妃殿下記念御植樹●

 そして、そのまま進むと目に飛び込んでくるのが、洗玉澗(せんぎょくかん)という渓谷を挟んで左右に展開する圧巻の眺めであった。

●通天橋からの眺め(下に望むは臥雲橋)●


■開山堂■

 橋から続く回廊からの眺めを楽しみつつ、突き当たりまで行くと、「開山堂(かいざんどう)」という、お堂の前に出る。
 このお堂は東福寺を開山した「聖一国師こと円爾弁円(えんにべんえん)」様を祀るお堂で、屋上に閣を持つ姿は他に類を見ないものだそうだ。

●開山堂●

 また、その手前にある、普門院前の庭園も良かったが、コレは江戸中期の作であるそうだ。

●普門院前の庭園●

 開山堂を一巡し、逆戻りしてそのまま直進すると、先程通天橋から見下ろしていた渓谷=洗玉澗の河畔に降りることができる。その界隈を一巡し、一旦本堂前に戻った後に最奥にある第三の橋=偃月橋(えんげつきょう)を渡って今回の参拝ルートの全てが終了した。


■残りの五山も…■

 前回の三千院同様、今回もワザとピークをハズしての訪問だったが、今回の東福寺を始め、京都市街の紅葉は、このブログを公開した頃からがベストの状態になる。そう、今がチャンスなのだ。だから、「行きたい」と思ったら即行動して欲しい。そこには絶景が待っていることは間違いのない事実だ。

 東福寺は、冒頭にも書いた、京都五山の一角ということだが、その五山は、「南禅寺=別格、天龍寺=第一位、相国寺=第二位、建仁寺=第三位、東福寺=第四位、万寿寺=第五位」とう序列らしい。
 この規模で四位だから、「さぞや上位は…」と思ったら、順位は鎌倉幕府の政治的意図によって付けただけのモノであって、他に意味がないのだそうだ。
 しかし、乗りかかった船?だ。「こうなったら五山全てを制覇しようか?」と思い立った次第である。

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