■ ブログのサブタイトルを「好きな建築や本のことなどを素材に織り上げるタペストリー 」としているが、以前と比べると「建築」を取り上げることが少なくなったように思う。それはなぜか・・・。火の見櫓を取り上げることが多くなったことが一因だ。尤も、火の見櫓は建築と無関係ではない。今、火の見櫓を建てようとすれば、建築基準法で規定している工作物の適用を受け、確認申請をしなければならない。また、火の見櫓に関する論文は建築論文扱い、「日本建築学会」の論文報告集などに収録される。
さて、本題。
須坂市の郊外に大正末期、正確には大正15(1926)年に完成した坂田浄水場があることを市内で入手したパンフレットで知った。訪れてみると、1996年に新しい浄水場が隣につくられていて、稼働していなかった。それに新しい浄水場と共にフェンスで囲われていて、立ち入り禁止だった。これはセキュリティ上、当然のことだ。
囲いの外にこの施設があった。これも浄水場の施設であることは容易に判断できたが(フェンス内にも同じデザインの建物があったので)、具体的な用途は分からない。この施設も今から85年位前に建設されたことになるだろう。残念ながら、このレトロな建物について何か書こうにも知識がない。
市では休止していた坂田浄水場の再稼働を検討しているようだ。新しい浄水場は急速濾過という方式で、ランニングコストがかかり、水道料金にはね返っているようだが、旧浄水場は緩速濾過方式でランニングコストがほとんどかからないという。灰野川の伏流水を濾過池に引き込み砂や微生物などの働きで汚れを除去する方式が復活する可能性が出てきたというわけだ。
新しい浄水場ができたとき、古い浄水場を取り壊さなかったことが幸いしそうだ。成り行きに注目したい。
メモ)
成り行きに注目したい。 これは「なりちゅう文」と呼ばれる常套句。かつて新聞記事に多用されたようだ。あまり芳しい表現だとは思わないが仕方がない・・・。