中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

2013年 玄達瀬ラスト釣行

2013-08-10 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■その後の玄達瀬■

 福井市沖の玄達瀬へは6月の解禁後すぐに釣行し、それなりにヒラマサの釣果を得ていたのだが、バラした大型魚の感触が忘れられず、実は7月上旬に再チャレンジを敢行していた。しかし、その結果は芳しくなかった。その敗因はボクの腕もさることながら、潮が速すぎることも大きな要因の一つだった。
 ヒラマサが回遊する海域は潮が速いところがほとんどなのだが、それも程度問題のようだ。あまりに速いと体力の消費を押さえるために、瀬の際から大きく動いてエサを漁らなくなるうえ、船上から撒かれたマキエサが潮にあおられて深く沈まずヒラマサの泳ぐ層まで届かなくなる。しかも、仕掛が流れに吹き上げられてマキエサの流れる筋に合わせることも困難になって、深場では極端に食いが悪くなるのだ。
 したがって、マキエサと仕掛の流れにズレが少なくなる浅場を攻めざるを得なくなるのだが、困ったことに玄達瀬の浅場で釣れてくるヒラマサは小型が多くなる傾向があるようだ。しかも条件上エサ取りが多くなるため、それを如何にして避けるかが釣果を得るカギになってくる。
 そして残念ながら、ボクの腕では、そんな条件を克服するまでには至らず、7月上旬の釣行では惨敗を喫していたのだ。
 8月15日までの解禁期間は残り少なく、「もう無理なのか?」と思っていたのだが、運良く釣行へと何とか漕ぎ着けることができた。しかも今回は晴海丸さんへの乗船だ。6月末に荒天で乗船を逃していたために一ヶ月半ぶりのことだったが、近頃福井沖では最も信頼を置いているのがこの晴海丸さんなので、嫌が上にも期待が膨らんでいた。

●洋上の晴海丸●

 しかし、予約がとれたところまでが幸運だったのか、玄達瀬では釣行4日前から「今年一番の速い潮流」が流れているとの情報が入り、暗雲が垂れ込め始めていた…。


■なんとかなりそうな潮流■

 現場の海域に到達すると、まずは浅場へと向かったが、試しに流した結果は100m流すのに4分かかる速さであり、前日までの半分程度の流速まで落ちていた。それでも速い方ではあるが、船長曰くなんとかなりそうなレベルだそうだ。そこで、前日までは諦めていた深場へとすぐに転進を開始した。

●深場と言っても、約45m。玄達レベルでの深場のことだ●


 再スタート後はマキエサが効き始めた頃にエサが取られ始めた。前回の釣行では取られることが殆どなかっただけに、いつもは厄介なエサ取り達であっても、そこに居ると判るだけでも何だか嬉しくなってくる。そしてそうこうしているうちに、仕掛にイサギが掛かってくる。しかし、潮が速いためにイサギ程度の走りではリールの回転ではアタリが表現されず、情けないかな道糸を巻き取る際に音が変化したことでそれとなく「付いている」と判っただけのことである。

●あまりの暑さにパラソルを装備した釣り座●


 その後は口太グレがダブルで掛かる場面もあったが、これも「付いていた」というだけのモノであり、何の興奮も得られなかった。しかし、イサギや口太グレに届くマキエサや仕掛が届くということは、「ヒラマサに届く可能性大」ということであり、更に期待が高まったが、どうやらご機嫌ナナメの様子で一向に気配がなかった。

 そして気配が高まることがないままに移動すること数カ所、またまた口太グレがダブルで掛かるのみで時間が過ぎていった。


■お土産釣り■

 他船から、「型さえ文句を言わなければ、浅場でそこそこ数が釣れている。」との情報が入り、「何にも無しよりはマシか。」との判断から、「お土産釣り」に向かうことになった。

●浅場に並ぶ船団●


 浅場に到着すると左右の船が頻繁に曲がっていて、「お~これは…。」と思わせるだけの活気はあった。しかし、玉網ですくう魚のサイズは50cm台のヒラマサばかりの様子だった。しかし、あくまでもここはお土産釣り場であり、各自が数本釣ったら移動して、一発狙いを敢行することに船内の意見が一致していたため、「チョロい魚を釣るだけさ。」と当初は高を括っていたのだ。
 しかし、現実は甘くなかった。今回のメンバーは大物指向であったために周りの船に対してボクらの仕掛は太すぎたのだろうか、ウマくタナが掴めずにエサばかりが取られてしまうかと思えば丸残りになったりで、時間だけが浪費されてゆく。
 この間、特に左横の船では3人が交互に竿を曲げており、恐らく10本は釣っている様子だった。こちらは焦るばかりで、小ヒラマサがどうやっても掛からない。しかも時間が経つに釣れハリにエサが殆ど残らない状況が続くようになった。
 焦りながらも発泡ウキをマメに交換しながら粘るうち、ようやくアタリを捉えることに成功した。

