僕には娘が二人。
速いもので上が24歳、下が21歳になったばかり。
ついこの間まで、一緒に寝ていたような気がしていたけれど、
考えてみれば、僕だっていつの間にか還暦を迎えている訳ですからね。
長女は全てにおいてマイペース。
時には嫁さんをイライラさせることもあるみたいだけれど、
それでも、長女の周りには中学校からずっと繋がっている友達や、
吹奏楽団の仲間や先輩たちがいて、それなりに付き合っているから
他人さまに関しては、さほど迷惑をかけているようには思えない。
そういう意味で、頼りなさそうで自立して生きている気がします。
小学校からしつこい虐めに遭ったりしながらも、無欠席で卒業した。
個性が強い子だから、今時の子供からは虐めの対象になったのでしょう。
嫌な思いを経験しているから、心が優しい。
他人を思いやるうえに、出しゃばらないから損をすることも多いみたいだけど、
『損して得取れ』と言い続けてきたから、そんな生き方をしているように思う。
一方、次女は何につけてもストイック。
一生懸命やるから、それなりに結果がついてくる。
姉の後を追うように始めた吹奏楽も、高校では部長を任されて、
学校の代表が集まる中央音楽会でも、オーディションを勝ち抜いて
ソプラノサックスのソロパートを吹いたりと良い経験をしてきている。
高校も吹奏楽で都立の推薦枠で入学。
英語や国語、数学などと言った教科が好きじゃないので成績こそ普通だが
僕は好きな事を一生懸命やる姿勢を評価しているから、文句を言った事はない。
そんな次女は、いわゆる挫折感というものにぶち当たった事がない。
そういう点では、長女とは対照的ですね。
そんな子だから、意外と打たれ弱い。それでもへこたれない処は偉いですね。
この春にアニメーションの業界に入ったのだけれど、この業界は最悪。
労働基準法なんて、契約書にサインするときに『形だけ』と言うほど
長時間労働、最低賃金など労働基準監督署の査察が入ったら、
間違いなくアウトのブラック業界。
アニメで大儲けして居るのは配給会社だけで、それを作っているアニメーター等の、
収入や処遇は全く変わっていない、最悪の業界です。
それでも、娘が進みたい道に進んだ以上、出来る限りサポートしてやりたい。
僕が定年退職して、アニメーションの会社が多い荻窪という土地に
アパートを建てたので、遅くなったら僕のところに寝に来ればいい。
夜中に交通機関が無くなったら、車で迎えに行って自宅まで送って行く。
僕は、気が向いた時間にしか仕事に行かないから、そういう事が出来る。
最近、今の仕事に将来を見出せなくて、少々悩んでいるようだけれど、
親として、見守ってやるしかないでしょうね。
僕は『父親は、娘の願いを叶えてやる存在』だと思って生きている。
僕の親父が63歳で他界して、姉の事が無念だったろうなって・・・・・
マイペースの長女、ストイックな次女。
良くも悪くも、二人とも僕の血を受け継いだみたいです。
だから、娘に出来る事は何でもしてやるのです。