575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

静寂の湖   鳥野

2010年09月14日 | Weblog
宗匠が静寂の湖を詠まれた一首を拝見し、ワタクシめは、湖北の「余呉湖」を想い出しました。

 近江は”土までも優しや”といわれる人情の里。琵琶湖東岸の北部はまた、観音の宝庫でもあります。
そのうちの一寺、渡岸寺の十一面さまは、なんという美しさ。おおらかさ。
夫ともども、その慈悲に惹かれ、なんどもお会いに行ったものです。

そして、今ひとつの魅力が余呉湖。大湖の琵琶湖の北東、賤ヶ岳で隔てられ、
まるで忘れ物めいた、小ささです。

別名を鏡湖というほどに静かで、波立つことなく、鳥の影さえ見当たりません。

落ち込んだ時、さびしい時、行き詰まった時、湖畔をゆっくりと歩けば、
なにかしら救われる思いがする湖です。

 ・ 風も死に水皺も見えぬ余呉の湖(うみ)わたしの鬱は投げずにおこう

                       鳥野
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