伊豆半島を周回し沼津icから東名を利用して帰ってくる。
1ッ月経たないうちに、似たような道のりを静岡から新幹線で帰ってきた。
同じ高速の輸送手段であるが、前者は自らハンドルを握り安全を心がけ、緊張で張りつめながらも運転を楽しむ世界と後者は高速車両に身を委ね、貴方任せで運んで貰う世界を体感した。
普段買い物カーに成り下がってしまった愛車でのドライブ。
常速100㎞から、時には追い越しに120㎞の世界は慣れるまで結構神経を使う。ハンドルのぶれはふらつきや路線の偏りに繋がり姿勢正しく、緊張感を持って、高速道路上を適正位置にキープさせることを心がける。
時にはミラーを見て、背後から「おんどりゃ、どけどけ」と言わんばかりに迫ってくるマナーの悪い車が来たら、構えず、争わず先を譲るだけの気持ちのゆとりを持って走る。
前方をしっかり見つめ、肩の力を抜き、ハンドルを握りしめ、足から伝わるアクセル、ブレーキの感覚にスピードを滑らかに制御する。五官を使い、時には車の振動から異常も判断する。
などなど運転教則にあるような、車の流れに乗って、連続して走り続ける緊張感は、走り終わるとどっと疲れを呼ぶ。
一方では列車旅を振り返る。見学の目的を果たし、一段落し、フリーなこだまで、帰路につくだけである。キヨスクで買い込んだ缶ビールと蒲鉾のつまみを抱え込み車窓に並べ、2列席を独り占めした特別席でリッチな気分で列車旅を飾る。車窓越しに移り変わる景色をぼんやり眺めながらのささやかな一人宴会を始める。
車運転では禁手となった酒酔いも、列車旅は何も咎められず、心地よい酔いが体全体を包み、幸せな気分で旅の世界を演出してくれる。缶ビールに飽き足らず、缶チューハイにもエスカレート、窓越しの走馬灯のように移り変わる山間の姿はコンクリートに埋めつくされたビル群に変わり、1.5時間で終着へ。
車運転ではdoor to door、目的地から自宅まで、重たい荷物を乗せ座ったまま辿り着けるが、列車旅は1時間以上ローカル線に乗り換えがある。のんびりした旅気分から、人ごみにまみえ、せせこましい世界に目が覚める。
それぞれ、一長一短があるが、ダイナミックな車運転よりも安全な列車旅が、自然と受け入れるような感じがするが、それもこれも年取ったせいなのであろうか・・・。
いやいや、それ以上に、飲んべえ癖が旅の共に付いて廻っているからである。