575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

月山よりあの世の秋の風来り此の世の赤き風車まわす

2018年09月02日 | Weblog

出羽三山は、それぞれに観音菩薩・阿弥陀如来・大日如来を祀り、
羽黒山は現世利益をかなえる「現在の世を表す山」
月山は「過去の世界を表す山」、そして湯殿山は「未来を表す山」であり、
三山をめぐれば「生れ変る」と考えられてきたそうです。

三山のなかで一番高いのが月山。標高1984メートル。
芭蕉は羽黒山から月山へ向かいました。

八日、月山(がっさん)にのぼる。
木綿しめ身に引きかけ、宝冠に頭を包、強力といふものに道びかれて、
雲霧山気の中に氷雪を踏てのぼること八里、
さらに日月(じつげつ)行道の雲関に入るかとあやしまれ、
息絶、身こごえて頂上にいたれば、日没て月顕る。
・・・

  雲の峯幾つ崩れて月の山

苦労して歩いた芭蕉。その道を今は八合目まで車で。
そこには御田ケ原(みだがはら)と呼ばれる湿原があります。
ミヤマリンドウなどの高山植物が咲いていました。

中之宮・御田原神社の周りの草の中にはお地蔵さんや石塔が。
この世とあの世の境界に立っているようです。
雨こそ降って来ませんでしたが、霧が立ち込め神秘的な景色でした。
散策はあきらめてしばらく霧の中に佇んでいました。
もうすっかり秋、そこまで冬が来ているようでした。(遅足)



コメント (1)
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