■新神戸発■
「年老いても今の趣味が続けられるように」と開始したハイキング。昨秋以降ブログでの更新はなかったが、今春からも再開している。以前にレポートした同じ箇所を登ることが多く、ネタが被っていたために更新ができなかったのだ。
六甲登山では定番中の定番である、山陽新幹線の新神戸駅高架下から”神戸ウォーター”で有名な布引の滝を横に見て登り始めるコースだ。
振り返ってみると、このコースは高校時代の鍛錬遠足という名の、集団でのハイキング?で登った経験があったのだが、もちろん、「何でも怠い」ダラダラ生活であったボクの高校時代での感覚だと、その日はシゴキDAY以外の何でもなかった。時代が変わり見る目も変わると、感じるモノが違うのは当然であり、その差を確かめる意味でも楽しみなコースだった。

ここから始まるコースはメジャーなだけに整備が行き届いている。その上、案内板や道しるべは要所に必ずあるので、迷うこともなく各コースへの分岐点となる市ヶ原へ向かってスイスイと進んでゆける。


■布引の滝■
出発してすぐに見える滝が、雌滝(めんたき)だ。文明の象徴である新幹線の駅とあまりに近く、拍子抜けしそうな距離に驚かされる。

雌滝を後にしてすぐに差し掛かるのが、雄滝(おんたき)とそれに続く夫婦滝(めおとたき)だ。
初めは夫婦滝の意味づけがよく解らず、奥にある、雄滝と下の滝と対になって夫婦となっているものと思い、だったら、下の雌滝は「愛人なのか?」なんてことを想像していたのだが、その実は、手前側の低い位置ある滝の左側の太い流れが夫で、右側の細い流れが妻ということであり、この滝単体で夫婦とするということだった。
以前、特にバブル期以前の神戸市を表現する言葉に”株式会社神戸市”というのがあったが、それに倣ったのか、訪問した観光客がガッカリすることがないように、この滝群は渇水時には水道局がはまるで水道の蛇口のように調節するそうだ。

そういった下世話な想像力は無駄になりつつ、更に奥へと進んでゆく。
特に息が切れるような区間はなく、同行している妻と、友人の奥さんとの“婦人会の皆様方”の会話も途切れることはない。

■トウェンティクロス■
市ヶ原で道標に従ってトウェンティクロスという区間に入る。ここから神戸市立森林植物園までのコースをそう呼ぶのだが、これは川を20回徒渉するということでそうなづけられたそうだ。しかし、以前は徒渉する回数が多かったものの、河川改修や堰堤のために迂回する区間が増えて、(正確には数えていないが、)現在では5~6回程度になっているようだ。

しばらく進むと昼食時間を迎えた。河原でいつものカップ麺を取り出して、食事を摂る。

昼食後は、更に進んでゆくが、増水のために徒渉地点が変更されているところもあった。


川沿いを歩くため、つい下を見がちになるが、見上げれば山には新緑が広がり、ウグイスを始めとする、鳥達の鳴き声があたりに聞こえてすがすがしい気分になる。

■シェール道■
森林植物園の東門を過ぎると、今度は徳川道を少し経由してシェール道に入る。

この道は前半の川沿いを縫うコースが終わり、杉林を抜けた辺りから様子が変わって林道になる。ここからは新緑を眺めながら緩やかな坂を登ってゆく。

そして、そこを登り切ったところが穂高湖になる。

穂高湖ではコーヒーを入れての大休止をとる。
■アゴニー坂■
続いてはアゴニー坂。ここはアゴがニー(膝)に付くほど急だからそう名付けられたと聞いたが、疲れが溜まるピークに差し掛かっていた時間帯だから、そう考えられなくもなかったが、実際は、「心してかかる」というほどの急勾配でもなかった。


■天上寺■
アゴニー坂を抜けて下りに入ったところにあるのが、天上寺(正式にはとうりてんじょうじ=”とうり”が文字変換できない)という名の密教寺院がある。ハイキングコースから逸れるが、面白そうだったので、境内に寄り道をした。

この寺の創建は646年(大化2年)というから歴史は古い…。しかし、本堂を始めとする建物全てが新しい。これにはワケがあって、実は今ある位置よりも南に本来の伽藍があったそうなのだが、1976年に、賽銭泥棒の放火によって仁王門と極一部を除いてほとんどが焼失してしまったのだ。
何ともやりきれない旧寺の悲惨な結末に唖然とするが、それはさておき、ここからの眺望は明石海峡大橋が見渡せ、素晴らしい。

