575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

センニンソウ                    草女

2010年09月24日 | Weblog
連れ合いが体調を崩していまい、野外に出歩くことができない日々が続いた。そんな私を慰めるかのように柿の木いっぱいにセンニンソウが咲いた。キンポウゲ科センニンソソウ属のつる性の半低木というと堅苦しいが園芸種のクレマチスと同じ仲間。花は直径2~3㎝上向きに無数と言っていいほど咲く。花弁に見える4個の萼片の中に長い雄しべが美しい。花が終わると雌しべがのび、白くて長い毛が密生する。この様子を仙人の髭にたとえて仙人草という名が付いたという。

 我が家のセンニンソウは海上の森から種を持ってきて芽生えたものであるが、ここまでの道のりは長かった。7年前の秋から海上の森を歩き始めたため、センニンソウとの初対面は長い毛のある種であった。花を見たことはなかったが、家でも咲かせたいと思いこっそり種を採りティシュに包んでポケットに入れておいたのに、洗濯をするときすっかり忘れ、そのまま洗濯機の中。以来秋になると、種を持ち帰り播くが発芽しない。熟しているかどうかもわからないし、播き方も分からない。いつか芽生えるだろうと毎年根気よく続けた結果、昨年から咲き始めた。ただ何時巻いたかのもか、分からないのだ。

 センニンソウを庭で栽培するのは、問題がある。茎や葉に皮膚にかぶれを起こす有毒物質を含む。ネットには、この葉をもんで手首の内側に絆創膏で貼り、水ぶくれを作ることによって扁桃腺炎が治るという記事が数多く出ていた。毒と薬は紙一重だということは承知しているが、これには驚いた。しかもそれが扁桃腺炎に効く理由は分かってていないというのに、テレビで紹介されて広く知れ渡ったという。確かにセンニンソウの根は漢方では威霊仙(いれいせん)と呼び、利尿、鎮痛等に用いるそうだけれ
ど、私ならやらない。もっとも私の扁桃腺は体力の限界をかなり超えた時に炎症を起こすくらいだから深刻ではないので、とやかく言うべきでないかもしれない。

 
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指紋まだなき白桃を雲に置く  工藤博司

2010年09月24日 | Weblog
先日の赤旗・文化欄で見つけた句。

桃という言葉は様々なイメージを引き寄せる。
それは読む人と桃とのかかわり方でもある。

指紋という言葉は、どちらかと言えばマイナスのイメージが強い。
桃には、収穫から食卓まで、一体、いくつの指紋が残されるのであろう。
そのたびに桃は汚されていくのだろうか。

作者は、指紋のついていない無垢な桃を詠んでいる。
雲に置く、という表現に、天上にあこがれる気持ちを
読み取るのは読者としての楽しみでもある。

作者には、他に、こんな句がある。

 ふるさとの石を噛んでる塩とんぼ

 「ドイツイデオロギー」読み切って夏終る

             (遅足)
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秋の雨何故か鬼平犯科帳    朱露

2010年09月24日 | Weblog
  

      池波正太郎は十一年上の大先輩だ。
      戦前戦後の東京を存分に生きた人。
      私は人の顔色を見ながら生きる人。
      それも一つの生き方ではあるけど。

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