春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

輝く神明台、中央高速

2015-12-31 20:03:00 | 多摩の四季
朝5時代、漆黒の世界に飛び立つことが常態化している。
今年は全国的に暖冬なのか、雪の姿もが見えなかったが、大型の寒気団の襲来で多摩地域も漸く氷点下の世界、寒さに馴れていない体も、冷蔵庫に飛び込む感じで、身を固め突入していく。
慢性、寝不足であるが、脳味噌が固まったまま体感時計が反応し、家を飛び出る。
放射冷却で厳しい寒さの中で、透明性が高く視界は四季の中でも、今が一番である。
漆黒の世界から、時間の経過と共に東側から日が昇るころ、水平線の空の色が赤身を帯びてくる。そのグラデーションが何とも言えない、一日の始まりの風情で、幻想的な世界が、覗けるのも、この時間帯である。
今年もこんな形で終焉を迎え、前回の続編を書いてしまった。
神明の坂を登る過程から、始まる世界
<神明台東側>

車両もなく、道路照明が眩しく輝く。高台に位置するため、西側の世界が俯瞰できる。
手つかずであったJR豊田駅の南側の開発が進められ、一気に高層建物の建設ラッシュでその風情が街並みを大きく変えた。
坂下の延長上に高層住宅を含め、灯が見える。
眼を左側(東)に転じると、多摩丘陵がやや日が昇る頃、水平線の彼方、空の色が薄赤くなり、丘陵の稜線がくっきりと浮かび上がってくる。
丘陵の傾斜地には張り付いた住宅から灯される光が、点在している姿が見える。
とりわけ台形で灯される集合住宅が一際目立つ。


<神明台 西側>

先程の坂とは正反対に位置する神明の高台の一番東側の縁に当たる場所に変わる。
この延長上が都心に位置する、東側の世界が開け、見える絶景の場所である。
手元の漆黒の世界から、写真の左隅の白い高層建物はセイコーエプソンの工場が僅かに識別出来る。
それ以外は、点在する色とりどりの光が重なりあって、視界一杯にパノラマが広がある。
水平線の彼方、空の色が薄赤くなっている部分はこれから太陽が登る前兆を予言している。

<新町高台ー1>

神明の高台から東西を走る中央高速を跨いで北側の新町の高台に出る。
写真の右側が高速道を走る車の走行の軌跡が中央高速で眩いばかりの光の束が重なる。

<新町高台ー2>

左側にアングルを変えて見る。
手元の漆黒の世界は新町の高台の縁にある。
先程の神明より、見通しが開け、東側の眼下の市街地が開け、都心に繋がる。
等間隔に光の列が帯状に並んでいるのが、日野橋の欄干にある照明である 。
その右手にライトアップされたような高層建物群が際立って見える。
その先、水平線の彼方の空の色が朱色に輝いている。

<夜が明けた高速道>

先程を見た中央高速の反対側である北側から撮る。
時間の経過から、既に薄明るくなり、視界に映る姿が普段と変わらぬ姿に変わっている。 照明が
未だ灯され、夜明けに間もない世界が映される。
この間、短時間にして劇的に変化し、正に一日の始まりが体感できる。<img

勾留解放の、旅立ち

2015-12-22 20:26:00 | 家族の絆
夕闇を迫るころ、柔らかい日差しが建物の側面を照らしている
遮る構造物がないため、5階の病院の一番縁から、東京の西の外れ多摩の世界が大パノラマとなって俯瞰できる。
退屈な病院生活に時間の追われることなく、この開けた眺望を楽しめることが、出来る唯一の空間である。

