披露宴の席で既に宴もたけなわ、そろそろエンデイング近づく頃突如流れたリズミカルな「ピンポンパンポンピン♪♪・・・♪」の唄が前奏として流れ出す。
間をおいて、未だ、言葉も覚え立てのたどたどしい口調の2歳の伜が、歌った童謡「象さん」「カラス何故鳴くの」が突如流れ出す。
約30年前収録し、秘かに認めていた物で当人も恐らく、その存在は知らない物と思う。
晴の舞台に披露するには耳障りかもしれないが、伜の成長過程を物語る記録の一つであり、30年前のタイムカプセルを開いて、皆さんに聞いて頂き、微笑ましさと感動が生まれれば良いのではと勝手に思った。
一応、当日の案内スタッフに提案し、了解頂いた3分20秒程のプレゼントであった。
司会者の紹介に会場は一瞬の沈黙、果たしてどんな物が流れるか耳を傾けて頂き、笑いと確かめあう会話で騒然とするの中、雛壇の新郎も多少うるうるしていたようであった。
挙式に集まって頂いた層の大半は恐らく、このピンポンパンで明け暮れた世代、懐かしさがそれぞれの記憶の中から蘇っているようであった。
長い時代経過で風化したテープが切れたりして、原本を復元するのに苦労して、何とかつなぎ合わせた。何も出来なかった親から息子への唯一のプレゼントとして当日披露した。
親と子供の絆、一番深い関わりを持つのもこの時代、でも何時までそんな事を引きずって居るのは子離れ出来ない親馬鹿かもしれない。