■今年の傾向■
今年はブチ切られ続出で、超大型のゲット率が下がっている玄達瀬のヒラマサだが、今回で二度目の挑戦となって、少し傾向が掴めてきた。とは言っても、ボクは科学者でもないし、漁師でもないので、一釣り人としての推測だが…。
気象庁の日本海海洋気象センター
http://www.jma-net.go.jp/jsmarine/
では、ホームページ内で日本海の、海流の診断を行っている。その6月下旬版には、「東経135度付近にある冷水域に沿って反時計回りに回る流れと、能登半島沖にある暖水域に沿って時計回りに回る流れが発生している。」との見解が出ている。
同ホームページ内の海流図を見ても診断通り、その影響で山陰湾~能登半島沖にかけては蛇行などが起こっていて、玄達瀬周辺もその影響を受けていることが確認できるし、更に絶好調だった昨年のデータを検索して比較すれば、本潮と呼ばれる西からダイレクトに差す流れが殆ど発生していないことが確認できる。
実際に現場ではデータ通りであり、フラフラとした流れになったり、二枚潮やそれ以上の複雑な流れとなって、釣り人の勘を狂わせているように思う。
これまた恐らくだが、この海流の影響はヒラマサの供給量の差にも繋がっているようで、昨年のように群れで供給されている魚が連発するという釣れ方があまりなく、居着きっぽい個体、もしくは小さな群れの一部が単発で釣れているような感覚がある。
釣れてくるヒラマサのサイズに70cm台は殆ど無く、来れば80cm級以上で、アタリの中にはメーター20~30cmクラスが混じっているようだが、単発のアタリの中、いつ来るか予想もできない巨マサクラスに対して緊張感を持ち続けることはかなり厳しく、前回説明した遅い流れの影響もあって、今年はゲット率がかなり下がっているように思う。
と、タラタラ不満を漏らして家に籠もったところで、絶対に釣れないので、今回も、いつもの晴海丸さんに乗り込んで、玄達瀬へと向かった。
■マシな潮■
現地に到着すると、開始早々は緩い流れであったが、前回釣行時よりも感覚的にはマシな状況に思えた。今回はリールを大型回遊魚対応のモノにグレードアップし、「絶対に獲る!」の気合いの下での挑戦だ。果たしてコイツがうなりを上げて逆転するのだろうか?。
今回は乗合船での乗船だったため、乗り合わせた人達はバラバラの地方から集まり、バラバラのタックルを使用していた。ボクの右隣の名古屋の釣り人ははミディアムクラス、ボクの左隣の長野県松本市の釣り人はヘビークラス、そして兵庫県西宮市のボクがエクストラ・ヘビータックルといった具合で、それぞれに流れ具合が違うため、アプローチも違う。果たして結果はどうなるのだろうか…。
■三枚潮?■
実釣開始直後こそ遅かった潮の流れだったが、徐々に流速を上げてゆき、それと共にテンションが上がっていったが、そんな矢先に、右隣のミディアム・タックルをアタリが急襲した。どうやら相手はヒラマサらしく、ここから懸命のやり取りが始まった。しかし、リールの巻き取り力が足らないために、かなりの時間を要しているようで、横目で見ながらも「やばいかな?」と思っていた。それでも何とか船長が手で道糸を引き抜くという補助が功を奏して船下近くまで詰めるまでに至ったが、根ズレを起こした上に再三の締め込みで弱ったハリスが限界に達していたようで、残念ながら船下での締め込みでアウトとなった。
その後は全員がマダイやグレ、イシダイといった魚をポツポツと拾っていったが、時合い感を感じることはないままに時間だけが過ぎ、当然、本命のヒラマサのアタリは途絶えていた。不思議なのは、左隣ではウマズラハゲが連発しているというのに、ボクのエサが残りっぱなしになっていたことだ。これは恐らく上層が遅く、中間層が速く、最後の低層が遅い三枚潮になっていたためだと思うが、それに気付くのはまだ先のことで、この時点では、攻めるタナがそれぞれに違っていることが原因だと思っていた。
