575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

美術館に蝶をことりと置いてくる   柿本多映

2011年09月11日 | Weblog
秀句三五〇選「画」のなかの一句です。

不思議な、しかし魅力的な句です。
なにか、そそられるものがあります。

解説では、春の野で見た蝶のイメージが、美術館までもついてくる。
その蝶の残像を美術館に置いてきたのだ、と読まれています。

この句のポイントは「ことりと」という
表現にあるのではないでしょうか。
生きている蝶は飛び回り軽やかです。
しかし、死んでしまった蝶はどうでしょうか?
それでも、ことりとは置けない気がします。

この蝶は、あくまでもイメージとしての蝶。
それが実体として存在するならば、
美術館にあるのがもっともふさわしいのではないか。

イメージの化石としての蝶なら「ことりと」置くことが
出来そうです。

この蝶は秋の蝶のような気がします。   遅足



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秋の夢娘のような母叱る   朱露

2011年09月11日 | Weblog
   五十八才で死んでいるので娘でいい。
   「何故あんな男と一緒になったんだ」
   と怒鳴り飛ばすのでただ泣くだけだ。
   「絶対親孝行はしないぞ」と凄んだ。

              



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