◇ガソリン争奪戦
ライフラインの一つ、流通ルートが途絶え、ガソリン狂騒曲が市内で狂ったように吹き荒れた。わずかかなガソリンを求め殺到し、ほぼ貯蔵量も底をつき、争奪戦は終わったようである。最後まで残ったスタンド周辺をウオッチしてみた。
北野街道にあるセルフスタンドであるが、片側1車線の街道に給油車で渋滞を巻き起こしてはまずいと、オーナーの配慮か、民家側に車を誘導した。しかし、周辺一帯は完璧に車で埋まってしまい、通行マヒを起こしてしまった。合流地点では車列が渦巻き、枝道まで渋滞の渦が生まれ、大混乱になっている。
◇警官まで出動
この惨状に遂に警官まで出動する大騒ぎであった。次々に殺到する車が、入り組んだ路地に、あちこちから入り込み、限られた貯蔵量の争奪戦が二次障害を起こしていた。
◇駅前では
駅前のガソリンスタンド。駅前の交通要路のため、バス、タクシなど車両も多く、片側2車線であるが、ご覧の通り、給油車が果てし無く続いている。長蛇の列の遥か後方では、自己渋滞か給油待ちか、様子の判らない一般車が、この車列にはまってしまう位に大混乱を起こしている。
因みに、時間待ちを承知で、列の後尾に付いたら、給油に4時間も、待ったとか、気合と根性、それに忍耐で!!正に狂った、狂想曲であった。
レギュラー150円は、どう見ても買い側の足元を見た暴利である。つい2、3日前、拙宅が入れた別のスタンドでは給油制限はあったが、値段までは変えなかった。
それでも一滴のガソリンを求め、金には変えられぬ、大事な買い物なのである。誰も文句を言えず、この狂乱状態に粛々と耐えている。
◇ガソリン「なし」と言う表記
そこも、とうとうこんな看板が立てられた。ガソリン「なし」と言う表記に、判らないことはないが、商いとして、如何にも扱いの軽さを感じてしまう。
先日、知り合いのMさんの奥様の運転で載せてもらった。
「家が多摩丘陵の山の上、きつい登坂は、自転車も使えず、車が足がわりに、年老いてくると余計に、頼りになる」
ガソリン枯渇は正に大事なライフラインを断たれることなのである。
物流異常で生活物資が入らず、深刻になってきた。
◇ガソリン求め仁義なき戦い
恐ろしいことで、こんな姿が日常、当たり前になってしまった。
市内でもメインの物流ルートであるが給油の車が延々と果てし無く続き、道を占有している。限られた僅かなスペースを一般車が通行している。
脇道から、車列に加わろうと仁義無き戦いも、ガソリン欲しさに、感情むき出しで、あちこちで、事件にならないものも、衝突は頻繁に生まれる。
そんな渋滞の渦に、定期バスが運行ダイヤで走れず、軒並み遅延に、なってしまい遂に警察の出動騒ぎにもなってしまった。
こんな大地震に平静を装う日本人の姿に外国から賛辞を寄せられているが、暴徒化されていないだけで、現実はどうしても、我が身大事にきれいごとで済まない、世界である。
◇モノレール万願寺駅付近
全くその姿が見えない、モノレール万願寺駅付近のセルフのGS目指し、物凄い行列である。浅川護岸脇の道が、ぎっちり埋まっている。道幅も狭く普段、殆ど車の通らない道も、こんなありさ
まである。
◇果てしない行列
果てしない行列は何処まで続くやら、「ふれあい橋」を越えて、延々と続く行列は川崎街道方面へ、際限なく長引いている。
セダン、ワンボックなど車にまじり、オートバイもある。中には完全にガス欠し、行列が動く度に、手で押しながら、走り懸命に行列の順番をキープしている。こんなことをしながら2時間はかかりそう、排ガスをまともにくらい、せめて止まって居る間はエンジンは止めて欲しいと、訴えていた。「頑張れ」とせめて声をかけるぐらいで、何することも出来なかった。
その間、ようやっとローリ車がやってきた。動かなかった行列が、漸く動きだした。
ガソリンの枯渇は一時のことであろうが、人間の血流と同じで、流れが悪くなると、立ちまち、マヒしてしまう。