春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

幻のチャコ

2016-04-19 09:43:00 | 家族の絆

毎年、こんな書類が無作為に届けられる
『狂犬病予防注射』とある
当の飼い犬は既に亡くなっているが、はがきが来てもそのまま放置していた。
毎年、ある時期になると内容も確認しないまま、登録された台帳から、
印刷して機械的に送って、いるようである。

判っては居るものの、中々言い出せなかった。
時の経過に中々、言い出しにくいが、放置していたことを
謝意を持って、係に電話して見る。
記載された記録から、何処から抽出したか判らないが、犬の生年月日が
S25/4/1とされている。
これからすると既に66才になっている。
犬の寿命は精々10数年と言われているから、もし生きているとなると
ギネスブックに乗るような高齢である。
医学の向上で人間の寿命は伸びているが、犬まで、こんな長生きは
とても考えられない。

役所のご担当から、初めて眼を通す記録に、思わず『おお~私より、
遥か先輩だ~と』驚いていた。
そんなことで、笑いながら、去年亡くなったことにしましょうと、台帳上
では没年処理された。



そのチャコは何処で誕生したか、まして何時生まれたか判っていないが、
家族の一員として居心地良かったのか、居ついてしまった、雑種である。
闊達な時期は河原の広場で解き放すと、野生に返り、思い切り疾走する
俊敏な姿は狩猟犬のDNAを思い起こすようであった。
その俊敏さも、長く続かず、加齢と共に、徐々に足腰が弱り、散歩も
ままならず、外出は億劫のようであった。
晩年は、老いも目立ち、既に立つことも出来ず、殆ど寝たきり老犬であった。
介護の中、静かに全うしたが、ペーパ上では、未だ健在だなんて、幻の
ようなスーパー犬に、今頃笑っているのでは思えるが・・・。

毎年この時期になると、はがきの案内に気を咎めていたが、一方では
『忘れないでくれ』と言うチャコのメッセージが送られ、その存在を
遥か天国から呼び起こしているようである。
来年からはもうそのレータも来ないであろう。

もう戻れない里山の風情

2016-04-11 14:58:00 | 多摩の四季
<これまでの風情>



市内で残された数少ない里山の風景
崖の傾斜部分に用意された狭い農道は行き交う人が
近接してすれ違う程度の道幅である。
路面は舗装されているが、傾斜があったり、不安定
であるが、直ぐ脇に生いしげる草の中、花道となり
自然の中を歩いている。
途中に道を遮る様な巨木のトンネルを潜ると、緩やかな
勾配で、花道は終わり、一般道に合流する。

<豊かな耕作地>

この道は一段高い位置にあり、下は一面の耕作地である。
稲作、畑の姿にのどかな四季の姿が、道すがら確かめるられる

この道が工事で封鎖された。
1年以上の長き、ものであった。
柵が取り除かれ道路封鎖、進入禁止の看板は車両のみで
人が通れるようになった。
かっての、あるべき姿が変わってしまい、驚きとこの変わり
果てた姿に息を飲んだ。
『ああ~ここも、こんなに、なってしまった』
<変わり果てた姿>
崖側は柵に覆われ、コンクリートの壁と道路の自然から
隔離された世界

東側終端も壁はないが、コンクリートの世界に虚しさも、
無粋なガードレールは車の世界に変わってしまった。

道路の工事車両が一面の大地を掘り返し、徹底的に現風景
を変えてしまった。
花道は切り落とされ、崖の部分は崩落防止の石壁が作られ、
その下に車が通れる道が用意された。
耕作地は区画整理され宅地化された。
コンクリートの壁と道は自然の風情はたちどころに消されてしまった。
どんな事情からか判らないが、維持の難しさの前に、もうあの姿は
帰ることなく無粋な開発の波に、呑み込まれてしまった

ようこそ松崎家の世界へ

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