今日を最後に、ガラス張りの隔離拘留されたこの高所から、眼下の地上に降り、娑婆の世界に出られる。

◇閉じられた空間
今、立っている病院の5階、6階は両階併せ、大凡400人が収容されている。
外来含め入院する患者の治癒に手腕を委ねる専門医と患者を24h看護する看護婦、それに関連するスタッフの、大集団が患者の治癒に関わっている。
入院した400人分の患者の3食の食事を、徹底したカロリーコントロールの元、建屋内の食堂工場で料理し、配膳するスタッフで入院生活を支えている。
長期に闘病する患者も居れば、病状に一応の目鼻がつけば、さっさと送り出されるが、救急や順番待ちの患者に直ぐ埋まってしまう。
収容される、患者の病状から、重度もあれば退院を控える軽度の方も居られるが、その殆どがベットの世界に張り付き、カーテンは閉じられ、閉鎖的空気に覆われている
時々訪れる看護婦と治癒に関わる対話が唯一の寂しい世界である。それ以外は閉じられた空間に治癒に専念し、ひたすら退院を待ち続け、我慢我慢と息の詰まる毎日である。

◇旅立ち
やっとこの日が迎えられた
退院と言っても特に迎えを頼んだ訳ではないが、拝にとっては大きなハードルを越える、大事な節目、こんな時だからこそ、せめて禊ぎと思いついた。
救急の出戻り入院後は全く、出来なかった入浴で、総てリセットしたかった。
朝、9時から、何とも贅沢な一番風呂である。

予約制であるが、元よりこんな時間に誰も利用者はいない。
浴槽に湯を張り、頃合いを見図りドボンと飛び込み、湯に浸かり、『悠々閑々』と思考の世界に入る。
無我の境地に浸り、此処で起きた、身に降りかかった事件、体験が走馬灯のように駆けめぐる。
悪病神も最早これまでと、汚れきった垢と共に綺麗さっぱりと洗い流し、身も心も清新な気分になる。
部屋に戻り、余り進まなかった書籍や身の回りの品々を漸やっと詰め込み、バックは来院時と同様パンパンに膨れ上がっている。

再び戻ることも無いので、旧病室に行き、隣席のベットの患者に挨拶する。当人は近々、退院と豪語していたが、カテーテルで管状の医療器具が巻き付き、病状はそれ所ではなかった。
交わす言葉も少なく、洋々と引き上げる姿は、返ってまずかったかなと、複雑な思いで、退室する。
重いバックを下げ、ナースセンター前を通過するも、パソコンに向き合い、素知らぬ顔の冷めたナースに何の感情も湧かず脱兎の如く、階下に降りる。


重い荷物に、タクシーと思ったが、長い行列。此処に居るより、早く出たい、落ち葉散り、紅葉真っ盛りの華やかな花道の中央公園に入り病院を後にする。
娑婆の空気を思い切り吸い、土の大地を確かめながら、先ずは解放感の喜びを甘受する。一歩一歩重い荷物を喘ぎながら、担ぎ、我が家に帰る。

◇日頃の行状から再拘留

これで、普通なら、退院までで終わって居るはずが、日頃の行いが悪く、娑婆に出所後、2日目に連れ戻され、1週間の再拘留の世界を強いられた。
二度目の入院生活は出血もあって、点滴を射し込まれ、一切の食事を絶たれる、約1週間の獄門刑に処せられ、更に厳しい仕打ちにあった。
この度の入院生活は労せず痩せてしまった。
やはり、専門家が管理する入院中の継続的な治療食が、決めてになった。
最初の術後は3分かゆから始まって、5分、7分と、段階を踏んで正飯へ切り換えて行く。併せて貧相なおかずは一汁一菜で大根や白菜類の超薄味の煮物のオンパレードで約1週間の我慢比べ大会であった。
退院の日が決まり修行僧のような断食の世界が解かれ、空になった胃袋の貫通式が行われ最初の米粒が喉を通る、感触が忘れられない。

こうした積み重ねで、74㎏あった体重が69.5㎏に一気に降下する。

◇ひからびた、鱈のように、精気を失う
当然の報いか、ゆさゆさ揺れる自慢の福よかな腹廻りを中心に体全体が、急速に萎んでしまう。
腹廻りだけなら未だしも、面構えも、干からびた、鱈のように、精気を失い、頬をがこけ、まさにしわだらけの爺に、亡き横山のやっさん風になる。、
急速な減量化は吹けば飛ぶような体に、筋肉の低下もあって、どっしりした支え棒が失ったような不安定な歩みであった。歩くのにどうしても楽な姿勢を取ろうと、自然に前かかがみの姿勢になってしまうようである。
一方では今まで、はち切れそうなズボンが、漸くチャックが閉まるようようになった。
スーツの新調は着る機会も殆どないが、止むを得ず購入する折、ウエストのサイズは留まること知らずに、相撲取りのような肥大化は留まることはなかった。

◇娑婆の世界に心酔
今度こそ本物
娑婆に出所後、用事があって外食をする
既に此処は何もとがめぬ解放区で、何が食べたいか、頭の中を駆けめぐる。
ん~ん、何がと言って、熟考の上、熟成された「秘伝のタレ」の『げんこつらあめん』が小生を待っている。

忘れかけた粗食の世界から、一気に脂ぎって、ギトギトの高たんぱく脂肪の世界は恐ろしくもあり、リバウンドの世界に胃が驚くであろう。
けれど、本能に赴くままで胃袋が、きちんとコントロールされた節食をもう許さない。
誘惑の前に弱さが、絞り込んだ体型が一気に崩れてしまうのか、お構いなしに、本能のまま、らあめんに一気に食らいつく。
「うわあ~うめ~」


病院でのつぶやき

2015-12-13 15:04:00 | 家族の絆
拘留された窮屈な雑居房内では、ベットの四囲は壁とカーテンで遮蔽される。
窓際であれば容易に外界の世界に触れられ、息抜き出来れるが、一つ奥にベットがあるとそれも望めない。
体の臓器がカテーテルで結ばれ、人工的に排出、注入など、何とか機能維持している患者や重症患者がベットに拘束されているのも止むを得ないであろう。
しかし、手術も終わり、安静期間も過ぎ、歩行も出来、健常者と余り変わらないにも関わらず、ベットの空間だけの拘禁は我慢出来ず実に辛い。

3カ月の間で2箇所の病院の梯子をやってしまった。おまけに呪いもかかった出戻りもあり、余り有り難くない、暖簾潜りの病院梯子であった。

同じ入院でも、片や眼科系、片や内科系で、これほどの文化の違いに戸惑いを感じる。
唯一の娯楽室であるミーテイングルームでは、眼系は歓談しながらの食事や息抜きの雑談場所でもあった。手術の恐怖体験、処置後の経過など患者同士の励まし合いや貴重な情報交換場所でもあった。
しかし、病院にもよるが、此処内科系ではミーテイングルームで食事するのは何時も己一人の孤立の世界であった。時折、群れなす姿は患者と見舞い者の歓談で、それを割ってまで、入ることもなかった。それを承知で、カーテンの隙間から敢えて、声をかけようと、すると、ぴしゃりと閉められてしまうこともあって、完全な閉鎖社会であった。

そんな息が詰まるような空間で、現実離れした夜間は9時の消灯、書物に眼を通すことも、出来ず、悶々と暗闇の世界は正に独居房の空間である。
それでも、娑婆に出たときの、スムースなランデイングの為、すっかり落ちた足の筋肉を鍛えようと人の余り、通らない1Fから6Fまでの階段を昇り降りして、ゼーゼー言いながら敢えてムチを入れた。
時々、職員とすれ違うが、不審者と怪しまれず、見過ごしてくれた。

一時の放免の時に、とりわけ心配頂いた地元の名士、資料館館長にご挨拶に伺った。その折に、過去に入院した折、やはり同じことをやったようであった。その折に、ベットからの行方不明で、時ならぬ院内放送で呼び出されたなんて、珍事に、大笑いした。

