地下鉄の築地駅を降りて、築地市場に向かい、左側に築地本願寺更にその先、数分で交差点に出る。
交差点で手にはそれぞれ袋を提げた人達が信号待ちしている。
脇には市場をコマネズミの様に走り回る円筒形動力部が回転するターレットトラックが控え、築地市場独特の表情を早くも伝えている。
人並みの背後にお店が軒を並べ、右側のアケードに場外市場の看板が見える。
場外に入る。
何処も、人、人の渦で、時には体が、触れ合う程の混雑ぶりである。
玉子焼きで有名な店の前は、場外でも人気の一つである。
店の前ではデーイバック提げたヨーロッパ系の外国人が群れなし、何やら相談している。あの柔らかいふっくらした感触の玉子焼きは国境を越え、今や人気なのであろうか・・・。
道の真ん中には「イカの被りもの」が目立つ、おっさんが、海鮮丼の看板を翳し、一生懸呼び込みを図っている。
縫いぐるみなら、顔を見せないが、開いたイカから渋い、眼鏡顔が覗き、その真顔が面白い眼鏡イカである。
買い物、観光で、ごった返す。外見では識別つかない、東洋系の外国人、西洋人と今や国際的な築地市場である。店先の威勢の良いあんちゃんの声、外国語も飛び交い、人の渦に熱気が伝わってくる。
「お兄さん、この蒲鉾美味いよ」
オープンテラスは、テーブルに小さな椅子が用意。混み合う人込み挟んで、道路側にも簡易テーブルに椅子が、それぞれ準備。青天井の元、雨が降れば、即座に撤収する。
お客と売り子の垣根もなく、此処では気取りも飾りもなく、ダイレクトのやりとりは下町の伝統文化がそのまま、この築地に引き継がれている
「つくごん」で蒲鉾の詰め合わせはお持ち帰り用。つくね、ねぎ串、ベーコンチーズなどくし刺しを頬張りながら、食べ歩きなど、少々の不作法も許される世界なのである。
何れにしても酒のつまみ、荷物にカメラを下げ、片手にくし刺しで、手がふさがり、残念ながら立ち飲みは出来ない。大きなベーコンチーズ巻をを、思い切り頬張り、築地の味を確かめ、腹に収めた。
大きな鍋に煮込んだ汁は親子どんぶりか。当たり立ち込める匂いに、思い切り食欲をそそるが、何となく忙しなく、人並みに追われる用で流石控えた。
店先に貼られた「ガリタ出没注意」のシールは某TV局で食べ歩きで、食べた店の証である。
この得たいの知れない紋所が食べ歩きの案内役に一役買っているのであろうか。
市場周辺に立ち込める魚の匂い、人種を問わず、ごった返す人並み、威勢の良い、売り子の声を背景にたまには無駄歩きも楽しい。