6名の参加でちょっと淋しい句会でしたが、晴代さんが中津川の栗きんとんを差し入れてくださり、まさに「栗句会」となりました。智恵さんからもおいしいナッツたっぷりのお菓子を頂きご馳走さまでした。
来月は皆元気に集まれますように。
では一言講評です。
題詠「栗」
①甘樫丘(あまかしがおか)乙巳(いっし)跡見む栗林
飛鳥に行かれたのでしょう。今は大化の改新と言わないそうですね。「乙巳の変」を栗林も見ていたのでしょうか?
②栗羊羹ぶ厚く切って交渉中
何を交渉したのでしょうか?栗が入るように少し分厚く切ってうまく物事が運ぶといいなというたくらみを込めました。
③筒口の煙の先にごんの栗
新見南吉ファンにはすぐに「ごんぎつね」のラストとわかり胸がきゅんとなりますが、気づかない人には「ごんの栗」がやや難解だったようです。
④笑栗のあけっぴろげの笑顔かな
あけっぴろげがいいですね。ただ笑栗と笑顔は重複しているという声もありました。
⑤焼栗の香をたて屋台巴里の夕
パリの屋台でも焼栗を売っているそうです。新聞紙に包まれて売られます。
⑥栗きんとん布巾で絞る造形美
「造形美」と言ったところが見事。栗きんとんをしげしげと眺めました。
⑦栗を買ふ丈夫な袋ぬくかりし
丈夫な袋を通しても焼栗の温かさが伝わって来ます。
⑧皮をむく無心の時間栗ごはん
手先が汚れながらもひたすらに栗をむく無心の時間。作者は一年に一度は大変だけど栗ごはんを炊くそうです。
⑨縄文の人の植ゑけり栗の木を
縄文の時代から人間は栗を食べていたそうです。大木が代々続いているロマンも感じられます。「栗の木を」の「を」が気になるという声もありました。
⑩ころがって栗豊年をよろこべり
ころがるのは栗ですよね。人と思った方も。そのあたりの表現が難しいですが、木を揺すって豊年を人々が喜ぶ姿が目に浮かびます。
⑪悪阻の娘(こ)の弁当母の栗ごはん
「おそのこ」より「つわりのこ」と読んだ方いいですよね?つわりに苦しむ娘もこれなら食べられる好物の栗ご飯。母の深い愛情が感じられます。
⑫毬割れて栗羊羹となりにけり
毬が割れてから一気に栗羊羹まで工程が飛躍しました。
⑬栗の実や肩寄せ眠る毬のなか
「肩寄せ眠る」がなんとも童話的で優しい一句。木曽駒でたくさんの栗の実を見たことを思い出して作られたそうです。お見事でした。
いかがでしたでしょうか?
意外に難しい毬栗でした(笑)
来月は石榴(ざくろ)が題詠となりました。これまた難しそうですがチャレンジしましょう!!
次回は10月17日(水)午後13時20分~愛知県芸文センター12階C会議室
です。皆様のご参加をお待ちしています。