河馬といえば、俳句の世界では坪内稔典さん。
稔典さんと言えば、この句。
三月の甘納豆のうふふふふ
また、河馬が好きで、日本中の河馬を見てまわり、河馬の本も。
もちろん河馬の句もあります。
桜散るあなたも河馬になりなさい
この句は、こうしたことを踏まえて詠まれたもの。
甘納豆の好きな河馬は、レモンも好きであろう、という意味でしょうか。
河馬のような人、あるいは、河馬そのもの。
私は、本物の河馬が食べる、というナンセンスを楽しむ句として読みました。
坪内さんは、なぜ甘納豆や河馬に入れ込むのでしょうか?
本のあとがきの中で、こう書いています。
気分が沈滞すると言葉も元気を失う。感性とか思考とかも鈍る。
いつのころからか、そのように考えるようになった私は、
意図して自分の気分を刺激し、わくわく感を醸そうとした。
それが、毎朝必ずあんパンを食べるとか、柿を訪ねるとか、
カバに会うという行動になった。
過剰なまでに何かを愛することが私の気分を刺激した。
その愛する何かは、一般的にはあまり高く評価されていないものがよい。
どちらかといえばバカにされたり見過ごされたりしているもの。
そういうものを過剰に、しかも意識的にこだわって愛するとき、
気分がわくわくする。
私と狗子さんに続いて、河馬になってみようかな。 遅足