境内にはかえるの石像が何体かあって気を和ませてくれるが、その一つである、若ガエル様を盛んに撫でるのは同行した婦人会の皆様方である。

■掬星台より下山■
摩耶山頂をかすめて下ると、そこにあるのが摩耶ロープウェイの終点の地、掬星台(きくせいだい)だ。
ここに来るのは初めてだったが、これまた眺望が素晴らしく、昼間でこのクオリティであるのなら、夕方~夜は「さぞや」と思わせるモノであった。

小休止の後は、下山を急ぐ。何しろここまで時間を掛け過ぎてしまったために、急がなくては夕暮れになる。裏のバス停で地図を確認していると、ガードマンの方が声を掛けてくれ、すんなりとコースにないることが出来た。「感謝、感謝」である。

ここからは天狗道を下山してゆく。

天狗道は別名ゴロゴロ坂と呼ばれるだけあって、岩塊が所々に顔を出している、やや険しい道だった。我々は下りで利用したから、まだマシではあったが、これを登って来るとなると、平坦部が少なくその分だけ休む間もなく登ることになるので、ペース配分には気をつけたいコースであった。

次の分岐で学校林道へと入り、続いて旧摩耶道とをつないで更に下山してゆく。

そして、コースの最終地点が雷聲寺(雷声寺)の境内になる。

割とゆっくりなペースで歩いたため、今回は休憩を含めて8時間をかけての長時間行程であった。序盤はハイキングと言うより、ピクニック・コースといった感じで、それがハイキング・コース、登山コースと変化して「ゆく者を飽きさせない」楽しいコースだった。コースの各所にはモミジがかなり植えられており、それ以外の広葉樹が加わって晩秋には景観も素晴らしいモノとなるだろう。その時期に是非訪れたいコースだった。
「年老いても今の趣味が続けられるように」と開始したハイキング。昨秋以降ブログでの更新はなかったが、今春からも再開している。以前にレポートした同じ箇所を登ることが多く、ネタが被っていたために更新ができなかったのだ。
六甲登山では定番中の定番である、山陽新幹線の新神戸駅高架下から”神戸ウォーター”で有名な布引の滝を横に見て登り始めるコースだ。
振り返ってみると、このコースは高校時代の鍛錬遠足という名の、集団でのハイキング?で登った経験があったのだが、もちろん、「何でも怠い」ダラダラ生活であったボクの高校時代での感覚だと、その日はシゴキDAY以外の何でもなかった。時代が変わり見る目も変わると、感じるモノが違うのは当然であり、その差を確かめる意味でも楽しみなコースだった。

●スタートは新神戸駅●
ここから始まるコースはメジャーなだけに整備が行き届いている。その上、案内板や道しるべは要所に必ずあるので、迷うこともなく各コースへの分岐点となる市ヶ原へ向かってスイスイと進んでゆける。

●コース案内図●

●道標も随所にある●
■布引の滝■
出発してすぐに見える滝が、雌滝(めんたき)だ。文明の象徴である新幹線の駅とあまりに近く、拍子抜けしそうな距離に驚かされる。

●雌滝(めんたき)●
雌滝を後にしてすぐに差し掛かるのが、雄滝(おんたき)とそれに続く夫婦滝(めおとたき)だ。
初めは夫婦滝の意味づけがよく解らず、奥にある、雄滝と下の滝と対になって夫婦となっているものと思い、だったら、下の雌滝は「愛人なのか?」なんてことを想像していたのだが、その実は、手前側の低い位置ある滝の左側の太い流れが夫で、右側の細い流れが妻ということであり、この滝単体で夫婦とするということだった。
以前、特にバブル期以前の神戸市を表現する言葉に”株式会社神戸市”というのがあったが、それに倣ったのか、訪問した観光客がガッカリすることがないように、この滝群は渇水時には水道局がはまるで水道の蛇口のように調節するそうだ。

●奥が雄滝(おんたき)、手前が夫婦滝(めおとたき)●
そういった下世話な想像力は無駄になりつつ、更に奥へと進んでゆく。
特に息が切れるような区間はなく、同行している妻と、友人の奥さんとの“婦人会の皆様方”の会話も途切れることはない。

●神戸ウォーターを溜め込んだ布引貯水池に沿って歩く●
■トウェンティクロス■
市ヶ原で道標に従ってトウェンティクロスという区間に入る。ここから神戸市立森林植物園までのコースをそう呼ぶのだが、これは川を20回徒渉するということでそうなづけられたそうだ。しかし、以前は徒渉する回数が多かったものの、河川改修や堰堤のために迂回する区間が増えて、(正確には数えていないが、)現在では5~6回程度になっているようだ。

