春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

「ブドウ様」に向拝

2018-06-12 20:19:00 | 晴耕雨読

遥か南方の台風からの熱気を呼び込み蒸し暑い。
列島の南岸沿いの前線が刺激され昨夜来の激しい降雨
週末から週明けは荒れ模様と予想

ブドウの葉がぐんぐんと成長する中で、葉っぱは雨の洗礼を
受け雨粒が溜まっている。雨粒が光輝く姿に、はや梅雨最
前線かと、季節の象徴的姿を伝えている
大きく広がる葉っぱは今の所、虫の襲撃を受けず、かび等の
病にかからず順調に育っている。
放置しておくと、ぐんぐん天に向かって枝が延びていく。
更に場所を厭わず成長するので、葉っぱが重なりあい、密集
化している。
棚に沿って水平に、かつ葉っぱの重なりを回避し、誘引させる。



未だ成長過程にある枝に、むきになって、折り曲げ、あっと
言う間も無く「ポキン」と言う鈍い音を伴って、何本かは
絶命させてしまった。
こうした殺生を伴いながら、「葉っぱは上に、付いた実は
均一に棚下へ」と矯正はほぼ終わった。
そんなブドウ様の生育振りが容易に目に映る。
棚下にぶらさがるブドウの成長が日に日に確かめられ、今の
時期が一番楽しい。
たわわになった房の重みは手探りで直に確かめられる。


群雄割拠の成長にかける房は枝に伝わる栄養分によって、
粒が揃って大きく選び抜かれたエリートと、
粒もまばらで成長不十分な落ちこぼれ組と、鮮烈な競争が
かいま見える。
今年は未だ葉が出る前に、喰い荒された枝部分を掘り起こし、
ペースト状の薬を塗った。
果たしてその効果か良く判らないが、感覚的に昨年よりも、
育ちが良い感じがする。
雨粒はかびを呼ぶのか、近場の農園では一斉に雨傘がかけられた。
しかし我が家では其処までやる気はない。せいぜい袋掛
ぐらいであるが、何れやらなければならない。
袋を被せベールの中にお隠れなるまではその姿を確かめられるのは
今のうちだけである。
朝に夕に成長ぶりを確かめ棚下でブドウ様に向拝。
家族から棚下で、生活したらとも言われている

土木作業、妖怪との出会い

2018-06-07 16:37:00 | 多摩の四季

季節を告げるように、梅雨時に次々と花開くが、朝に開花し、夕方には落花する短命な一日花である。
開花した花に後発のツボミが控え、それぞれ順番待ちで開花してゆくので、複数のツボミが順次開くことによって細々と1輪、2輪で花開き、開花の繋ぎ役を果たしている。

何処からも無く「カナブン」がやってきた。1匹、2匹窓越しの明かりに吊られ「ブンブン」と激しい音を立て騒がし存在であった。、
その「カナブン」は夏つばきの葉が好餌で、貪欲な食欲にどんどん食い荒らし、夏つばきの葉っぱが無残にも食いちぎられる。限定的であった被害が、ドンドン広がり、樹木全体に及んでしまった。
にっくき「カナブン」テロに何とかならないかと思案の挙げ句、ふと目にとまり、登場したのが世紀の味方、「オルトランC]であった。
缶入りのスプレー方式で、ワンプッシュで一網打尽これは確かに扱いは簡単だ!!
夏椿が最も咲く時期に、「かなぶん」テロは最盛期であった頃合い見計らって、噴霧作戦を敢行する。
葉っぱの表裏、徹底した噴霧作戦は敵の殲滅に怨恨も込められていた。
翌日、木の下に累々と「かなぶん」の死体が多数、散乱し噴霧作戦は敵の殲滅に繋がり、 大成功であった。

