昨日から、いよいよ6月の公演に向けて稽古が始まりました。
といっても、昨日はいわゆる『本読み』。
毎年、この時期になると座長が2時間以上かけて、芝居のイメージを話しながら、
一人で台本を読んで、台本のチェックをみんなでやる。
僕の場合は、あらかじめ何回か台本に目を通しておいて、自分なりに芝居を想定して
描いている役作りと、座長の持っているイメージをすり合わせる最初のアプローチです。
今日は、尊敬する大御所のOさんが、肺炎で入院されて欠席。
Oさんは、立ち稽古が始まる時には殆ど台詞が入っているような方だから
体調不良だけが心配。
それでも、80歳を過ぎてここ数年、急激に体力が衰え、弱々しくなったのが
僕としては心配な訳で、とにかく体調だけは回復して欲しいと思うのです。
初めて劇団に入った時から、色々な事を教えていただいている恩師ですからね。
その他の欠席者は、数名。
初日なんだから、スケジュールを最優先にするくらいの気持ちが無いと
演出家だって拍子抜けだろうに・・・
『昔、外部の演出家を使っていた時に全員が揃ってなくて、帰ると言い出した事がある』
と、暗に欠席したメンバーに対する不満を、座長がさらりと口にする。
僕はサッカーチームを作ったり、色んな集まりを主宰して来た事があるから、
座長の気持ちが凄く良く分かる。
初日って、自分の意気込みや気合、思い入れをみんなに見せる場でもある。
逆に、そこに来ないのは何処かで舐めた部分がある気がする。
ましてや、劇団なんて頼んで入って貰ったんじゃない。
みんな、自分がやりたくてやってるんだからね。
休んだ人は、そう云う意味でかなりハンデを背負ってのスタートだ・・・・
と思った方が良いんじゃないかな?
約2時間、座長による本読みが終わり暫く雑談・・・・
僕が、座長に『男同士、女同士、台詞のやりとりや、間が凄く大事な芝居ですね』
と話したら、そうなんだよ…と、座長が嬉しそうに語る。
座長の芝居にかける情熱や思い入れが、いつも言葉の一つ一つから伝わってくる。
こういう言葉も、気持ちが入っていないと伝わらないんだよね。
台詞でも、唄でもそう云う点では一緒だと思う。
それは芝居だけじゃない、サッカーや音楽でも一緒です。
気持ちの入っていないプレーは、人を感動させない。
それは、見た目の上手い下手よりもずっと大きな要素です。
今度の芝居は、それが何処まで出来るかですね・・・・