昨夜はかつて担当していた、超高圧電子電子顕微鏡の
設計・生産チームの仲間で作る『秘密部隊』の会合。
僕の日記を読むと、組合OBで作る『秘密組織』や
いまや居住拠点となっている自室を『秘密基地』と呼んだり
そして昨夜の会合も『秘密部隊』と呼んでいて、まるで小学生の発想、
ちっとも秘密じゃないじゃないか!・・・・と言われそうです。
そんな秘密部隊組織は、かつての僕のライバルK大統領に
僕がUG大佐、その下に生産部隊のO中隊長が控え、
その次が僕の一番弟子であるM小隊長に、ライバルK大統領の弟子Kが
兵長という階層構造になって居るのです。
そんな集まりを、今育てている二番弟子が羨ましそうにしていて、
兼ねてから一番弟子のM小隊長に会ってみたいと言っていたので、
『それじゃ、今夜会うから一緒に来い』と言って連れて行った。
この秘密部隊は、そういうことを気にする人間は居ないし、
定年になる前に、一番弟子を通じて本社の高電圧関係者と
パイプを作ってやろうと思っていたから、ちょうど良かった。
なぜ、弟子が秘密部隊の仲間と会いたがっていたかと言うと理由があるのです。
折りしも、この日は僕が監修して機械設計の若手に作らせた
新しい電子銃用の碍子の、耐圧試験を僕がやっていた。
実験は僕が手順を決めてあったんだけれど、いかんせん装置の使い勝手が
いまひとつ判らなくて、装置の立ち上げを弟子に頼んでやってもらった。
雑談をしながら、弟子は弟子で抱えている高圧電源の問題を僕に相談する。
何でも、後釜のグループ長に色々聞かれ、説明させられるらしいのだが、
グループ長が、高電圧のことを全く知らないので説明しても理解できない。
そのたびにどう説明したらいいのか?って、僕に聞いてくる。
直接、僕に訊けば事は簡単なのに、なぜか誰も訊きに来ない。
組織的に僕をラインから遠ざけようとしている意図が見え見え・・・。
僕は若手に教える以外は、頼まれない限り話さない。
これは、売られた喧嘩を買うと言う風に見えるかもしれないけれど
そうではなく、判るのなら自分でやって頂戴というスタンス。
敢えて、こちらから話すのは『でしゃばり』と言われるだけなので・・・
弟子は問題点を発見しても、それを問題として捉えないうえに、
そういった技術的な話が出来るレベルの人間が居ない組織に不満を持っても
どうにもならないことに、半分諦めたようなことを口にする。
そのたびに
『お前一人でもいいから、疑問点があったらひとつずつ解決して行け』
と言い続けているし、『俺が居る間は、全部教えてやる』と言って
励ましている。
秘密部隊の集まりに初めて参加して、そのメンバーのレベルの高さに圧倒された様子。
でも、それで少しやる気が出たみたい。
何かあったら、秘密部隊の連中に相談すれば良い・・・・
『そういう事だから、今後も面倒見てやって頂戴』とみんなに頼んだら
大統領はじめ、みんなが快諾してくれた。
人の繋がりは、待っていても広がらない。
本社と子会社なんて、くだらない壁は取り払ったほうが良い。
そういう意味で、秘密部隊のメンバーとして初めて子会社のメンバーが加わった。
もちろん、役割は『秘密工作員』です。