『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

今昔物語・・・・・裸の王様

2008年07月10日 | Weblog
今日はつまらない童話を書いてみました。

昔々、あるところに4人の男が居ました。
この四人は同じお城の中で、将来国を背負って立つ立場にあった。

男1号は他の3人より少し年上で、どちらかと云うと親分肌。
何にでも興味を持って、闘争心旺盛。負けん気が強い。

男2号は、1号と6歳離れているけど、仲が良かった。
いつも一緒に遊んで、1号は2号を弟のように可愛がっていた。
人当たりが良くて、喧嘩の嫌いな男だった。

男3号はいわゆるイケ面。自分でも自信たっぷりだった。
頭も良くて切れ者だったが、唯一運動が苦手なインテリだった。
3号はやがて1号と喧嘩をしながらお互いを認め合うようになっていた。

4号は、遊びに長けた男。こいつも切れ者だった。
だけど2号の尻拭いばかりさせられた。
この男も1号と仲良くなり、存在感があって一目置かれていた。

いつの日か、2号は海外へ旅立ち、1号、3号、4号はそれぞれの領地を
それぞれのやり方で切り盛りして王様のために一生懸命働いていた。

長い年月が経ち、2号が凱旋帰国して王様の国へ戻ってきた。
王様はこの2号が偉くお気に入りになり、
3人の上の地位となる君主の座に就かせて国を治めようとした。

ところが、この2号。浦島太郎状態で、世の中の動きがつかめていない。
それなのに、王様に気に入られている事を傘に3人に王様の言いなりになって
無理難題を押し付ける。

最初は領主4号の領地へ高い年貢を要求する。領主4号は歯を食い縛って頑張った。
それなのに、領主2号は領主4号に対してねぎらいの言葉どころか、
もっと働け!お前はサボっている!と、心無い言葉を投げかける。
4号の領民は、優しい領主に同情して、王様に対する忠誠心を失う。
それでも、我慢強い4号は領民のために、音を上げずに頑張り続けた。

その次に2号は、領主3号に圧力をかける。
領地の小さな3号は、普通の3倍くらい働いて年貢を納めた。
いつしか、その年貢のお陰で王様の財政が楽になった。
その貢献度に、王様のご褒美が与えられたが当の3号には褒美が回って来ず
逆に、王様へは「反逆者」扱いをされて、2号からさらに高い年貢を要求された。
そんな時、3号の奥方がこの世を去り、小さな子供を抱えた3号は
召使を雇う余裕も無く、仕方なく国を捨てる事になった。

そして今度は領主1号へ理不尽な行動を取り始める。
1号は、理不尽な事が大嫌いで、2号の挑戦を受けて全面戦争に踏み切る。
見た目は圧倒的に2号の方が有利。
だが、1号には国の外に多くの味方が居た。
若い頃に、国を越えた付き合いをしていて多くの王様に信頼を受けていた。
ところが、本人はこの戦争が始まるまで、その多くの味方の存在に気がつかなかった。

そして、満を持して戦争に踏みきった途端に、その外国の王族がこぞって
1号を支援し始めた。
それに呼応するかのように、4号も密かに2号抹殺の手助けを始める。

この動きを察知した2号は、4号にまで反旗を揚げられると王様の
要求に応えることが出来なくなるので、和解を申し入れた。
「仲良くやりましょう。」
そうしたら4号は笑いながら、こう応えた。
「貴方が最初に喧嘩を売ったのは私だってことをお忘れですか?」

その言葉に2号は、何の事だか判らなかった。
「領主1号が怒ったのも、領主3号が国を出たのも全て貴方が原因。それを反省なさっているのですか?」
そういわれて、2号は
「俺は間違っていない、長い目で見ればこれで正しいのだ」
と言い返した。
そして失うものが無い4号は、すがるように和解を求めてきた2号に
余裕たっぷりに、こういった。
「貴方は既に裸、力ある領主が居なくなり、残った実力者も
もう貴方を見限っている。誰も貴方のために戦ってくれませんよ。
貴方は裸の王様ではなく、自ら裸になった愚かな君主です。
私は貴方のために戦うくらいなら、死んだ方がマシです」

そういわれた2号は、戦力にならない兵隊を引き連れて戦わなくてはならないうえに
王様のために年貢を納めなければならなくなってしまった。
その兵隊達も、少しずつ領主4号の応援に回っている事にも気がつかず・・・・・

1号は、無意味な戦いで傷つくのを嫌い、外国の王家からの誘いに応えて国を出ることを決心した。

このままでは、いつかこの国は滅びる。
だが、国が滅びる前に外国から領民の命を助けに王族がやって来るでしょう。
1号や3号が最後に仕掛けた爆弾や、毒がそろそろ効き始めてくる時期です。

*これはフィクションです。実在する話ではありません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする