都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
入学式のとき校歌は歌ってないよ。だって・・・まだ習ってないもの。
2年生からは歌ってましたよ。自分の国の国歌、自分の通う学校の校歌、歌わないでどうするの。知らないでどうするの。卒業式には「仰げば尊し」だって歌ってましたよ。当然でしょ。聞く方がどうかしてるべさ。そうゆうことを聞くから、歌わなくてもいいとか、歌いたくないとかいう人間が出てくるんだべさ。
元旦には、小学校に登校して、日の丸を掲げた体育館で国歌を歌いましたよ。祭日にはどこの家も日の丸を掲げてましたよ。自宅玄関には国旗用の金具が今でもついてますよ。だけどこのご時世、日の丸を掲げると特殊な団体と間違われるのでできないべさ。
どこかおかしいって感じるのは、オレだけだべか・・・。
国旗、国歌については下記を参照下さい。
http://blog.goo.ne.jp/tudukimituo1028/d/20100127
したっけ。
ゆき‐おんな【雪女】
雪国の伝説で、雪の降る夜、白い衣を着た女の姿で現れるという雪の精。雪娘。雪女郎。《季冬》「三日月の櫛や忘れし―/紅緑」
辞書:大辞泉
雪の夜に現れるという女性姿の妖怪(ようかい)。雪女郎(じょうろう)、雪おんば、雪降り婆(ばば)などともいう。種々の要素が入り組んでおり、統一的な姿をみつけだすことは困難であるが、雪の印象から、肌が白いとか白衣を着ているなどの伝承が多い。
喜多川歌麿(うたまろ)の描く錦絵(にしきえ)の雪女は美女の姿であるが、それは文芸的な発展の結果であって、むしろ老女や産死者の姿を考えている場合が多い。
雪の降り積む夜に出るというほか、正月元日に降りてきて最初の卯(う)の日に帰るという伝承がある。これは年神の降臨伝承と一致する。
雪女から赤子を抱いてくれと頼まれ、引き受けた人は大力を授かるとか、逆に殺されるなどの話があり、その点は産女(うぶめ)の伝承と一致する。
吹雪(ふぶき)の夜に宿を求める娘があり、泊めてやって翌朝みると、白衣の中に黄金があったという話は、「大歳(おおとし)の客」の昔話とも共通する。
女性の姿ではないが、雪入道や雪ん坊は1本足で、霜月二十三夜に訪れくる片足神(かたあしがみ)や山の神の姿に類似している。
以上を総合すると、雪女は、雪害の恐ろしさや、雪中に閉じ込められた冬の閉塞(へいそく)状態を背景として、一方では産死者の霊など御霊(ごりょう)系の妖怪となり、また一方では年神など祖霊(それい)系の神々とも結び付いたのであろう。
日本大百科全書(小学館)
雪女の起源は古く、室町時代末期の連歌師・宗祇法師、による『宗祇諸国物語(そうぎしょこくものがたり:貞享二年(1685年)』には、法師が越後国(現・新潟県)に滞在していたときに雪女を見たと記述があることから、室町時代には既に伝承があったことがわかる。
雪女は『宗祇諸国物語』をもとにしたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の『怪談(Kwaidan)』「雪女」の様に、美しい女性として語られることが多く、雪の性質からはかなさを連想させ、類人猿の姿をしている雪男とは対照的である。
なお、『怪談(Kwaidan)』「雪女」では、雪女の名を「お雪」としている。ハーンの「怪談」序文には、『武蔵の国、西多摩郡、調布村(現在の青梅)のある百姓が、その土地に伝わる古い言い伝えとして私に語ってくれたもの』が「雪女」の元となったと記されている。このことから「雪女」発祥の地は青梅であるとする説がある。
精神病理学の解釈では、極寒の山中でさまよった場合に見る幻覚症状に起因する話を構成したものとの説が挙げられており、雪女は性的欲求の表象として現れてくるものであるとされる。生命の危機に直面した場合において、性的欲求がたかまるとされている。これは、子孫を残そうという本能から来るものといわれている。
「雪女」(秋田県横手市に伝わる民話)
※横手の方言は標準語でわかる程度に変更しました。内容にも一部変更を加えました。御了承下さい。
昔、横手に 茂作と巳之吉という二人のマタギが居たんだと。茂作は、年取ったマタギで、巳之吉はマタギの仕事を教わるように、いつもくっついて、山さ行ってたんだと。
