春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

娑婆の世界で闘病士と再開

2015-10-26 15:25:00 | ライフワーク
「いやあ~こんにちは」

遥々、相模原からご夫妻でお出まし頂いた。

◇ちょっとした奇縁
手術当日、複数の方が予定され、病室から呼び出され、順次処置される。手術台の順番待ちに緊張の余り、顔を強張らせ、膠着状態であった拝に「たいしたことないよ」と声をかけてくれたのが、終わったばかりのSさんであった。
その気を貰い、臨んだが、以来、意気投合した闘病仲間で一人であった。
病院の拘留制約を解かれ、娑婆の世界に戻った暁には、我慢した制約から弾け、自由の身分になった喜びを酒で祝うことであった。
集会室での雑談で、互いに酒好きが共通の嗜好であったが、娑婆へ出所の暁には一献交わすことが、ささやかな願いでもあった。

◇待ち人迎える
ちょっと早めに、駅に出迎えたものの、到着電車から吐き出される人のラッシュに、目を凝らし、待ち構えたが、中々その姿現れず、少々不安になってきた。
娑婆への放免後、電話でのやりとりはしていたものの、互いに眼帯姿で、別れ、数カ月経つと、その姿が記憶の中からすっかり飛んでいる。
定刻、ちょっと前に、小さなリュック姿のご夫婦が、改札を挟んで待ち構える輩の姿を見て、手を振り、一先ず待ち人の再開にほっとする。
二言三言交わすうちに記憶の中でflash backし、かってのSさんと面会でお会いした奥様の、多少消えかかった面影が徐々に蘇ってくる。

日野宿案内に多少の身を染めている関係から、参勤交代の日野宿本陣の歴史建物の蘊蓄を披露する。旧甲州街道の大門から高幡古道を通り市内に張りめぐる日野用水の一角を案内する。整備された水路に鮎の姿が見え当地で話題になった。
鮎の話しに、趣味の一つが鮎釣であったSさんの釣心にたちまち火がつく。相模川に年間の漁業許可書を持ち、度々鮎釣に竿を落とし、鮎釣の醍醐味に埋没しているようである。
手持ち無沙汰の病床では、家から持参した釣道具から、小さな釣針に糸をからげ、多数の仕掛けを準備し、来るべき日に備える、真剣な釣師の姿が印象的であった。

本陣に住んでいた上・下佐藤家の檀家寺、大昌寺で墓参し、墓域を一回りする頃、既に日は落ち掛けていた。

◇宴たけなわ
街中巡りでは寡黙であったSさんがアルコール注入により、エンジンがかかり、別人のように口の回転が良くなる。
酒好きは互いに共通であるが、奥様の心配を余所にたばこはガンガン吸う。 本陣の案内中でも、庭先で禁煙に禁断症状が出て我慢出来ず、一旦屋敷から離れ、外で喫煙してもらった位のヘビースモカーである。
<何を言われ ようとお構いなし、紫煙の世界に心酔する>

酒のつまみは殆ど手を出さず、目まぐるしく、焼酎のお代わり、合間を縫ってたばこをパカパカと豪放である。
<焼酎のロックが最高とひたすら飲み続ける>

年相応にやはり話題の中心は健康であるが、本人曰く、胃はがんで既に数年前に切って、さっぱりしている。
腎・尿路系は尿酸値が、制限値越え、プリン体系のビール、ワインは痛風発作が起き、痛い目にあっている。ならばと焼酎なら安心と、切り換え、欠かさず晩酌している。

目の前のご馳走を前に余り食べづ、結局、拝と奥様と箸を突つくが、いっさいお構いなく、平然としている。朝、昼は自然と腹も減るので、きちんと食べているので、過食による肥満の心配はないが・・・。三食、バランス良い栄耀補給は居に介せず。
高いところから落ちて、入院の大怪我も体験している。
目を含め、人様のあらゆる病気、怪我は体験しているので、不死身の体、少々のものは怖くはない。
此処まで長生き出来たのは幸せと、好きなことが出来れば良しと、達観していた。

昨今の健康志向であれも駄目、これも駄目、やや過敏過ぎるぐらいの節制ばやりの中、世の中の流れに敢えて逆らい生きている男気を感じてしまった。

ようこそ松崎家の世界へ

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