●徒渉地●
しばらく進むと昼食時間を迎えた。河原でいつものカップ麺を取り出して、食事を摂る。

●バーナーセットは欠かせない●
昼食後は、更に進んでゆくが、増水のために徒渉地点が変更されているところもあった。

●水没していた木製の簡易橋●

●徒渉地●
川沿いを歩くため、つい下を見がちになるが、見上げれば山には新緑が広がり、ウグイスを始めとする、鳥達の鳴き声があたりに聞こえてすがすがしい気分になる。

●山の新緑●
■シェール道■
森林植物園の東門を過ぎると、今度は徳川道を少し経由してシェール道に入る。

●シェール道への道標●
この道は前半の川沿いを縫うコースが終わり、杉林を抜けた辺りから様子が変わって林道になる。ここからは新緑を眺めながら緩やかな坂を登ってゆく。

●青モミジを透け出る光●
そして、そこを登り切ったところが穂高湖になる。

●穂高湖●
穂高湖ではコーヒーを入れての大休止をとる。
■アゴニー坂■
続いてはアゴニー坂。ここはアゴがニー(膝)に付くほど急だからそう名付けられたと聞いたが、疲れが溜まるピークに差し掛かっていた時間帯だから、そう考えられなくもなかったが、実際は、「心してかかる」というほどの急勾配でもなかった。

●アゴニー坂入り口●

●アゴニー坂●
■天上寺■
アゴニー坂を抜けて下りに入ったところにあるのが、天上寺(正式にはとうりてんじょうじ=”とうり”が文字変換できない)という名の密教寺院がある。ハイキングコースから逸れるが、面白そうだったので、境内に寄り道をした。

●忉利天上寺の本殿●
この寺の創建は646年(大化2年)というから歴史は古い…。しかし、本堂を始めとする建物全てが新しい。これにはワケがあって、実は今ある位置よりも南に本来の伽藍があったそうなのだが、1976年に、賽銭泥棒の放火によって仁王門と極一部を除いてほとんどが焼失してしまったのだ。
何ともやりきれない旧寺の悲惨な結末に唖然とするが、それはさておき、ここからの眺望は明石海峡大橋が見渡せ、素晴らしい。

●本堂前からの眺望●
境内にはかえるの石像が何体かあって気を和ませてくれるが、その一つである、若ガエル様を盛んに撫でるのは同行した婦人会の皆様方である。

●若ガエル様●
■掬星台より下山■
摩耶山頂をかすめて下ると、そこにあるのが摩耶ロープウェイの終点の地、掬星台(きくせいだい)だ。
ここに来るのは初めてだったが、これまた眺望が素晴らしく、昼間でこのクオリティであるのなら、夕方~夜は「さぞや」と思わせるモノであった。

●掬星台の眺望●
小休止の後は、下山を急ぐ。何しろここまで時間を掛け過ぎてしまったために、急がなくては夕暮れになる。裏のバス停で地図を確認していると、ガードマンの方が声を掛けてくれ、すんなりとコースにないることが出来た。「感謝、感謝」である。

●教えてもらった方向に判り易い道標があった●
ここからは天狗道を下山してゆく。

●天狗道脇のミツバツツジ●
天狗道は別名ゴロゴロ坂と呼ばれるだけあって、岩塊が所々に顔を出している、やや険しい道だった。我々は下りで利用したから、まだマシではあったが、これを登って来るとなると、平坦部が少なくその分だけ休む間もなく登ることになるので、ペース配分には気をつけたいコースであった。

●天狗道の様子●
次の分岐で学校林道へと入り、続いて旧摩耶道とをつないで更に下山してゆく。

●ハイキングコースとしては最終の分岐●
そして、コースの最終地点が雷聲寺(雷声寺)の境内になる。

●お百度参りができるレイアウトの、お不動様●
割とゆっくりなペースで歩いたため、今回は休憩を含めて8時間をかけての長時間行程であった。序盤はハイキングと言うより、ピクニック・コースといった感じで、それがハイキング・コース、登山コースと変化して「ゆく者を飽きさせない」楽しいコースだった。コースの各所にはモミジがかなり植えられており、それ以外の広葉樹が加わって晩秋には景観も素晴らしいモノとなるだろう。その時期に是非訪れたいコースだった。
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