ある冬の日、ウサギ狩りに行くべ、二人一緒に行ってたんだと。
「ウサギも居ねえ、キジも居ねえ、そのうちだんだん山、暗くなって吹雪いてきたぞ。」
「ああ、これなら、吹雪いてくるなあ、どこか炭焼き小屋を探して、そこで晴れるのを待って帰ることにするべ。」と、茂作が言うので、二人して、巳之吉の探した炭焼き小屋に泊ることにした。
真夜中、巳之吉は雪がさらさらと顔にかかって来たので、ふっと目を覚ました。隣(となり)で眠っている茂作の方を見た。茂作の上に、何か白いものが、被さっていた。
「ああ、何だべ?」
と、見ていたが、金縛りに逢ったように、身動き出来なくなっていた。
茂作の上に乗った何だか分からない白いものが、顔にフーッと大きな息を吹きかけた。
その白いものが、自分の上にやってくる!・・・逃げなくては。白いものから逃げていかねば。と、思うのだけれど身体が全然動かない。
すると、その白いもの、茂作の上に乗ってきたように巳之吉の上に乗ってきた。・・・ふっと巳之吉と目が合った。
「おめえ、まだ若げえな。・・・おめどこ(おまえは)、殺さねえ、今日、見たことを誰にも言うなよ。言わねば、殺さねってもいいども、誰かでも話してしまえば、おれ、おめどこ、殺しに行かにゃならねがらな」
そういうと、その白いものは、吹雪の舞う小屋の外にさ~っと、出て行ってしまった。
次の日、二人が戻ってこないので、村の人たちは探しにやって来た。
しかし、茂作はとっくに息絶えていて、半死半生の巳之吉を助けて、村に戻ってきた。
そんなことがあって、何年かして、巳之吉はまた吹雪の日に、横手の街に買い物に来て、家路につくところだった。
途中で若い娘と出会った。
巳之吉「おめえ、この吹雪の中で、どこさ、行くどこだけな?」
娘「うん、おれよ、オド(父親)もアバ(母親)も死なれて、これから横手の町さ、奉公に行くどこだぁ」
巳之吉「何とおめえ、これから横手の町さ、行くったって、途中で吹雪いてくる。明日の朝に、早く行ったらどうだか。まんず、今晩一晩、泊ってよぉ。おれ家さ、泊って行けよ。」
と、その娘を連れて、家に戻った。
巳之吉は、母親と二人暮らしだった。
アバ(母親)がその娘を見たが、 「何とめんこい娘だなあ…。」と、感心した。
・・・巳之吉さも、嫁っこ貰わねばねえ時期だし。
アバ「おめえよ、横手のその奉公先、身寄りなのか?」
娘「んでねんす。私、どこさも行くあてがないので、そこに奉公に行けって、村の人に言われてきたんだす。」
アバは、「待ってました。」とばかりに、一生懸命になって頼んだ。
アバ「んだらよ。おめえ、巳之吉の嫁になってくれねがぁ。」
娘は、間髪おかずにすぐに答えた。
娘「いいす、いいす。巳之吉さんみてえな人だば、嫁さんになってもいいす。」
巳之吉の嫁になって3年、三人は気持ちよく、仲良く暮らした。わらしも10人出来て、その間にアバ(母親)は亡くなった。巳之吉は、家族を持って幸せに過ごしていた。何の気苦労もなかった。
嫁さんは、炉端で縫い物をして、巳之吉も傍で火に当たっていた。
巳之吉「こんな吹雪く晩は、早く寝た方がいいやな。おめえも、止めれでや?」
嫁さん「んだな、んだな。これで止めて寝るが。」
ふっと巳之吉は、大変なことをさらりと、口走ったのでした。
巳之吉「ああ、こう吹雪くだば、思い出すなや。あの晩のことを…。」
そのとたん、な、何と、嫁さんの目(まなこ)がグルリと光った。押し殺した声がした。
嫁さん「おめえ、その先、言うな。」
腹にずしんと響く、別人のような声であった。
うろたえた巳之吉が、嫁の顔を見ると、うわっ、茂作に息を吹きかけて殺したあの女(おなご)と同じ面(つら)だった。
巳之吉「うわ、うわ、うわわ!」
嫁は、続けて言った。
「その先を言うな。しゃべれば、おめえを殺す。おめえとの間には乳飲み児もいるから、今すぐ殺すわけにいかない。その先を言うな。誰にもしゃべるな。わらし(子供)の面倒をよく見ておくれ…。」
そう言うと、嫁さんは縫いかけの着物を炉端に残して、体はみるみる溶けて白い霧になり、煙だしから消えていった。
巳之吉は、それからというもの、誰にもこの話をしないようになったそうだ。
したっけ。