しかし、テロ撲滅作戦が終了し、やれやれと思ったが、年を越えて、春を迎え、初夏になり夏椿の異変に気がついた。夏椿が完全に休眠、否仮死してしまったのである。
敏感で、一見、ひ弱な、夏椿までが、「オルトランC]の強い薬液に虫退治は元より、植物の生態系である、幹まで やられてしまったのである。
太い幹に、ぶちゅっと穴を開け、「一発、入魂」メネデールと言われる樹幹注入に、樹木活性化に望を駆けた。しかし、そんな願いも全く適わず、樹木に変化は現れず再び息を吹き返すことはなかった。
既にモニュメント化してしまった樹木をこ のまま何時までも、晒すわけにも行かず、重い決断に撤去にかかることにした。
短命の花だからこそ、華やいだ一瞬の出会いが、断ち切られ、後ろ髪引かれる想いであった。

◇伐採作業
愈、伐採作業にかかる。等身大の高さに鋸を入れる。徐々に頂部の重さに傾ぎ、手を差し伸べる間もなく、一瞬にして「ズシン」と道路側に倒れる。
綱でもかけ、安全に誘導すべきであったが、予想以上の重さに、為す術もなく、ただただ成り行きに任せてしまった。 幸いに実害はなかったが、正に倒木の終末を告げる歴史的な瞬間であった。
1本の切り落としに、腰痛を伴う体力消耗の気合と根性の戦いで幹の部分は直径10㎝余、長さ 50㎝程に分断し、搬出可能な形態に加工する。

◇根株の掘り起こしの挑戦
大工さんから穴堀りの土木屋に変わる。
簡単に考えていた穴の深さが膝を没する位に大きくなり、先の進まぬ地球の穴堀りに、気持ちも萎えてくる。
大量な堆積量になり、排出される土の量も半端では無く、 置き場所に困る位に多くなってきた。
堀割の過程で、スコップの先に固いものが当たり、何か異物を感じる。被った土を払うと、巨大な木の根っこが外周部覆い、頑迷に根を張っていることが判ってくる
張りめぐらされた根っこの全貌を明らかにすると、鋸による切断が必要になる。鋸が使える空間を作るため、更に掘り起こしは必要のため、益々大がかりにな ってくる。
掘っても掘っても進まぬ空間に、屈み込んだ不自然な姿勢は腰は完全に悲鳴をあげ限界を感じる


◇口開いた不気味な妖怪の姿
重い根株をごっそり穴の中から引き揚げ地表へ引き揚げ、難渋作業も節目を迎えほっとする。 初めて地上に現れた その姿は、恐ろしい妖怪であった。

根株の底の部分はご覧の通り、口を大きく開き、鋭い眼光で睨め付ける、奇々怪々の異様な姿が、浮かびあがる。
夏つばき様の薬害犠牲に始末されていく己に、このような形相で、睨みつけ、怨恨を晴らしてやると言わんばかりで あった。

この形相を生み出すそれぞれの穴は虫類の格好の餌場で浸食されていた。空洞の土を書き出すと、芋虫のような不気味な幼虫が、数匹排出された。居心地の良い暗い住み処から、いきなり明るい世界に放り出され、戸惑っていた。
貪欲な虫の前に内部の浸食は激しく、薄い皮一枚で囲い部屋が仕切られていた。

戦いの跡を物語る深い穴は根っこを一掃して、ご覧のような姿の空洞に変わる。周辺に排出された土を埋め戻し にかかり、土まみれの土木作業は終わった。

穴は完全に埋め戻され、平坦な土地になった。かって此処で四季を彩った夏つばきも痕跡残さず一掃され元の自然の土に帰った。重い重量物の掘り起こし、地表への引き揚げ、裁断とこれまでの激闘の姿が凝縮される。
一気に作業が出来ず、日にちをかけて根気のいる作業は、何とか終わった。久しぶりの肉体労働も腰痛に限界を究め、 やり終えた達成感より、激痛からの解放であった。

作業の詳細はこちらでも載っています、ご覧ください。
消してしまった「夏つばき」

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