団塊オヤジの短編小説goo

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都月満夫の短編小説集2

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都月満夫の短編小説集

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「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
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「おとうさんのただいま」【児童】
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「桜の花が散った夜」

私の爺さんの話・「胃潰瘍」

2010-03-28 08:51:24 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

私の爺さんは酒飲みであった。山の仕事をしていた爺さんは、冬は山に行ったきりだ。丸太を切り出す仕事は、冬が最盛期なのだ。重機など無い時代、雪は格好の条件となる。冬はこの成長が止まることと、夏には入れないところまで入っていける。そして、切り出した丸太をソリのように滑らせて運ぶのである。

 冬の山の飯場はシバレル(北海道弁:寒い)。だから皆で酒を飲むのであろう。

2 私が小学校高学年のときに、爺さんは血を吐いた。洗面器一杯とも、バケツ一杯とも言われている。胃潰瘍であった。 1

 当然、爺さんは手術をすることになった。

 ところが、麻酔が効かない。酒に浸っていた体は麻酔が効かない体になっていたのだ。医者は私の父親を含め三人の息子たちを呼んだ。

Photo 「このまま手術をするから、体をおさえつけていろ!」そう医者は言ったそうだ、

 手術が始まった。爺さんは僅かにうめき声を上げただけであっPhoto_2たそうだ。しかし、押さえつけていた息子たちは必死であったそうだ。

 それはそうだろう。生身の体を切り裂かれ、胃を3分の2も切り取られているのだ。力が入る。爺さんはこの手術を気絶せずに乗り切ったのだ。

 気絶したほうが楽であったろうに・・・。Photo_3

 明治の男は凄い。爺さん手術は、この病院の語り草になって、代々看護婦に引き継がれることになった。

1_2 爺さんが退院して「痛くなかったのか。」と聞いた。

 「なあに…、痛くて声が出なかったのさ。」そういって爺さんは笑った。

爺さんは、熊の手で作った煙草入れから、煙管(きせる)に刻み煙草を詰め美味そうに煙を吸い込んだ。

昭和30年代前半の話である。

造材

造材は冬から春先にかけての仕事でした。次のようなメリットがあったからです。

        雪が積もると、切った木を運び出しやすくなる。(運搬)Photo_4

        夏は切った木を置いておくとカビや虫(あるいは虫の卵)などがつきやすく、木が傷む。寒い冬はその心配がない。

        切った木が倒れる時、雪がクッションになり木が痛みにくい。

        夏は下草が生えて山の奥に行くのが大変。雪が積もり葉も落ちれば、夏には行けないような山奥まで入ることができる。Photo_5

このように、造材の仕事は厳しい寒さの中で行われたのですが、実は雪と寒さを上手に生かした仕事だったのです。

また、当時は冬山に入ったのは農民も多かったといいます。冬の間仕事がなくなる農民にとっても、冬山 造材は生活上必要なことだったのでしょう。  

したっけ。

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倉内佐知子

「涅槃歌 朗読する島 今、野生の心臓に 他16篇(22世紀アート) 倉内 佐知子 22世紀アート」

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