575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

耳切りしゴッホ自画像春浅し   静荷

2017年02月25日 | Weblog
「春浅し」という季語は、立春をすぎたのに、
まだ春が感じられない頃を指しています。
風も冷たく、寒中のような気温に戻ったり・・・
「早春」よりも主観的な季語です。

ゴッホはゴーギャンとの共同生活を夢見て南フランスへ。
しかし自らの耳を切るという事件で二人は別れることに。
精神の安定を失ったゴッホの絵は変貌して行きます。
ゴッホというと悲劇的なイメージが浮かぶ所以でしょうか。

現在、名古屋でゴッホとゴーギャンの展覧会が
開かれていることもあって、作者は
「春浅し」という季語を持ってきました。

  冬ざるるセザンヌの耳ゴッホの耳  行方克己

悲劇性を強調するならば、この句のような季語でしょうか。

ゴッホ展を見てきました。かなりの人でした。
一番気になったのは、若い頃に描いた「靴」の絵です。
暗い色調の履き古された革靴。
これこそゴッホその人ではないかのしら?と
感じさせるものがありました。     
                      遅足
コメント
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