●ようやく曲がる竿●


 引き自体は大したモノではないが、この日初めて取ったマトモなアタリだけに正直言って嬉しかった。そして難なくゲットに成功する。

●60cmに足らないヒラマサ●


 しばらく間が開いて、もう一匹追加したが、その後に続くアタリは途絶えてしまった。


■工夫は続く■

 普段なら、何の苦労もなく釣れるハズの小ヒラマサなのだが、左右の船に比べてこれほどまでに差を付けられることに釣り師としてのプライドが傷つけられていた。そして、意地になって調整を繰り返すうちに発泡ウキのサイズは8・8・7と、いつしか3つを装着した状態になり、遙か沖合まで完全に浮いた状態になっていた。しかし、これでも刺しエサが取られてしまう状況下、ただ仕掛を浮かしてゆくだけではエサ取りをかわすことができないことを知って、一度頭の中を整理すことにした。
 遠目で確認する限り、恐らく左右の船でアタリを捉えている仕掛は、7号道糸に8号ハリスを結びつけ、発泡ウキのサイズは7号程度を装着したモノのようだ。対してボクは8号の道糸に10号ハリスの大物兼用タイプを使用していた。そこで、「大型はもう出ない。」と判断してまずはハリスを8号に落としてみることにした。また、道糸の太さで沈み具合が変わることから、同時にこれも交換したいところだが、この日は物理的に交換できなかった。そこで、その差は、より細かく神経質気味に発泡ウキの調整をすることで補うことにした。
 そして、自身が釣った1本目のアタリは75mだが、2本目は120mだったことから、「小ヒラマサは、手前が75m、奥が120mほどの円を描くようにグルグルと廻っており、その時々のマキエサが濃い位置に反応している。」と、勝手な想像をしてみた。「勝手な想像」と言っても、釣りではこういった考察は重要だ。ただし、ボクが尊敬するグレ釣り師の小里哲也さんが以前に書かれていた「釣りたかったら、魚になりなさい(魚の気持ちになって考えなさいの意)。」を忘れずにだが…。
 具体的な手順として、「流す距離は100か135mの2種類」、「発泡ウキは7号か8号の2種類」とし、サシエサが取られる状況下であっても、流す距離100m、発泡ウキ8号として状況が変化するまで仕掛を打ち返し、逆にサシエサが残っても最大で距離が135m、発泡ウキ7号として、一投ごとにサシエサの状態を確認しながら仕掛に手を加え、とにかく回遊する範囲と水深を手返しよく流すことで、少しでもヒラマサとの遭遇機会を増やすよう努めた。

 そんな読みと努力が実ったのか、その後はアタリがポツポツと拾えるようになっいった。
 そして、左に位置する船が撤収した後は、マキエサがボクらの船からのモノに集中し始めたせいか、順調に釣果が伸びてゆく。しかし、当初予定していた、お土産を釣った後の、”夕マヅメの一発狙い”を前に、気付けばマキエサを使い果たしつつあった。そのため、もう移動は叶わず、残り少なくなったマキエサで、最後までこのポイントを攻め続けざるを得なくなった。
 そして時間が経過し、マキエサの残量はラスト3投するのが限度になっていた。しかしここからが面白い展開になった。
 ラスト3分の1、これは65mを流した時点でアタリが出た。そして3分の2、今度は132mでアタリが出た。そして3分の3、ラストの一投は頑張って160mまで流してみたが、今度は丸残りという結果に終わった。
 「何というバラバラさ…。」と思いつつ、竿をたたんだが、この日の、小ヒラマサの状態を現すようなラストの3投の様子に、「あながちボクの予測は外れていなかったのかも?」と一人悦に入った瞬間だった。


●結局、ず~っと同じサイズ●


■また来年!■

 魚のサイズが小さいだけにやり取りが楽しめない状況ではあったが、アタリを出す努力が実った快感はそれなりに大きなモノだった。

●小型だが、ヒラマサは全部で10本あった●


 あと数日で玄達瀬の解禁期間は終わり、来年までここを攻めることはできないが、今期で得た経験によって”夢の1m20cmオーバー”に少しは近付いたような気がする。いつかは獲る予定であるそのサイズを目指して、”鍛錬の日々”(?)がこれからも続くのだ。
 幸い禁漁後も玄達瀬の手前の海域である鷹巣沖では、今年は既に中型のヒラマサの回遊が始まっているようである。まずはその中型で腕を鍛えることとしよう。そして、その日はもう既にすぐそこに近付いているのだ。


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