2022年12月に東京都中央区区役所の地下というべき所に京橋図書館があって、区役所移転計画に伴って図書館が移転した。この郷土資料室は地下の地下にあって、京橋(銀座地区の商人)の記憶の霊安室と思いながら、司書さんに質問しつつ、本を出してもらっていた。たいがい無人で声を出して会話しても大丈夫だった。ただ閉架で気になる本に検索と会話では出ないもどかしさがあった。こんどの本の森ちゅうおうは郷土資料の大部分が開架で探しやすい。
そこで時間が経ったので、都営浅草線宝町駅から歩いて十数分で着いた。前は慣れないのでもう少し時間がかかった。今回は一応2時間の滞在でテーマは築地移転問題のその後の検証ということで本を探した。
結論から言うと、群盲巨象を評す状態だった。《多くの盲人が象をなでて、自分の手に触れた部分だけで象について意見を言う意から》凡人は大人物・大事業の一部しか理解できないというたとえ。
多くのテレビの豊洲移転報道を見ていると、何かピントがずれていて、結局一部は正しいが移転反対派が考えた築地ブランドの棄損ということにはならなかった。移転費用の高騰をもたらしたのは移転懸念派の功績で、利益を上げたのは東京ガスとゼネコンだった。一回の工事であわよくば世界中に汚染土壌除去工事の実績宣伝となるはずだった。ところが3種類の汚染土壌クリ-ン化方法は失敗した。3種類の方法によって、工事区分がなされ、談合のようにゼネコンが落札した。さらに地下空間を騒いで、また工事ということでおいしかっただろう。移転の遅れで不要な工事の発生と費用が発生した。これらは築地移転 反対派の意見だけ重視し、共産党の失敗でもある。時代の流れで江戸時代の仕組みを続けようとする人たちの支援を誤った。結局移転を促進するおとりとして、東京オリンピック招致となり、2兆円近く東京都の資産が消えた。豊洲移転費用を加えると3兆は超えるだろう。その結果コロナでオリンピックはほぼ無観客で協賛した業者の広告効果がゼロ以下となってしまい、さらに談合疑惑もあって、今では誰も東京オリンピックの経済効果を語る人はいないと思われる。そんな宴の後の評論はまだ中央区の郷土資料室にないように思える。
徹底追及築地市場の豊洲移転 -崩された「食の安全・安心」- |
赤旗編集局著 日本共産党東京都議団監修 赤旗編集局の丹念な取材でいかに東京都が築地を移転させたい気持ちの変遷が良く見える。ただ取材先が築地市場の労働者の声が偏っていて、400億円捨てた築地の再開発工事の中断を分析せず、ただ業者間の工程折衝が困難ということで逃げている。 またTVのコメて―タ-がJRの工事のようにできるといっていたが、一斉移転しかできないことを誰も書かなかった。一部ずつの工事で再建するということは引っ越しが何回もあるということで、慣れた得意先が消えるということもある。それは水産仲卸の基盤の弱い業者は移転には賛成できないだろう。大手の仲卸は場外に拠点を設けていて、移転しようがしまいがどちらでもよかった気がする。 結局今でも豊洲市場から汚染物質が出ているが都内の消費者が影響を受けた話が出ていない。それよりは移転間際のネズミ報道の方が驚いた。築地市場内で働いている人でネズミの大きさと多さは常識でそれを報道されて驚かれるとまた驚く。この件で赤旗編集局の扱いは少ない。ネズミ報道をすると移転促進すると思っているのだろうか。豊洲移転後に渋谷のネズミ報道があった。どうも渋谷のネズミは常識だったようだ。 取材者の結論から出た取材加工報道で豊洲移転後に汚染があるのに市場経由の汚染食品は被害者はまだ見つからない。どうして豊洲市場で働く人の健康問題を問題を赤旗は報道目的にしなかったのだろうか。地下の汚染が出れば毎日10時間以上市場の空気を吸っている人の健康を害する方が先に発生すると赤旗編集局人は思わないのだろうか。 今のコロナの初期は中国で武漢の市場が封鎖された。細菌汚染の方が市場の一番重要な問題である。そこに群盲巨象を評すという言葉を思い出す。一部は正しいが全体が正しいとならなかった。まだこの築地移転騒動の分析の本が出ていないようだ。 |
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