ぐ~んと涼しくなり、日中も16、7℃と夏から一足飛びに冬入したみたいに、季節の変化が激しい。あの狂ったような暑さは何処へ行ってしまったんだろうと思うばかりである。
その秋を迎え、大好きな果物の取り入れ時期が重なり、次から次へと色々な果物が街かどに色づき、店の店頭を賑わす。
秋から初冬へ寒さもぐんと骨身にしみる厳しい季節を迎えてきた。町中には成熟した柿が、今は旬とばかり、庭先に沢山ぶら下がっている
我が家でもささやかなブドウ作りは収穫も終わり、あっと言う間にお腹の中に納まってしまった。写真は色艶の良い、今が旬の柿とざくろである。
柿は人工加工された種なしなど、食べ易く育てられた物が出回っているが、一方のざくろは種ばかり大きく、現代趣向に会わないのか、店に出ることはあまりない。
その秋の果実の一つに近頃余り、見かけないざくろも成育して大きい。果皮は黄紅色で黒班があり熟すると裂けて中にある多数の種子が顔を表す。
◇本陣でざくろ
本陣の大きな庭先(建屋含めた敷地700坪)の一角に沢山の樹木が植えられているが、その一つに3~4m程の高さのざくろの木がご覧のような果実が見事に成熟している。
この庭先の樹木であるが、本陣の建物が元治元年(1864)に建てられおり、その建屋に付随した庭木の一つである。果たしていつ頃植えられたざくろなのか、判らないが、その幹を見る限り、かなりの古木のような風情をしている。
根から二股に別れる幹が、スタンションに支えられ何とか立つ姿は老衰を感じられるが、時期になると、しかっり芽吹き、花咲このような立派な果実が成長する。
来館者も少ない平日に御馳走になった。食べると言っても種子に覆われた僅かな実の部分で、その大半は固い種で「ぺっぺ!ぺっぺ!」と吹き出しながらの食べ方に他の果実と違って余り格好良い食べ方は出来ない。
その僅かな実の部分を噛むとうす甘く、酸っぱい味が口に拡がる。食べると言っても僅かな部分だけに食用よりも果実酒等の利用が多いのでは無かろうか。
ザクロを割ると、一面真っ赤な地肌が覆い、その上に白い種が際立つ。
その姿が一見して人間の内臓を連想すると不吉と風潮が流さる。
一方では子宝と全く相反する説もある。
何れにしても所説ふんぷん、話題の多い果物である、
ひょっとしたら100数十年前の古木なのか、幕末の人達もひょっとしたら、この甘酸っぱい感触を味わったのではないかと、勝手に歴史ロマンを感じながら味わった。
◇ざくろを割って見る
頂いたざくろを早速、ぱっくりと割って見る。赤黄色の身がびっしりと入っている。甘さに引かれ、蟻どもも、嗅ぎつけせっせと群れなしてやってくるので、蟻も混入していた。
その赤黄色の身を口にすると、淡白ではあるが、ほのかな上品な甘さが口に広がる。しかし、殆ど種ばかりで、大半を吹き出すので、現代では余り受け入れられないのであろう。
それでも食べ物から目一杯、秋を楽しむ。暑さからのようやっと解放され、日の落ちるのも大変早くなり、深まり行く秋が確実に駆け足でやってくる