春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

「北の国から」30周年記念特番

2011-08-14 17:34:00 | 北海道旅行
<五郎の家の動力用風車>

『「北の国から」30周年記念特番‘87初恋』が放送され、思わず見てしまった。
最大で視聴率38%も越え「国民的ドラマ」とまで言われ、茶の間を賑わしたお化け番組が始まって、もう既に30年もたってしまったのかと、年月の歳月は早い。
その舞台となった麓郷は富良野から道は覆いかぶさるような樹木に覆われ、「北の国から」の里に深く入った場所にある。
そのロケ地の麓郷を行ったのが数年前、懐かしくも、その姿を思い出しながらドラマを一生懸命見てしまった。
そのフィールドとなった、土地と家屋とそして生活用品が、此処で根を下ろし現実に暮らした生活臭がする位のリアルな形で残され、物語に使われた数々の品々と触れ合う事が出来る。


<五郎の石積みの家>

黒板五郎(田中邦衛)は都会で生まれ育った純と蛍を連れ、五郎の生まれ故郷のここ麓郷に帰って、人里離れた、厳しい自然の中でどう生き、子供たちが育っていくかを、描いた物語。
文明から離れた広漠とした世界に、四季の変化。神秘的な一面の雪の世界に、きたきつねや野生動物の姿が、自然の中にある幻想的な麓郷の世界を際立たせる。
都会には全くない世界に「‘87初恋」は純(吉岡秀隆),蛍(中嶋朋子),れい(横山めぐみ),が少年、少女時代の初々しい姿、そのままで胸キュン物語が演じられる。

<黒板五郎(田中邦衛)と純(吉岡秀隆)>

田中邦衛,地井武男も丁度油の乗りきった世代の役者がこの麓郷の世界に実に生き生きとして目に映る。

もとより、成長過程の役者は幼さの中から大人に成長し、一方では成人も年相応に老いて行く、など残された写真が時の経過を物語っている。
このドラマがフアンに長く支えられ、21年も続けられたお化け番組である。
こんな素朴さを背景としたドラマを社会が受け入れたのである。世の中の早いテンポと目先の視聴率に追われこうした大作が生まれる土壌が失われてしまったのであろうか・・・。
何か久しぶりに夢中になって、倉本作品の凄さに魅せられてしまった。

積丹の最西端に行く

2011-08-12 10:22:00 | 北海道旅行

列島を襲う猛暑。日中も体温を越え40℃近く、夜間も28、9℃と熱帯の世界に、我慢の限界を越え気が狂いそう。
そんな折りに、せめて写真だけでも冷気を呼び起こせと、道央の再西端に位置する積丹半島を捉えてみた。小樽から美国港、海岸線をひたすら西下、とうとう此処まで来てしまった。
両側は絶壁、荒々しい岩礁の海岸線に打ちつける白波、尾根上に出来た小道に容赦なく吹きつける風。先頭に見えるのが灯台で神威岬である。片道20分の道のりである。
風光明媚な場所であるが、古くは西蝦夷三険岬の一つとして、険しい尾根道に、一歩間違えれば海に落ちる危険な場所が何カ所もある。
この尾根道を「チャレンカの小道」と言う。
チャレンカとは神威岩の伝説である。奥州からひそかに逃れた源義経は、日高の首長のもとに身を寄せた。首長の娘チャレンカは義経を強く慕うようになったが、義経は北へ向かって旅立ってしまう。チャレンカは悲しみにくれる。チャレンカは、「和人の船、婦女を乗せてここを過ぐればすなわち覆沈せん」という恨みの言葉を残して海に身を投げてしまい、神威岩になったと言い伝えられている。以来、女性を乗せた船がこの沖を過ぎようとすると必ず転覆したため、神威岩はかつて女人禁制の地となったと言われている。

チャレンカの小道の入り口に女人禁制の門が立っている。アップダウンの激しい小道に最先端にたどり着く。険しい岩肌に四つんばいになって上り、降りするスリリングな場所もある。先端の広場にはたどり着いた観光客の群れが、海に迫り出した眺めに感動の声が、あちこちから上がる。女人禁制は昔話、群れの大変は若きも老いも女性ばかりであった。

神威岩始め周囲の島は打ち寄せる波は白波とシャコタンブルーと言われる色の青さに感動する。
日本海に迫り出す岬に、思い切り風が吹きまくり、帽子も飛ばされそうに。元より暑さ知らずの神威岬であった。
岩波に打ち寄せる波の色に涼気が、伝わってくる感じがする。

縁のないお札であるが

2011-08-07 09:46:00 | 北海道旅行

かっての隆盛を誇った小樽は競うように立派なビルを建てたが、1次・2次大戦による国交や国政の変化に衰退の影を落とす。その代表の一つが今は閉鎖された日本銀行の小樽支店であった。東京駅の設計者辰野金吾らが設計し、ルネサンス様式が取り入れられ、イギリス製のらせん階段が取りつけるなど、贅の限りを尽くした建物と言われている。
正面玄関の2階のバルコニーから国旗がはためき、手招きしているようであり、恐る恐る門を潜った。
入った先は柱が全く無く、2階迄、吹き抜けの大ホール、見上げれば外周部には木枠で組まれたテラスと壁には装飾具が飾られ、ヨーロッパの神殿を思わす造りに驚く。営業窓口のカウンターがそのまま残されているが、それが何と大理石が使われている。

<お札の話し>
館内は圧倒的に札に関わることばかりであったが、普段小銭にしか持てない身分にお札は遠い世界であるが、こんな話が面白かった。

お札は誤って破断したり、或いは燃えてしまっても、その残骸があれば換金してくれる。
面積で2/3以上の場合は全額、2/5以上で半額戻ってくる。当然、専門家の鑑定が当然有る様だか、諦めずに救済されるのであろう。


これはアイヌの守り神シマフクロウをモチーフにした飾りものである。
大事なお札を守る役割として館内・館外に石膏で造られ装飾品として多数飾られている。
しかし、同じシマフクロウでもこれは素材として回収された古札を粉砕し固められ、成形されたものである。一生懸命、近寄ってその姿を凝視しても細かい粒子に、札の姿は微塵にも感じられない飾り物になっている。
果たして使われた貨幣は「ン千万」か「ん億」か、どの位であろうか?
こんなシマフクロウを枕に、せめて巨万の富の夢物語でも見たいものである。

ようこそ松崎家の世界へ

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