575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

二千四百四十六の石段を登って始まる秋の峰入り  遅足

2018年09月01日 | Weblog

出羽三山の一つ羽黒山。山形県鶴岡市にある標高400m余りの山。
芭蕉は奥の細道のなかで次のように紹介しています。

六月三日、羽黒山(はぐろさん)に登る。・・・
当山開闢(かいびゃく)能除大師(のうじょだいし)は
いづれの代の人といふことをしらず。
延喜式「羽州(うしゅう)里山(さとやま)の神社」とあり。
書写(しょしゃ)、「黒」の字を「里山」となせるにや。
「羽州(うしゅう)黒山(くろやま)」を中略して
「羽黒山(はぐろさん)」といふにや。・・・
月山(がっさん)・湯殿(ゆどの)を合わせて三山とす。

出羽三山は芭蕉の時代には修験道の道場として栄えました。
羽黒山の麓には360軒もの宿坊が軒を連ねていたそうです。
いまでも30軒ほどのが営業を続けており、
その一軒、奥井坊で精進料理の昼食をいただきました。

元気な人は山門から2446段の石段を登って山頂へ。
三河の鳳来寺山は1425段ですから、倍近い長さです。
山頂の三神合祭殿には、羽黒山、月山、湯殿山の祭神も祀られ、
雪深い冬には、三山の神様が一度に参拝できるそうです。

私は車で頂上へ。
羽黒山は明治の廃仏毀釈にもかかわらずお寺の面影を残しており、
鐘楼や五重塔が健在でした。
なかでも最も古い国宝の羽黒山五重塔は特別に公開され、
心柱などを見ることが出来ました。

羽黒山では、今も生きた修験道のお山で、8月26日から一週間、
秋の峰入りという厳しい修業が今日まで行われることに。
雨の中、大変なことだと思います。

  涼しさやほの三か月の羽黒山  芭蕉

写真は国宝の五重塔です。

コメント
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