市内には高層マンションなどあるが、気軽に上がれる高層階はすくない普段見慣れた世界が、平地からだけでの限定版である。
完全に外界から遮断され刺激のない世界から、5F,6Fからの見通しの効いた、風情を病院の東西の縁から俯瞰することが、唯一の息抜きである。
<東側の縁>
直下は市民グランドである。二中の女子のソフトボールの練習。おじさん、おばさん達のパターゴルフなど、何時も賑わいを見せていたが、ポッカリと空いていた。



<西側の縁>

直下は激しく行き交う車両の日野バイパス。その路沿いの植え込みと建屋がコニカの広大な敷地である。
右手にスクット建ち、赤白のまんだら模様は八王子工業団地のエレベータ試験タワーで、一人目立っている。



直下の家並みが隙間無く続くが、八王子市街まで繋がっている。
そろそろ夕闇が迫るころ、遥か彼方に雪を被る富士山。その裾野を何時も邪魔にかかる大室山。その左手稜線沿いに黒く、繋がるのが丹沢の山系である。

時の経つのも忘れ、ぼーっと眺め、こんな下界との繋がりに、拘留された唯一の息抜き、である。
畜生何時までこんな所に居るのか」気ぜわしい娑婆の世界が、いとおしい。



姫からのメッセージ

2015-12-08 11:05:00 | 家族の絆

お見舞いに来るとは言ってはいたが、その姿を待ち受けた。
5階の病棟のデイルームから
駐車場に目を凝らし、今か今かと車の姿を追っていたが
中々、その姿を捉えることが出来なかった。
そんな中、『じいじ』と目の前に、幻の アカリ姫が
現れ、びっくりした。
どうやら、車は地下に駐車したようで、上からその姿を
見ることが出来なかった。
テーブルに座り、やおら、取り出した、色紙を貰った。

さーて、なんだろうと、
徐に色紙を開くと
『手術の成功を、おめでとう、がんばってね』
のメッセージが、アカリ姫とじいじ絵姿入りで書いてあった。


わあ~感激とその志に、何とも言えない、気持ちに心揺する。
なんと優しい子と、感心させられる。


そんなメッセージに後押しされ、8日間の悪夢から立ち去れると
それこそ、スキップしたくなる気分で病院を後にする。
季節の変化が急速に駆けめぐり、道に植えられた銀杏並木が
黄金色に輝いている。
この銀杏並木の花道に、ああ~1週間振りの娑婆の空気に
心酔する。
長期拘留で歪んだ心も、一気に弾け解放された喜びの
有り難みを味わう。
そんな解放感に浸り、徐々に普段の生活に戻そうと、2日後
の夜予想もしなかった下血が第2楽章の始まりであった。
夜間、着の身着のままで、救急に駆け込み、深夜の
緊急検査、そのまま再び拘留され、暗黒の世界へ
あの束の間の喜びは何であったのだろうか

折しも、世界一をかけた宿敵韓国との戦いが蘇る。
8回まで、3:0で手の平に収めた勝利が、するりとすり抜け
9回に誰しも予想しなかった逆転負けで、天国から地獄に
突き落とされた
正に日韓戦を思い起こす、病院帰りであった。

猛烈な匂いを血の混じった黒便は
血がまじり、酸化、発酵し、異臭を発する。
何んだ何だ、この排泄物は?、
術中に生まれた出血からと教えられ1週間は続いた。

それから始まった点滴の1週間の連続打ち、
内視鏡の処置と、再検査でその間、食事も許されず、
厳しい拘留は前回以上の仕打ちであった。
それでも何とか出獄を許された 。今度こそは仮出所
でないことを祈り朝風呂を浴び、汚れきった垢を落とし、
獄中の世界に心身とも決別した。

こんなことを繰り返し、もう年の瀬に
姫のメッセージに賭け、『ふゆやすみ、あおうね』
姫と再開を無事に迎えたい。

ようこそ松崎家の世界へ

http://mzk.on.coocan.jp/