後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本に絶対入らないアメリカのもの

2016年05月05日 | 日記・エッセイ・コラム
風薫る皐月になりましたね。今日は日本に絶対入らないアメリカのものについて書いてみたいと思います。
先日、「戦後70年、気がついてみたらアメリカ文化に浸かってしまった日本」という題で日本がアメリカ文化にすっかり浸かってしまっている状況を説明いたしました。
コンビニが全国の津々浦々にあります。その数、7万店舗以上になると言います。スーパーもマックやケンタやスタバのようなファーストフードの店もきめ細かく普及しています。
郊外の大型量販店もアメリカ発祥の文化です。この狭い日本の国内旅行に飛行機を使うのもアメリカの風習です。その上、その旅客機はほとんど全てアメリカ製なのです。 こうしてキーボードを叩いているパーソナル・コンピューターもアメリカ発祥のアメリカ文化の産物です。
戦争に負けた日本がアメリカに憲法を押し付けらる民主化をして政治の分野でアメリカ文化に従ったのは随分昔の話です。しかしその後も連綿としてアメリカ文化が押し寄せて来て日本を飲み込んでいるのです。気がついてみると生活を便利にするアメリカのものは全て日本を占領してしまっているのです。
こういう状況ではアメリカ文化が日本にすべて導入されたと考えられます。しかしこの考え方には非常に大きな間違いがあるのです。
アメリカ文化のなかに日本には絶対に入らないものがあるのです。
それはアメリカ人の宗教に対する考え方です。アメリカの文化の特徴といえば進歩しつつある科学や技術の他にキリスト教に対する強い信仰があることです。日本にはアメリカの科学や技術は間髪を入れずに導入されて来ましたが、アメリカ人の80%が信じているキリスト教は日本へ全然入ってきません。まあ、厳密に言えば日本人の3%はキリスト教を信じていますから、全然入って来ませんと言えば間違いではありますが。
アメリカ社会における人間関係にはその下敷きにキリスト教への信仰があるのです。アメリカは弱肉強食の社会で、貧富の差が大きいので人間関係は殺伐としていると誤解しがちです。しかしアメリカに暮らしてみると助け合いの精神が溢れていて、実に暖かい人間関係があるのです。殺伐とした社会というより人間的で温かい社会なのです。
ですからアメリカ文化を万遍無く公平に理解しようとしたら彼らのキリスト教への帰依を理解しなければなりません。
勿論、アメリカにはイスラム教徒もユダヤ教徒も仏教徒も数多くいます。しかし話を簡明にするために今日はキリスト教だけを取り上げます。
それではアメリカのキリスト教はどのようなものでしょうか?
カトリック教徒も多いのですが、アメリカの特徴はいろいろなプロテスタント宗派が乱立していることです。理解しがたいような教理論争が延々と続いているのがアメリカの特徴です。
しかしその宗派の多くは福音主義なのです。
ですからアメリカ人は以下のことを単純に信じ切っていて疑いません。
1、聖書の霊感と無謬性(旧約聖書も新約聖書も間違っていない)
2、キリストの処女降誕(キリストは処女マリア様から生まれた)
3、キリストの贖罪(キリストは全ての人間の罪の解消のために十字架につけられ死んだ)
4、体の復活(キリストも全ての死者も何時かは生き返ってくる)
5、数々の奇蹟物語(水上歩行、水を葡萄酒に変えたなど数々の奇蹟話)

さてここで皆さまにお聞きしたいのです。日本人は上にかいた5つのことを信じられますか?
まず無理でしょう。日本人の3%だけが信じているのです。
ですからこそアメリカ文化のうち、これだけが日本に導入されていないのです。彼らの精神文化のキリスト教だけは日本へ導入されていないのです。
よくアメリカには物質文明はあるが精神文化が無いといいます。これは大変な間違いです。
正しくは「日本人の理解出来ない精神文化がある」と言い直すべきです。
私自身はカトリックです。しかし般若心経や大悲心陀羅尼経が大好きです。キリスト教と仏教のバイリンガルのようなものです。ですからアメリカの精神文化もある程度理解出来ます。
アメリカ文化がこんなに溢れている日本ですが、絶対にアメリカから入って来ないものもあるのです。日米関係を深く考えるとき、このアメリカ特有の精神文化を無視すると間違いをおかすのではないでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

今日の挿し絵代わりの写真は阿片の取れない無害なヒナゲシの花の写真です。先日、都立薬草植物園で撮りました。










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