そんな中、ボクのリールが「ビューンッ!」ではなく、「スルスルッ、スルスルッ」と出ていった。「エサ取りか?」と思いつつ、アワセを入れるが、糸フケが出ているようで、それが効かない。そこでかなり巻き込んでからの“巻きアワせ”を入れ、やり取りを開始する。どうやら相手は本命魚のように思えた。
引き具合からサイズを想像すると、80~90cmクラスのようで、引きが心地良い。勿論、ボクのタックルに引き合うようなサイズではないが、地形から根ズレする確率が高く、また、昨年のように足下に来てから豹変するヤツもいるので、大胆且つ慎重にやり取りを行う。
しかし、船下の攻防で期待した下方向への締め込みはなく、それどころか仕掛を掴む直前あたりでは横方向に走り始めた。その様子から「ハハ~ン。」と想像が付いた。正体はブリとようやく呼べる程度のサイズの、メジロのお兄さんだった。
この魚のアタリの出具合から、上述の三枚潮を確信したが、さてさて、対策はどうとればイイのか、思案のしどころだった。
■あて無き仕掛いじりの結果■
まずは、セオリー通りの「エサが盗られたら、タナを上げ、残ったらタナを下げる」をもう少し細かくかつ頻繁に繰り返してみた。しかし、マダイがポツポツとアタるのみで、明確に「ここだ!」と確信を持てるようなタナは見つからないままだった。
次は「底潮に早く馴染ませて、手前に出て来ているかも知れないヤツを狙おう」との考えの下、ガン玉Bを打つ量を徐々に増やしていき、やや仕掛を張り気味に流すことを意識してみた。しかし、殆ど全てでエサが盗られて何も得られないままに、この方法も断念し、元の「微調整を繰り返す」方法に戻すことにした。この間、右隣では83cmのヒラマサをゲットしたというのに…。
そして早くも夕マヅメ。残り時間からすると、あと5投でラストを迎えそうな頃、今度は左隣の竿が大きく曲がった。
引き具合を見ればこれまたヒラマサのようで、羨ましい限りだ。
結局、ボク一人が取り残され、焦りに焦ったが、何度調整してもエサが殆ど残る状況は変わらず、失意のままにこの日の釣りが終わった。
■まだまだチャレンジは続く■
この日を振り返ってみよう。
ヒラマサのアタリが3回あった右隣(道糸7号、ハリス10号+よく回るリ-ル)は、終始発泡ウキ7番を一つだけ付けた仕掛で一日を押し通したようだが、潮の強弱でエサが盗られたり、残ったりを繰り返していたようだ。そして左隣(道糸10号、ハリス10号+そこそこ回るリール)は底潮に入りやすかったのか、エサが盗られたり、ウマズラハゲが掛かる確率が一番高かった。そしてボク(道糸10号、ハリス12号+調整不足で回らなかったリール)は中層に入る確率が高かったようで、エサが残る確率が一番高かった。
しかしマダイがアタッた数においては全員がほぼ同じだったことが不思議だった。ただし左隣はハリ外れすることが多かったようで、これは上述した“三枚潮の影響”で、糸フケが多く出ていたためにアワセが効かなかった結果だと思う。逆の右隣は中層と低層を行ったり来たりしながら“そこにやって来る魚待ち”の状況だったようだ。そして中層メインに流れていたボクの仕掛には、たまに活性が上向いて食い上がったマダイがハリ掛かりしたようだった。
肝心のヒラマサは、マキエサにつられて食い上がってくるような感じは殆どはなく、何かの条件でスイッチが入った瞬間にだけマダイ達の中に入ってエサを拾うようだった。つまりはマダイが釣れている以上、全員にチャンスはあったワケだが、気まぐれなヒラマサを相手に仕掛をタイミング良く流して狙い撃ちするワザがボクの頭の引き出しに収納されていなかったための、ヒラマサ・ボーズだった。(て言うか、そんな方法あるの?)
