後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本の本当の食料自給率は1.5%という計算結果

2017年07月09日 | 日記・エッセイ・コラム
カトリックでは毎年7月の第二日曜日を『船員の日』と定めて世界中の船で厳しい労働条件で働いている船員の安全と幸せを祈る日です。
我々は普段、船で働いている人のことを意識しないで日常生活をしています。しかし現在の日常生活は運送船の船員が陰で支えているのです。今日のミサでは世界中のカトリック教徒が船員の安全と幸せのために祈るのです。

特に日本は鉄鉱石の全てを輸入しています。石油も液化天然ガスも100%輸入しています。日本の発電量の88%は輸入原油や天然ガスや石炭で発電しています。毎日家庭で使っている電気の実に88%(2014年度)は火力発電なのです。その火力発電の燃料はほぼ100%船で運んだ輸入品なのです。
この位は知っていましたし、食料の自給率は39%ということも知っていました。魚も毎日のように食べるので魚類の自給率も高い筈です。
そこでミサ後に家に帰りもう一度、日本の食料の自給率を調べ直したのです。
そうしたら見かけの自給率は39%だが真の自給率は1.5%だという計算結果を見つけたのです。
確かに米や卵や牛乳はふんだんに生産していますが、稲を育てる肥料や鶏や牛を育てる飼料は96%輸入しているのです。せすから食料のカロリーベースの自給率39%に100分の4を乗ずると真の自給率はたったの1.5%になってしまうのです。

その計算法は以下の記事に明快に説明してありますから、ご一読下さい。
===日本の“真の食料自給率”は1.5%?――【農家の窓から】=====
2015年01月04日 ニュース ( https://hbol.jp/17895 )

トラクターなどを使う大規模農業は、外国から輸入した化石燃料がなければ成り立たないのです。
 以前から「食料自給率」という言葉は知っていましたが、漠然と「日本の自給率39%って低いんだな」というくらいの認識でした。(実はカロリーベースで計算しているのは日本だけ。生産額ベースだと2013年で68%と高くなりますが、それでも先進国中で最低です)。
 畜産物に関しては、エサの自給率も按分されます。例えば卵はほぼ国産(95%)なのですが、ニワトリのエサの大半は輸入(エサの自給率が10%)なので、卵の自給率は9%となります。
 また食品廃棄も大量に発生しています。その廃棄分のカロリーも分母として含まれるので、廃棄が多いほど低くなります。
ほとんどの肥料・エネルギーを外国に依存しているので、これを野菜や穀物にあてはめてみるとどうでしょうか。
 ほとんどの農家が使っている化学肥料、特にリン酸・カリウムはほぼ輸入に頼っているのが現状です。

 また大規模農業にはトラクターなど農業機械が必要ですが、その燃料は軽油やガソリンなど外国から輸入した化石燃料です(チッソは国内で製造していますが、その製造に必要なアンモニアを生成するために、莫大なエネルギーが必要となります)。
 つまり日本の野菜や穀物は、肥料もエネルギーもすっかり外国に依存しているのです。
 日本のエネルギー自給率は約4%。語弊を承知で大ざっぱに言えば、生産にかかるエネルギーを按分した日本の“真の食料自給率”は「39%×4%≒1.5%」なのかもしれません。
 現にアメリカはリン鉱石とカリウムを「戦略的物質」と位置づけ、輸出を禁止しています。肥料価格の高騰は日本の農業に多大な影響を与えますし、いつまでも外国から輸入できる保証もありません。
 自給率を「国防」という観点から考えるのであれば、食品単体ではなくそれを生み出す肥料やエネルギーなど、トータルに考えなければ意味がないように思います。以下省略。
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さて日本での生活には海外から船で全ての物品を運び込まなければなりません。
飛行機による運送もありますが、それは微々たる割合です。

ですからこそ日本のカトリック信者にとっては今日の『船員の日』は特に重要な日です。
熱心に船員の安全と幸せを祈らなければいけません。
そこで挿絵代わりの写真として大型輸送船の写真をお送りいたします。

写真は順々にコンテナ船、タンカー、液化天然ガス専用輸送船、自動車専用輸送船、そして最後はセメント専用輸送船です。









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