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■ BELL WOOD COFFEE LABのオーナー・鈴木さんはプリンティング・ディレクターというもう一つの仕事をしている。そのせいだろうか、時々カフェをフォトグラファーが訪ねてくるようだ。ちょうど居合わせたフォトグラファー(写真家という呼称とはニュアンスが違うのかもしれないので名刺によった)・疋田千里さんとあいさつをした。その際渡した名刺が162枚目だった。
疋田さんはポートレイトや料理撮影の仕事・クライアントワークスに加え、近年は特に東南アジアで「おはしのある風景」を撮影しているとのこと(*1)。食文化を象徴する道具である箸にフォーカスしたのは慧眼だ。
11月20日に京都のマヤルカ古書店という所で始まる写真展の案内リーフレットをいただいたが、それに中国の福建省にある福建土楼の中庭で撮影されたA4サイズくらいのモノクロ写真が載っている。それは外流しでおばさんが箸を洗っている様子を少し引いたところから撮った写真。また箸で食べ物を赤ちゃんの口に運ぶ母親(たぶん)の写真も載っている。キッチリ人々の暮らしの中に入り込んでかないと撮れない写真だ。なるほど、「おはしのある風景」ってこういう風景のことか・・・。
普段動かない鉄ばかり撮っている者が仕事としてポートレイトを撮影している女性を撮った。緊張した。疋田さんの顔にあたる自然光はいつか鈴木さんに教わった状態に近いと思うけど、違うのかな・・・。
*1 リーフレットに載っているプロフィールによった。