更に言えば、この状況は今春の京都府下の白石グリでも時折感じていた“ヒラマサの活性感”で、これも最上段で触れたように本潮が差してこない影響だと思う。
と、まぁ、言い訳を書くのはここ迄にしておく。悔しさばかりが残る釣行が続いているが、今年はまだ前半戦を終えたばかりだ。これから先もチャレンジし続ける予定なので、まだ「目指せ130cm級!」の看板を降ろしてはいない。果たして後半にドラマが待ち構えているのだろうか…?。
今年はブチ切られ続出で、超大型のゲット率が下がっている玄達瀬のヒラマサだが、今回で二度目の挑戦となって、少し傾向が掴めてきた。とは言っても、ボクは科学者でもないし、漁師でもないので、一釣り人としての推測だが…。
気象庁の日本海海洋気象センター
http://www.jma-net.go.jp/jsmarine/
では、ホームページ内で日本海の、海流の診断を行っている。その6月下旬版には、「東経135度付近にある冷水域に沿って反時計回りに回る流れと、能登半島沖にある暖水域に沿って時計回りに回る流れが発生している。」との見解が出ている。
同ホームページ内の海流図を見ても診断通り、その影響で山陰湾~能登半島沖にかけては蛇行などが起こっていて、玄達瀬周辺もその影響を受けていることが確認できるし、更に絶好調だった昨年のデータを検索して比較すれば、本潮と呼ばれる西からダイレクトに差す流れが殆ど発生していないことが確認できる。
実際に現場ではデータ通りであり、フラフラとした流れになったり、二枚潮やそれ以上の複雑な流れとなって、釣り人の勘を狂わせているように思う。
これまた恐らくだが、この海流の影響はヒラマサの供給量の差にも繋がっているようで、昨年のように群れで供給されている魚が連発するという釣れ方があまりなく、居着きっぽい個体、もしくは小さな群れの一部が単発で釣れているような感覚がある。
釣れてくるヒラマサのサイズに70cm台は殆ど無く、来れば80cm級以上で、アタリの中にはメーター20~30cmクラスが混じっているようだが、単発のアタリの中、いつ来るか予想もできない巨マサクラスに対して緊張感を持ち続けることはかなり厳しく、前回説明した遅い流れの影響もあって、今年はゲット率がかなり下がっているように思う。
と、タラタラ不満を漏らして家に籠もったところで、絶対に釣れないので、今回も、いつもの晴海丸さんに乗り込んで、玄達瀬へと向かった。
●今回もお世話になった晴海丸さん●
■マシな潮■
現地に到着すると、開始早々は緩い流れであったが、前回釣行時よりも感覚的にはマシな状況に思えた。今回はリールを大型回遊魚対応のモノにグレードアップし、「絶対に獲る!」の気合いの下での挑戦だ。果たしてコイツがうなりを上げて逆転するのだろうか?。
●新調したリールで130cmクラスのゲットを狙う(つもり)●
今回は乗合船での乗船だったため、乗り合わせた人達はバラバラの地方から集まり、バラバラのタックルを使用していた。ボクの右隣の名古屋の釣り人ははミディアムクラス、ボクの左隣の長野県松本市の釣り人はヘビークラス、そして兵庫県西宮市のボクがエクストラ・ヘビータックルといった具合で、それぞれに流れ具合が違うため、アプローチも違う。果たして結果はどうなるのだろうか…。
■三枚潮?■
実釣開始直後こそ遅かった潮の流れだったが、徐々に流速を上げてゆき、それと共にテンションが上がっていったが、そんな矢先に、右隣のミディアム・タックルをアタリが急襲した。どうやら相手はヒラマサらしく、ここから懸命のやり取りが始まった。しかし、リールの巻き取り力が足らないために、かなりの時間を要しているようで、横目で見ながらも「やばいかな?」と思っていた。それでも何とか船長が手で道糸を引き抜くという補助が功を奏して船下近くまで詰めるまでに至ったが、根ズレを起こした上に再三の締め込みで弱ったハリスが限界に達していたようで、残念ながら船下での締め込みでアウトとなった。
●懸命のやり取りだったが…●
その後は全員がマダイやグレ、イシダイといった魚をポツポツと拾っていったが、時合い感を感じることはないままに時間だけが過ぎ、当然、本命のヒラマサのアタリは途絶えていた。不思議なのは、左隣ではウマズラハゲが連発しているというのに、ボクのエサが残りっぱなしになっていたことだ。これは恐らく上層が遅く、中間層が速く、最後の低層が遅い三枚潮になっていたためだと思うが、それに気付くのはまだ先のことで、この時点では、攻めるタナがそれぞれに違っていることが原因だと思っていた。
