今日はやることが無いのと、夜に出かけるので昼間は秘密基地に潜伏して
ギターを弾いたり、テレビを見たりの1日。
昼間、面白い対談をやっていた。
Yuzuru Hanyu SEIMEI 野村萬斎×羽生結弦
狂言師・野村萬斎と男子フィギア金メダリスト・羽生結弦(ゆづる)の二人対談。
羽生選手の新しい振付のテーマは「陰陽師」。
映画「陰陽師」で安倍晴明を演じた、狂言師であり俳優の野村萬斎に
色々と訊きたい事があって、この対談が実現したようだ。
観ていて思ったのは野村萬斎の身体能力の高さ・・・・
まず、動きながらの姿勢が良い。これは体幹が強くないと出来ない事。
バレエやダンス、スポーツでも背筋がキチンと腰骨の上に乗って、
体の軸がぶれないようにするためには、体幹(体の中心)の強さがものを言う。
狂言を見ていると、跳ねた時の着地時に動きをピタッと止められる。
バレエでは音が出ないようにフワリと着地するのだけれど、
狂言は逆に、着地時に舞台の床を足で強く踏んで音を立てる。
力が入る動きをする時こそ、他の箇所に力が入っていない事が大事。
それゆえに、体を支えるのは体幹の強さ。
野村萬斎のそれは、金メダリストの羽生選手並みじゃないかと思った。
一番凄いなぁと思ったのは、話の内容。
野村萬斎が『型』を身につけることが重要だと言う。
『型』とは、我々の世界で言うと『基礎』。
『基礎』とは、音楽、スポーツを問わず、我々の仕事でも非常に重要な事。
そしてそれは、当たり前にいつでも同じ事が出来る様な事柄を指す。
その『基礎』『型』を積み上げる事によって、自身のレベルを高くして行く。
当たり前に出来るだけでは、お客は予想通りで何も感動しない。
『基礎』を一歩進めて、客の期待以上に見せる事で感動を生む。
そのためには、言われた通りにやっているだけでは駄目だと言う。
『型』を自分で解釈する。
「何故?」と言う疑問や、「どうして?」という疑問を自分なりに考え
意味を持たせることで、その『型』を自分のものにする事が出来る。
「誰々がやっていたから・・・・」なんて言うのは、見た目の真似をしただけだと言う。
これって、僕が仕事で若い連中に言い続けて来た事に通じます・
設計する時に、過去の回路をコピーして使う事は良く有る。
それを駄目だとは、一回も言ったことが無い。
ただ、「どうして、この回路を使ったのか?」と質問した時に、
その理由がキチンと論理的に説明できれば、設計したのと同じだと思うからです。
ところが「今までこれでやって来て、問題無かったから・・・・」なんて言うのが殆ど。
だから、いつまで経っても進化しない。
見た目の真似をして、それを積み上げても点数を稼げないフィギアのように
仕事だって、何処かでチャレンジしないと駄目だと思って来たんだけどね・・・・
まぁ、優勝を目指すんじゃ無く、参加する事に意義を求めて喜んでるレベルなのかな?
若い連中は、こう云う番組を見てどう感じるのだろう・・・・なんて思ったのでした。