若葉燃えるとか新緑燃えるなど色々の植物が一気に芽吹き、寒くなく、暑くもなく、外歩きに最高の季節である
東西に長い東京の西側に位置し、背後は秩父多摩の山が控える五日市に行ってみる。
車窓から見える景色も流石五日市までくると、もうこれらの山々が手に届く様なそんな位置にあり、電車から吐き出されれる客に都心から山登りと直ぐ判る、じじばばの群れが多数見受けられる。
時代の象徴なのか、この山歩きは他に刺激的な楽しみが沢山あるのか、若い人が殆ど余り見受けられず、健康維持に取り組むじじばば世代に殆ど席巻されているのが、現実の姿である。
その群れ集から離れ、五日市駅からビュンビュン飛ばす車に僅かな人道におびえながら秋川街道を青梅側に向かって歩く。
2、30分程で緩い勾配を登りきると目的の大久野村に辿り着く。
車で喧騒な秋川街道から脇道に入ると、殆ど車の往来もなく、そこには時計が止まってしまったようなのんびりした空間が待ち構えている。
東京の西の外れ、此処まで来ると開けた耕作地が殆ど、土の匂いが直に伝わる様なそんな場所にある。
しばらく行くと耕作地の脇に面白い植物を見つけた。
日の出町指定天然記念物「ヒメザゼンソウ」と言うもので看板に詳しく紹介されていた。
花の形が僧侶の座禅をしている姿に似ていることから名付けられている。
六月頃に咲くそうであるが、果実を頭巾で包むような形が、珍しく面白い。
その兆候を表す頭巾の姿が道端に目に留まり、写真に納めてみた。
北海道、日本海側に分布し、太平洋側で少なく、関東地方南部では僅かしか見られない貴重なものである。
人里離れた道すがら、道端に居並ぶ御住職に身を守られながら、のんびりと歩きを楽しむ事が出来る空間である。
五日市の自然の素晴らしさを甘受できた。