本読みもいよいよ舞台上での動きをイメージしての稽古。
セリフの言いまわしも、動きを頭に入れながらのやり取り。
相変わらず、台本の棒読みをしている人が多いですが、
その中でも、今回から新たに加わったMさんはちょっと違います。
Mさんはいきなり劇団最長老になる御高齢の御仁で、芝居は初めて。
劇団の怪物オヤジの知り合いで、ボート繋がりらしいのだけれど、
『今までやった事がない、何か新しい事にチャレンジしてみたい』
という事で、劇団に加入してきた御仁。
経済界では顔が広い方なので、人生経験も豊富な感じがします。
そんな『最高齢の新人』が、凄く台本を読んで来ている。
まだセリフにたどたどしさがあるにしても、棒読みとは違う。
Mさんは、この芝居の舞台となるバーのバーテンダー役。
そういう意味では、重要な役になります。
Mさんの出番は、僕と二人だけのやり取りのシーンが多いので
色々と相談しながら、稽古しているのですが、気持ちが伝わってくる。
結果的には大根役者になるかも知れませんが、それは僕とて同じです。
それよりも、台本をきちんと読んで稽古に来てくれている事が嬉しいですね。
対して僕の相手役となる主役の『姉ちゃん』。
僕よりちょっと年上で、僕の姉貴と同い年なので、
僕が劇団に入ってからずっと、『姉ちゃん』と呼んでいるのですが
この『姉ちゃん』、どんな役をやっても同じ役に見えちゃう、
典型的なワンパターンの芝居をする役者さんです。
まぁ、これに関しても僕は他人の事を言えませんがね・・・・・(笑)
前回、組んだ主役の女性Оさんは、セリフに難点が多々有るけれど、
役作りという点では、ずっと上手いと思って芝居をやりました。
それまでは、相手役によって自分の役作りが変わって行けなかった。
ことごとく、ワンパターンの相手しか居なかったし、
期待して、いろいろ意見を言っても変わってくれなかった。
そんな点でも今年の4月の公演は、自分としては良い芝居が出来た。
今まで以上に『芝居は一人でやるんじゃない』って感じた公演でした。
相手役に初めて恵まれた・・・・って思ったほどです。
そんな事を思いながら、今回は自分の役作りで相手役を変えてやろう・・・・
なんて、生意気なことを考えています。
もう少ししたら立ち稽古に入るのかなぁ?
立ち稽古になると、また少しずつ変わって行くのも稽古の楽しいところです。