そんな中、ボクのリールが「ビューンッ!」ではなく、「スルスルッ、スルスルッ」と出ていった。「エサ取りか?」と思いつつ、アワセを入れるが、糸フケが出ているようで、それが効かない。そこでかなり巻き込んでからの“巻きアワせ”を入れ、やり取りを開始する。どうやら相手は本命魚のように思えた。
●心地よく曲がる、エクストラ・ヘビータックル●
引き具合からサイズを想像すると、80~90cmクラスのようで、引きが心地良い。勿論、ボクのタックルに引き合うようなサイズではないが、地形から根ズレする確率が高く、また、昨年のように足下に来てから豹変するヤツもいるので、大胆且つ慎重にやり取りを行う。
しかし、船下の攻防で期待した下方向への締め込みはなく、それどころか仕掛を掴む直前あたりでは横方向に走り始めた。その様子から「ハハ~ン。」と想像が付いた。正体はブリとようやく呼べる程度のサイズの、メジロのお兄さんだった。
●88cmだけど…●
この魚のアタリの出具合から、上述の三枚潮を確信したが、さてさて、対策はどうとればイイのか、思案のしどころだった。
■あて無き仕掛いじりの結果■
まずは、セオリー通りの「エサが盗られたら、タナを上げ、残ったらタナを下げる」をもう少し細かくかつ頻繁に繰り返してみた。しかし、マダイがポツポツとアタるのみで、明確に「ここだ!」と確信を持てるようなタナは見つからないままだった。
●マダイは釣れるものの…●
次は「底潮に早く馴染ませて、手前に出て来ているかも知れないヤツを狙おう」との考えの下、ガン玉Bを打つ量を徐々に増やしていき、やや仕掛を張り気味に流すことを意識してみた。しかし、殆ど全てでエサが盗られて何も得られないままに、この方法も断念し、元の「微調整を繰り返す」方法に戻すことにした。この間、右隣では83cmのヒラマサをゲットしたというのに…。
そして早くも夕マヅメ。残り時間からすると、あと5投でラストを迎えそうな頃、今度は左隣の竿が大きく曲がった。
●ようやくのアタリ!●
引き具合を見ればこれまたヒラマサのようで、羨ましい限りだ。
●これが欲しいのに…●
●松本市の上條さんもゲット!●
結局、ボク一人が取り残され、焦りに焦ったが、何度調整してもエサが殆ど残る状況は変わらず、失意のままにこの日の釣りが終わった。
●左がボクの釣果だけど…●
■まだまだチャレンジは続く■
この日を振り返ってみよう。
ヒラマサのアタリが3回あった右隣(道糸7号、ハリス10号+よく回るリ-ル)は、終始発泡ウキ7番を一つだけ付けた仕掛で一日を押し通したようだが、潮の強弱でエサが盗られたり、残ったりを繰り返していたようだ。そして左隣(道糸10号、ハリス10号+そこそこ回るリール)は底潮に入りやすかったのか、エサが盗られたり、ウマズラハゲが掛かる確率が一番高かった。そしてボク(道糸10号、ハリス12号+調整不足で回らなかったリール)は中層に入る確率が高かったようで、エサが残る確率が一番高かった。
しかしマダイがアタッた数においては全員がほぼ同じだったことが不思議だった。ただし左隣はハリ外れすることが多かったようで、これは上述した“三枚潮の影響”で、糸フケが多く出ていたためにアワセが効かなかった結果だと思う。逆の右隣は中層と低層を行ったり来たりしながら“そこにやって来る魚待ち”の状況だったようだ。そして中層メインに流れていたボクの仕掛には、たまに活性が上向いて食い上がったマダイがハリ掛かりしたようだった。
肝心のヒラマサは、マキエサにつられて食い上がってくるような感じは殆どはなく、何かの条件でスイッチが入った瞬間にだけマダイ達の中に入ってエサを拾うようだった。つまりはマダイが釣れている以上、全員にチャンスはあったワケだが、気まぐれなヒラマサを相手に仕掛をタイミング良く流して狙い撃ちするワザがボクの頭の引き出しに収納されていなかったための、ヒラマサ・ボーズだった。(て言うか、そんな方法あるの?)
更に言えば、この状況は今春の京都府下の白石グリでも時折感じていた“ヒラマサの活性感”で、これも最上段で触れたように本潮が差してこない影響だと思う。
と、まぁ、言い訳を書くのはここ迄にしておく。悔しさばかりが残る釣行が続いているが、今年はまだ前半戦を終えたばかりだ。これから先もチャレンジし続ける予定なので、まだ「目指せ130cm級!」の看板を降ろしてはいない。果たして後半にドラマが待ち構えているのだろうか…?。